「MacBook」の販売がはじまったアップルストア銀座の5階で、Apple Computerのワールドワイドハードウェアプロダクトマーケティング担当バイスプレジデントであるデビッド・ムーディ氏にインタビューする機会を得た。また、机の向かい側にはApple Computerバイスプレジデントマーケティング兼アップルコンピュータ代表取締役の前刀禎明氏も座り、時々突っ込みを入れてくれた。(聞き手:こばやしゆたか)
――まずはこの新しいMacBookと製品ラインアップ全体の概要をお聞かせください。
ムーディ氏:MacBookの投入はMacintoshがIntel CPUへ移行する一環だ。今までiMac、Mac mini、MacBook Proの15インチ、そして17インチと発表してきたが、今回のMacBookでノートPC製品のラインアップは完全にIntel Coreへと移行した。このMacBookはiBookと12インチPowerBookの後継という位置付けになる。
MacBookを紹介する前に、まずMacBook Proの15インチモデルについて知らせることがある。CPUが従来のものよりもグレードアップした。また、BTOオプションとして、MacBookで採用したクリアスクリーンも選べるようになった。これにはオプション費用はかからない。
(続いていよいよMacBookの紹介。基本的な説明は昨日の記事と重複するのでここでは省略する)
ムーディ氏:さて、MacBookの特徴だが、Intel Core Duoを使った高い性能とスマートで薄いフォルム、13.3インチワイドのクリアスクリーンパネル、そして白と黒の2色があることだ。この黒いモデルはただ黒く塗っただけではなく、黒いポリカーボネート素材の上に透明なマット加工を施してあるんだ。
前刀氏:傷つけたり古くなったりすると下地が見えてしまうものがありますよね。でもMacBookはそんなことはありません。素材自体が黒いので削っても黒いんです。
ムーディ氏:黒いのは外側だけじゃない。ほら、コネクタの内側もちゃんと黒いし、スロットインDVDドライブ(の入り口)も黒い。クオリティとはつまりそういうことだよ。
――すばらしいと思います。でも、ブラックモデルの電源ケーブルは?
ムーディ氏:……白いね。これは共通になっているからなあ。
前刀氏:これはアップルマークの白に合わせてあるんです。
ムーディ氏:とにかくデザインには気を使っているよ。脚も今度は内側からはまっているので、簡単に取れたりしなくなった。
(旧iBookのゴム脚をいくつもなくしているので、これはありがたい)
ムーディ氏:また、液晶パネルを閉じたときも、今までのiBookのようにノッチで引っかかるのではなくマグネットで閉まるようになっている。(トラックパッドの下の付近をなでながら)この辺にマグネットがあるんだ。
(それではというので、そこにゼムクリップを近づけてみたのだけど、吸い付いてくっつくというほどのことはなかった。意外に弱い磁石なのかもしれない。でも、ふたを開け閉めした感じではちゃんと止まる)
ムーディ氏:キーボードも全く新しくなった。筐体とキーボードパネルが一体になったんだ。
(文章書きとしてはキータッチが一番気になる。ちょっと触った感覚では、見た目よりもずっとしっかりしていて入力しやすい。一体型なので掃除がしやすいような気もする)
――掃除がしやすそうですね。
ムーディ氏:ん、それは今までと同じだろう。メンテナンスの面では、メモリがバッテリーを外したところからアクセスできるようになった。それだけじゃない。HDDの換装もねじを3本外すだけだ。
ムーディ氏:Intel Core Duoの採用によって処理速度も非常に上がった。システムパフォーマンスでは、iBook G4と比べて5.1倍、12インチPowerBook G4と比べても4.8倍の値を得ている。また、実際のアプリケーションについても1.5から3.9倍速い。
ムーディ氏:最後にMacBook Proも含めたMacBookファミリーの共通の特徴を挙げておこう。まず“Thin and Light”であること。MacBook Proの厚さは1インチだし、MacBookも1インチちょっとだ。次にワイドスクリーン、iSightカメラの内蔵、Front Rowと赤外線リモコン。それから、スロットローディングのDVDドライブ、これはトレイ式みたいに引っ掛けて壊すことがないんだ。引っ掛けて壊さないといえば磁石式の電源コネクタMagSafeもそう。また、落下時にデータを保護するSudden Motion Sensorもある。
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