WinBook WV710(WV710)は15インチ液晶を搭載したA4ノートPCである「WV」シリーズのローエンドモデルだ。「WV」シリーズにはベースモデルが3モデル準備されているが、基本スペックの違いは光学ドライブのみ。WV710がCD-ROMドライブになのに対し、WV730はDVD-ROMとCD-RWのコンボドライブ、WV750は記録型DVDドライブを装備するのがハードウェアスペックにおける唯一の違いだ。
WV710が注目されるのはやはりその価格。OSにWindows XP Homeを導入して、6万9800円という価格を実現している。コンボドライブのWV720でも8万4800円と十分リーズナブルなのだが、やはり7万円を切ったWV710のインパクトは強い。Windows XP HomeのOEM価格はおそらく1万円は切っているだろうが、それでもハードウェアの価格は6万円ちょっとということになる。
同社にはスタンダードサイズのA4ノートPCとしてもう1つのラインナップ「WH」シリーズがある。ITmediaでもリーズナブルな「素うどん」ノートPCとしてすでに紹介している。
「WV」シリーズは「WH」シリーズより概ね5000円安い価格に設定されているのに、液晶ディスプレイのサイズは一回り大きい15インチ。さらに「WH」シリーズにはないCD-ROMドライブモデルを準備することで、さらに値ごろ感を出ているわけだ。
さらにいうならば、WV710のスペックに「コストを抑えるためのムリ」がない点も評価したい。例えば低価格を前面に押し出すために、Windows XP採用モデルでありながらメインメモリの標準容量が128Mバイトで販売されるPCも大手直販PCメーカーで見かけることがある。
実際にWindows XPを利用しているユーザーなら分かると思うが、128MバイトのメモリでははっきりいってWindows XPは使い物にならない。WV710はWindows XPを実用的に使える256Mバイトメモリを標準で搭載している。
WV710はCPUにAMD Sempron 2600+、ビデオ機能を統合したチップセットにSiS M760を採用している。この主要パーツの違いがCeleron MとIntel 855GMを組み合わせた「WH」シリーズと大きく異なる点で、かつ、さらなる低価格を実現できた理由の1つだろう。
主要パーツをインテルからAMD対応に変更したのと引き換えに、バッテリー動作時間は「WH」シリーズの3.1〜3.9時間から2.2〜2.4時間と短くなっている。もっともスタンダードサイズのA4ノートは「省スペースPC」としての性格付けが強いわけだから、バッテリー動作時間が需要な欠点とはならない。
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