台湾AVC(Asia Vital Components)とAntig Technologyは、世界初の商用ノートPC向け燃料電池と携帯型の燃料電池電源システムの展示を行った。製品はAntig Technologyが開発設計し、AVCが製造したもの。
ノートPC向けの燃料電池は、ノートPC用のCD-ROMドライブと同等の形状をしており、ノートPCでは一般的なCD-ROMドライブ=ドライブベイに装着して利用する。サイズは140(幅)×115(奥行き)×20(高さ)ミリ、重量は約800グラムだ。出力は12ワット/14〜16ボルト。
燃料電池に利用される燃料電池モジュールは、154(幅)×50(奥行き)×6(高さ)ミリ/60グラムで出力3ワット/18ボルトの軽量薄型タイプと、100(幅)×90(奥行き)×10(高さ)ミリ/120グラムで出力8ワット/4.8ボルトの大容量タイプの2種類がある。
今回展示されていたノートPC向け燃料電池はCD-ROMドライブの形状をしているが、これはドライブベイが多くのノートPCで採用されているからとのこと。もちろん燃料電池モジュールの組み合わせを変えれば、別の形状の燃料電池を作ることも可能だという。
ノートPCで燃料電池を使用する場合、現時点ではノートPCのメインバッテリーとの併用が必要とのこと。これは、燃料電池は出力電圧が常時一定という特徴があり、ノートPCの起動時など一時的に電力負荷が高まる場合、燃料電池だけでは電源供給不足になる場合があるからだという。また燃料電池はノートPCに電源を供給するほか、ノートPCの内蔵バッテリーを充電することも可能だ。
製品の発売時期はODMメーカー向けが年内、コンシューマー向けとしては2007年を予定している。価格はまだ未定だが、競争力のあるものを目標としているとのことだ。
一方、携帯型の燃料電池電源システムは外部電源として利用したり、機器への組み込み用途として開発されたもの。サイズは260(幅)×110(奥行き)×120(高さ)ミリで重量は約1.7キロ、出力は45ワット/5〜19ボルトで、一般的なノートPCを約8時間駆動させることができる。ODMメーカーから年内の発売を予定しているが、本体サイズは1/2から1/3程度まで小型化するよう、現在開発を進めているという。
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