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» 2006年11月29日 14時01分 UPDATE

イマドキのイタモノ:「CPUを購入すればもう1つ入っています」──Quad FXプラットフォームの実力は? (1/3)

開発コード名「4x4」で知られてきた「Quad FX」が登場した。2つ入ってこれまでのAthlon 64 FXシリーズと同じ価格のCPUがもたらすQuad FXの性能に迫る。

[笠原一輝,ITmedia]

動作クロック3GHzのAthlon 64 FX-74を2つ搭載できる“Quad FX”

 Quad FXプラットフォームは、デュアルCPUをサポートするマザーボードとCPU2個で構成される。今回搭乗するQuad FX対応CPUは、Athlon 64 FX-7xシリーズで、FX-74(動作クロック3GHz)、FX-72(同2.8GHz)、FX-70(同2.6GHz)の3モデルが用意されている。製造プロセスルールは90ナノメートルで、基本的にCPUコアは既存のSocket AM2用Athlon 64 FX、もしくは同X2シリーズと同等と考えられる。ただし、対応するCPUソケットは、いわゆるSocket Fと呼ばれる1207ピンのもので、Socket AM2(940ピン)用のマザーボードでは利用できない。

 また、Opteron用のSocket Fマザーボードでも利用できない。Athlon 64 FX-7xシリーズは、Registered DIMMではなくUnbuffered DIMMをサポートするからだ。ただ、実際にOpteronマザーボードで試したわけではないので、もしかすると技術的には使えてしまうかもしれないのだが、仮にそうだとしてもAMDはサポートしない。

 Athlon 64 FX-7xシリーズがユニークなのは、1つのリテールパッケージに2つのCPUが入った状態で販売されることだ。FX-74のリテールパッケージは2つのCPUが入って999ドル(日本円で約11万5千円)、同じように2つのCPUが入ったパッケージで、FX-72が799ドル(同9万2千円)、FX-70が599ドル(同6万9千円)という価格設定がされている。

 こうした価格設定がなされた理由として、そもそもQuad FXがインテルの「Kentsfield」に対抗する製品として位置づけられている背景が挙げられる。インテルはKentsfieldでCPUパッケージの中に「2つのデュアルコア」を封入するという策を選んだが、AMDは2つのCPUソケットをマザーボードの上に実装することでクアッドコアを実現するという道を選んだ、ということができる。だとすれば、値段もKentsfieldに対抗できる必要があるわけで、「CPU2個セット」という価格体系を選んだと考えれば分かりやすい。

 余談になるが、本来は1個ずつ販売できるものを2個セットで売らなければいけないことを考えると、AMDとしてはあまり美味しくない。しかし、「パフォーマンスリーダー」というイメージをこれまでアピールしてきたAMDとしては、これまで築いてきたイメージを覆されたくないわけで、こうした作戦に出たも考えることができるだろう。

 ただ、マザーボードにCPUソケットを2つ搭載することには、いくつかのメリットがある。具体的にはCPUクロックをCPUが出し得る最高クロックに上げられることだ。例えば、インテルのクアッドコアCore2 Extreme QX6700は2.66GHzと、デュアルコアのCore2 Extreme X6800の3GHzに比べてクロックを落とさざるを得なくなっている。これは、1つのパッケージでは放熱の点などから消費電力を抑える必要があり、どうしてもクロックを若干下げなければならないからだ。しかし、デュアルソケットではそうした必要がないため、Athlon 64 FX-74は、これまでのAthlon 64 FXや同X2シリーズとしては最高クロックとなる3GHzを実現している。

 もちろん省電力という面では、125ワットのCPUが2つとなるので、130ワットのCPUが1つというCore2 Extremeに比べると明らかに不利であることは、表裏一体のデメリットとして存在するが、こうしたハイエンド向けプラットフォームで“省電力”うんぬんは野暮な話かもしれない。

kn_qfxcpu.jpg CPUはAthlon 64 FX-74を使用。動作クロックは3GHz、L2キャッシュは1Mバイト×2。TDPは123ワットとなる
kn_qfxrevf01.jpg CPUソケットはSocket F(1207)に対応する

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