新機能としては、ホワイトバランスの補正とブラケティング機能、フィルター効果や調色を加えられるモノクロモード、JPEGとRAWを別ファイルとして同時記録するモードなどがある。いずれも上位機EOS 20Dから受け継がれた機能だ。
撮像素子にはAPS-Cフィルムサイズの有効800万画素CMOSを採用する。撮像素子のサイズや画素数にわずかな違いはあるが、画質のレベルや傾向はEOS 20Dに近い。
ただし、初期設定の現像パラメーターが異なる。EOS Kiss Digital Nの初期設定はコントラスト、シャープネス、色の濃さがそれぞれ+1となる「現像パラメーター1」が選ばれているが、EOS 20Dの初期設定はそれぞれが±0の「現像パラメーター2」である。したがって、その分EOS 20Dよりも鮮明な発色になる。ただ、それでも旧EOS Kiss Digitalに比べた場合は、彩度やシャープネスの強調はいくぶん控えめだ。
解像感は高く、発色はクリアで、色がぶりやにごりが少ない。また、高感度時のノイズは目立たないように抑えられている。シーンによってはいかにもデジタルという印象の、やや人工的な絵作りになる場合もあるが、いい方を換えれば、どんなシーンでもそれなりに見栄えよくまとめる絵作りだ。
ボディのみで約10万円の実売価格は、最近の低価格デジタル一眼レフ機として特に安くはないが、高くもない。だが、さらに上の価格帯のデジタル一眼レフ機に匹敵する画質とスピードを考えれば、非常にお買い得なデジタル一眼レフ機といえるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.