撮影モードはこれまでと同じく、プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出、全自動、ポートレート、風景など計12モードが用意される。絞りやシャッター速度の調整にはグリップの電子ダイヤルを使用し、露出補正やマニュアル露出モード時の絞り調整には電子ダイヤルと背面のボタンを併用する。
操作ボタンのレイアウトは、従来はボディの上面にあったドライブモードの選択ボタンが背面へと移動したが、それ以外のボタンはほぼ従来どおりの位置である。だが、操作性の細かい部分には改良が施されている。
例えば、十字キーの上にISO感度、下のホワイトバランスの設定が割り当てられている点は同じだが、従来のようにダイヤルを併用せずに、ボタンクリックのみで各設定を切り替えられるようになった。また、従来は選択したモードによって制限されていたAFモードと測光モードが自由に選べるようになり、AFモードは十字キーの右に、測光モードは十字キーの左にそれぞれ割り当てられている。
ただし、カスタム機能によって十字キーにAF測距点の選択を割り振った場合は、もともと十字キーに割り当てられているISO感度、ホワイトバランス、AFモード、測光モードの各設定はメニュー画面からのアクセスとなる。ボタンやダイヤルの数が少ないので、これは仕方ないところだ。
液晶モニタには約11.5万画素の1.8型TFTを、ファインダーには視野率95%、倍率0.8倍のペンタダハミラーのファインダーをそれぞれ採用する。液晶はもっと大きほうがいい、ファインダーはもっと見やすくしてほしいなど、要望をいえばキリがないが、価格を考慮すれば許容範囲だろう。どちらも特に見にくいというほどではない。
だた残念に思うのは、セーフティシフト機能がないことだ。これは、シャッター優先AEや絞り優先AEの際に、自分で設定したシャッター速度や絞り値では露出オーバーや露出アンダーになると、値を自動的にずらしてくれる機能のこと。上位機の「EOS 20D」はもちろん、コンパクト機の「PowerShot G6」や「PowerShot S70/S60」にさえ備えている。ビギナーであるほど、この機能にありがたみを感じるはずだ。
また、プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AEの各モードでは、ISO感度のオート設定ができないのは個人的には不満だ。感度をカメラ任せにしたければ、全自動モードやシーンプログラムモードを選ぶしかないが、これらのモードでは露出補正ができないなど、何かと不自由である。全自動とマニュアルの中間がほしいと思うのは筆者のわがままだろうか。
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