連載
» 2005年04月04日 11時47分 UPDATE

山谷剛史の「アジアン・アイティー」:「AMDかIntelか」「ATIかNVIDIAか」中国PC市場を制するのは誰だ (1/2)

中国の売れ筋のPCってなに? トレンドってなに? 録画PCはあるのか、やっぱりSempronが主流なのか。今回は中国PCメーカーのラインアップから彼らのPC事情を分析してみた。

[山谷剛史,ITmedia]

まずは中国のPCメーカーを知ろう

 ある国ある地域の売れ筋商品を知るのにいい目安となるのが、その国のPCメーカーがそろえているラインアップだ。PCメーカーの名前さえ知っていれば、読者の皆さんもメーカーのWebサイトにアクセスすれば、中国に限らず、諸外国それぞれの「PC業界の動向」が見えてくるだろう。

 IBMのPC部門を買収したLenovoについては、この一連の連載記事で紹介してきたが、いくら中国の業界No.1とはいえ、それだけで「中国のPC業界を知りました」というには数が少ない。では、中国にはPCメーカーがどれほど存在するのか。実際の売れ筋傾向を知る前に中国のPCメーカーを簡単に紹介しよう。

 ガートナーは2004年第三四半期における中国のPCメーカー市場占有率について次のようなレポートを出している。

中国2004年第三四半期PCメーカー市場占有率(出典:ガートナー)
3Q20043Q2003年間成長率
Lenovo(聯想)26.4%20.7%36.4%
Founder(方正)10.3%6.1%82.0%
清華同方8.7%5.2%79.7%
デル8.1%6.9%25.0%
IBM6.0%4.5%40.9%
HP5.2%4.3%30.4%
その他35.3%52.3%-27.8%
合計100.0%100.0%6.9%

 これによるとLenovo(聯想)がトップだが、デル・HP・IBMといった米PCメーカーの上位に、Founder(方正)、清華同方という中国メーカーが存在する。この2社はLenovo同様、中国全土に小売店を持ち、PCをメインに、プリンター、デジカメ、mp3プレーヤー、USBメモリなどの周辺機器を販売する。

 電脳街では中国PCメーカー3社の店舗数に差はないが、地方に行くとLenovoの店舗のみ、という街が多い。そのため、ユーザーからすれば、Founderと清華同方は(品質はおいといて)Lenovoに続くメーカーというイメージになる。

 さらに、この上位3メーカーに続く中国PCメーカーも存在する。家電がメインで世界的に有名な「Haier」、同じく家電がメイン事業の「TCL」や「Amoi」、IBMのサーバ部門を中国で扱う「長城」(Greatwall)、昨年Lenovoに挑発的な価格競争に挑んだ「神舟電脳」「新藍科技」などで、上記に挙げたメーカーのPCは中国全土で売られている。

 なお、このほかにもメーカーがあるにはあるが、これらは小規模で中国の一地区だけで販売している場合が多い。これらのメーカーは単に格安PCに特化しており、ラインアップも幅広くないためここでは割愛する。

中国では台湾産「C3」はどうなっている?

 中国のPCメーカーを把握したところで、それら中国製PC本体に搭載されるパーツベンダーの勢力傾向をみていきたい。

 まずはCPUの話。日本にいると、VIAやAMDが「発展途上国でもPCが普及するような安価なCPUを提供する」とアナウンスしているのを聞く機会が多い。中国でもVIAやAMDの廉価版CPUを大量に採用しているイメージがあるが、実際のところどうなのだろう?

 まず、安価なCPUとして思いつくのがVIAのC3だが、中国製PCにはほとんど採用されていない。調べてみるとLenovoなど一部のメーカーにおいて、激安ノートPC用や薄型軽量PCでC3搭載PCが用意されているにすぎない。しかし、低所得層が多い中国の市場においても、我々がイメージしているほどに多くのシェアを占めているわけではないのだ。

 過去を振り返ってもP6コアのCeleronがインテルのラインアップに何とか残っている段階でも、Founder(方正)や神舟がノートPCを中心に(一部のデスクトップにも)C3を採用していただけ。

 ちなみにLenovoの個人向けラインアップにC3搭載PCは存在しない(企業向けの薄型軽量PC「網鋭」シリーズでC3が搭載されているが)。中国のリーディングカンパニーであるLenovoでは「戦略的低価格PC」にAMDのSempronを採用している。しかも、これまた意外なことに中国のPCメーカーでLenovoだけがこのAMD製CPUを採用しているのだ。

 加えて言うと、Athlon 64を搭載したPCも中国ではLenovoだけが販売している。Lenovoのラインアップにおけるインテル製CPU採用率は約半数程度となっているが、ほかのメーカーでは総じてPentium 4とCeleronが半々、といったインテル中心のラインアップとなっている。

 中国PC市場における「CPU勢力図」の結論は、意外にもインテルの圧勝、といえるだろう。しかしPC1台の価値というのが日本人と中国人であんなにも違って、それでもC3やSempronを搭載したPCが売れないとは妙な話だ。これには中国人(に限った話でもないのだが)の消費者心理が影響しているのだ。

中国で「PCを買うっ」=日本で「車を買うっ」

       1|2 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.