アドビ「Creative Suite 2」日本語版発表

» 2005年06月07日 11時43分 公開
[ITmedia]

 アドビシステムズは6月7日、「Creative Suite 2」日本語版各製品を一斉発表した。Photoshopの1機能だったファイルブラウザが「Bridge」として独立し、各製品間を取り持つハブとして拡張された。発売は7月上旬。

 対応環境はWindows 2000 SP4/XP SP1とSP2、Mac OS X v.10.2.8〜10.4(10.3.4〜10.4を推奨)とJava Runtime Environment 1.4.1。

 CS2ではWindows版、Macintosh版とも全製品にプロダクトアクティベーションが導入される。新規インストール時にはネット経由などで製品認証を行う必要がある(関連記事参照)

 各製品のアドビストア価格(税込み)は以下の通り。Windows版、Macintosh版とも価格は同じ。

製品名 内容
Creative Suite 2 Premium InDesign CS2、Photoshop CS2、Illustrator CS2、GoLive CS2、Acrobat 7.0 Professional、Version Cue CS2、Bridge、Stock Photos、Help Center
Creative Suite 2 Standard InDesign CS2、Photoshop CS2、Illustrator CS2、Version Cue CS2、Bridge、Stock Photos、Help Center
製品名 通常 アップグレード(Photoshop CS以前から) アップグレード(CS同グレードから) アップグレード(CS Premium 1.3から) アカデミック
Creative Suite 2 Premium 19万7400円 13万4400円 8万6940円 7万1400円 7万3290円
Creative Suite 2 Standard 15万5400円 10万2900円 6万900円
製品名 通常 アップグレード アカデミック 特別提供
Photoshop CS2 9万2400円 2万6250円 4万1790円
InDesign CS2 9万2400円 2万6250円 3万1290円 6万8250円(PageMakerユーザー向け)
Illustrator CS2 8万3475円 2万6250円 2万9400円
GoLive CS2 2万6040円 1万2705円 9660円
InCopy CS2 2万790円 9345円

ファイルブラウザが独り立ちして「Bridge」に

Bridge

 CS2の目玉は「Bridge」。文字通りCS各製品をつなぐ橋として機能する。「ファイルブラウザ」はPhotoshop内の1機能としてPhotoshop内でのみ起動できたが、Bridgeは独立したアプリケーションとしてPhotoshopとは無関係に起動できる上、IllustratorやInDesignからも呼び出し、PSDに加えAI、INDDなど各種ファイルをプレビューしながら探すことができるようになった。

 ファイルには重要度に応じたレーティングやラベル付け、メモなどメタデータを入力して探しやすくできるほか、メタデータは共有も可能。CS全体のカラーマネジメント設定もBridgeから一発で行える。

 Camera RawによるRAWファイルの現像処理も直接行える。複数のRAWファイルに対し補正や切り抜きなどの処理を同時に適用でき、同一アングル・同一条件の複数画像を一気に現像したい場合などに便利だ。

Camera Raw

 画像サムネイルの大きさをスライダーで自由に変更したり、ウインドウと各ペインの組み合わせは「ワークスペース」としてカスタマイズすることもできる。新機能「Adobe Stock Photos」を使えば、Bridgeからネット経由でストックフォトなどの素材を購入できる。

 Bridgeは単体販売はせず、Photoshop CS2に付属する形となる。

 CSファミリーに加わったInCopyは、InDesignと連携可能な文章ライティングソフト。書籍、雑誌などで原稿執筆からDTPまでのワークフローを構築できる。販売は単体版のみとなる。

InCopy

Photoshop CS2とIllustrator CS2

Photoshop CS2は広々とした印象。というのも全体ウインドウ最下部の情報バーがなくなり、各画像のウインドウごとに表示されるようになったため。作業スペースは実際に少し広くなっている
Vanishing Point

 Photoshop CS2に搭載された「Vanishing Point」は、遠近法の「消失点」を意味する名前の通り、自動的にパースに合わせて画像を合成してくれる機能だ。

 Vanishing Pointでは、起動すると開くウインドウ内で、建物などの画像に合わせて遠近グリッドを定義しておく。メッシュ上に合成したい画像やテキストなどのパーツを持ってくると、グリッドが示すパースに合わせてパーツがリアルタイムに変形し、自然に合成できる。

 従来の「変形」メニューの「遠近法」を使った場合は手動で一つ一つ変形させる必要があるが、Vanishing Pointなら1度メッシュを設定しておけば好きなだけ簡単に合成が可能だ。

新機能「スマートオブジェクト」をオブジェクトに設定すると、オブジェクトがベクター化される。オブジェクトを縮小した後で拡大した場合の劣化などを防げる

 写真処理関連の新機能として追加されたのは(1)「32bit HDR」、(2)高感度撮影画像などのノイズ低減、(3)球面収差や色収差など各種レンズ収差の補正、(4)赤目補正、(5)スポット修復ブラシ──など。32bit HDR(ハイダイナミックレンジ)は、自動露出ブラケティング(AEB)などで撮影した複数画像を1枚に合成し、シャドウからハイライトまで広大なダイナミックレンジの画像を生成できる機能だ。

 このほか2Gバイト以上の大容量メモリにも対応。PowerMac G5、AMD64/EMT64システムでは約3.5Gバイトまで対応可能になっている。

Photoshop CS2ではレイヤーの複数選択によるリンク化が可能になった
フォント一覧は見やすくなった

 Illustrator CS2には「ライブトレース」機能が新搭載された。「Streamline」のように、ビットマップ画像をワンクリックでベクター形式に高速変換する。

Illustrator CS2のライブトレース機能

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