前回、ミドルレンジクラスのシステムでGeForce 7800 GTXのパフォーマンスを検証してみたが、市販のゲームを使ったベンチマークでは「CPUがボトルネック」という状況になっていた。ならば、GPUに相応しい、ハイエンドCPUと組み合わせた場合、パフォーマンスはどこまで向上するのだろうか。ここでは、先日発表されたばかりの「究極の3DゲームCPU」であるAthlon FX-57を使って、未知なる3Dグラフィックスの性能を調べてみた。
まず、ハイエンドCPUとGPUによる、最強3Dパフォーマンスを見る前に、基礎的なことで申し訳ないが、前回のレビュー記事で述べたGeForce 7800 GTXの構造について、訂正をしておきたい。
記事では「PixelShaderパイプラインの構成が「4×6=24」となっているのに注目」と、GeForce 6800 UltraとGeForce 7800 GTXの相違点であるように書いてあるが、この「Pixel Shaderユニットを4つ単位でまとめて構成」というのは、NVIDIAではすでに以前から取られている手法でとくに目新しいものではない。
GeForce 6800 Ultraの構成図で16個のPixel Shaderが並列に配置されていたのと同様に、GeForce 7800 GTXの構成図でも24個のPixel Shaderを並列に配置して問題ない。また、Vertex ShaderユニットもPixel Shaderユニットも内部にチューニングが施され、より効率のよいシェーダプログラムの処理が可能になっている。
Vertex Shaderの数はNV40世代の6個から8個に、Pixcel Shaderの数が16個から24個とそれぞれ1.5倍になっているが、NVIDIAの説明ではシェーダプログラムの演算処理能力は「ユニットのリデザインによって倍のパフォーマンスになった」(NVIDIA 日本・韓国マーケティングディレクター 飯田慶太氏)としている。
そこで、具体的にVertex ShaderとPixel Shaderの処理能力がどれだけ向上したかを3DMark03の「Vertex Shader」「Pixel Shader 2.0」「Ragtroll」と3DMark05の「Pixel Shader」「Vertex Shader - Simple」「Vertex Shader - Complex」の値をGeForce 6800 Ultra(一部のデータはRADEON X850XTとも)と比較することで見ていきたい。
ベンチマークシステム環境 | |
CPU | Athlon 64 3500+ |
マザーボード | ASUS A8N-SLI |
メモリ | PC3200/512MB×2ch |
HDD | ST3160023AS |
OS | Windows XP Professional +SP2 |
GeForce 6800 UltraとGeForce 7800 GTXのShader処理性能を比較したとき、3DMark05のVertex Shaderは増えたユニット分に見合った分だけパフォーマンスがアップしている(実際は少し少なめ)が、PixelShaderのテストにおいては、NVIDIAの主張を裏付けるように、ほぼ2倍の性能向上を実現している。
ただし、同じように「リデザインで処理能力を向上させた」とNVIDIAが説明するVertex Shaderの処理能力は、同じ数のユニットを実装するRADEON X850XTのそれとほぼ同じか、テストによっては届いていない状況であることもグラフは物語っている。
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