東芝、フラッシュメモリの速度を2倍に

» 2005年11月21日 17時20分 公開
[IDG Japan]
IDG

 東芝は11月21日、2006年にNAND型フラッシュメモリチップの読み込み・書き込み速度を2倍にする計画を明らかにした。

 NAND型フラッシュメモリは、デジカメや音楽プレーヤー、メモリカードなどのデバイス向けの基本的なストレージとして利用されている。チップが高速なほど、コンピュータとデバイス間のデータ転送も速くなる。

 現時点では、東芝のフラッシュチップの読み込み・書き込み速度は6Mバイト/秒だが、2006年に新しい製造ラインで生産を開始する時には12Mバイト/秒になると同社の広報担当ヒロコ・モチダ氏は語る。

 同社は現在、ほとんどのNAND型フラッシュチップを90ナノメートルプロセス製造ラインで生産しているが、2006年には最新の52ナノメートルプロセスでの製造を開始する。

 52ナノメートルプロセスで製造される最初のフラッシュチップの容量は16Gビット(2Gバイト)になるという。

 フラッシュメモリ市場では競争が激化しており、東芝の新しいチップはそうした中で登場することになる。Apple Computerがフラッシュメモリを搭載したiPod nanoを立ち上げたことでフラッシュチップへの需要が増加し、潜在市場も拡大したことから、半導体メーカーは売上を伸ばそうと競い合っている。

 「Hynixは2005年第2四半期からキャパシティを拡大した」とGartnerの東京オフィスのアナリスト、ヒロユキ・シミズ氏は話す。「Hynixの生産力は東芝に急激に迫ってきており、東芝は(市場シェアを維持するために)生産量を増やさなければならなかった。おそらく年末には、Hynixはフラッシュ市場でナンバー3になるだろう」

 東芝は2004年、フラッシュ市場で売上高2位だった(Gartner調べ)。首位はSamsung Electronicsで、東芝の後にはSanDisk、ルネサステクノロジ、Hynixが続いた。

 コンシューマーにとっては、価格が下落するためこのような競争は朗報だとシミズ氏は言う。だが一部には、需要が共有を上回り、品不足が生じることを懸念する声もある。

 「現時点では、NAND型フラッシュメモリ(の価格)はまだ下がっているが、品不足が起きれば(メーカーは)価格を上げようとするだろう。メーカー各社は今は市場シェアを拡大しようとしており、そのために価格を下げなくてはならない」

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