以上のように、PowerNow!ドライバを入れてしまえば、WindowsXPでGeode NXを使うのは非常に楽だ。しかし、Geode NXはハイパフォーマンスなCPUではないのでメインマシンとしては少々物足りない。2台めのマシンとしてならば悪くはないと思うが、もう少し面白い使い方はないだろうか。
だれでも考えるのがサーバでの使用である。アイドル時に消費電力が自動的に落ちるのであれば、24時間稼動しているサーバで節電効果が大きい。そして、フリーのLinuxなどを使えば、せっかく安いシステムを導入したのにOSの価格で結局はコスト高、ということもない。
急ぎ調べてみたところでは、最近のFedoraあたりでは、最初からPowerNow!に対応したカーネルになっているようで、うまくすればなにもしなくても省電力になるらしい。
ということで、さっそくインストールしてみた。使用したディストリビューションは6月に出た「Fedora Core4」である。最近のディストリビューションでは、インストールはあっけないほど簡単に終わる。とくにHDDの検出性能はすばらしく、チップセットに内蔵されたUniChromeも難なく認識した。インストールが終わり、再起動させた後にdmesgで起動時のメッセージは次のようになっていた。
dmsegを見るとPowerNow!を認識しているようだ。きちんとPowerNow!対応のCPUだと認識されている。このメッセージからすると、クロック周波数は666MHz(×5)と1.4GHz(×10.5)とで切り替えられるようだ。
本当かどうか、起動直後のアイドル状態で、
#cat proc/cpuinfo
としてみる。おお、きちんと666MHzになっているようだ。ちなみに、このときの消費電力は46ワット。
次に、Super PIを動作させてみると消費電力は60ワットとなった。同じように、/proc/cpuinfoを見ると1400MHzとなっており、動的に変更されているのが確認できた。
CPUのクロックを設定するには、/etcにあるcpuspeed.confというファイルを編集すればいいらしい。ただ、インストール時に設定される標準的な値でも十分に実用的なのであまり変更する必要はないようだ。
なお、Core電圧は上記の情報からはわからないので、「LM Sensors」というツールを入れて調べた。すると、電圧は1.04ボルトから1.23ボルトの間で変化するようである。このツールはBIOSから情報を引っ張っているので、CrystalCPUIDのデータとは若干違うかもしれないが、いずれにせよ動的に変化していることは確認できる。
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