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» 2006年12月14日 16時59分 UPDATE

性能、機能、使い勝手を検証:最強はどれ? 2007年版セキュリティソフト徹底比較(前編) (1/3)

インターネットを安全に利用するためには、セキュリティソフトの導入はいまや常識だ。ここでは各社の最新セキュリティソフトをさまざまな角度から検証した。

[瓜生聖,ITmedia]

セキュリティソフトの選び方

 インターネットへの常時接続は、家庭内でもごくあたりまえの環境になっている。そのため、個人がネット上の危険に直面することが以前に比べて増大した。それら脅威の種類や手口、目的も多彩になり、単に「気をつける」という気構えだけでは対応できなくなっているのが現状だ。いまやPCにセキュリティソフトを導入するのは常識といえる。

 ところが、一口にセキュリティソフトと言っても数多くのベンダーからさまざまな製品がリリースされており、どれを使えばよいかPC初心者には分かりづらいのではないだろうか。たとえ中級者以上であっても自分が使ったソフトでなければその使い勝手は分らないし、この手のソフトを頻繁に乗り換えるのは難しい。なぜならセキュリティソフトは、次々に登場する新たな脅威に対応するため、契約期間に限ってアップデートの提供を行う、いわばソフトウェア+サービスという形態を持つ製品だからだ。

 セキュリティソフトはその性格上、PCの利用開始とともに、少なくともインターネットに接続したときには絶対に必要となる。そのためメーカー製PCには、あらかじめセキュリティソフトがプリインストールされている場合が多い。すでに購入済みのソフトが手元にある場合を除けば、とりあえずプリインストールされているソフトを使う人が多いはずだ。だが、プリインストール版の契約期間は通常製品よりも短い場合がほとんで、この期間が終了したら新たに後継製品を購入するか、あるいは契約の延長を申し込まなくてはならない。

 だが、ちょっと待ってほしい。そのセキュリティソフトは本当にユーザー自身のニーズに合ったものだろうか。ただ「最初に入っていたから」という安易な理由で利用してはいないだろうか。

 本記事では、セキュリティソフトの双璧と言われるシマンテックとトレンドマイクロの最新スイートをはじめ、第三者機関から実力を高く評価されている製品を中心に、以下の6製品を取り上げて比較検証を行った。

 なお、各製品とも期間限定の試用版がダウンロード可能なので、興味を持った製品があれば実際に試してみることもできる。各ベンダーの試用版を期限いっぱいまで利用しながら次々と渡り歩き、自分の用途に最適なソフトを見つけるのも1つの方法だ。

セキュリティソフトで重視すべき評価ポイントは?

 統合セキュリティソフトの良し悪しとは何だろうか。ここでは一般的な家庭での利用を想定して、いくつかの評価ポイントを挙げてみた。

○機能

 セキュリティソフトはシステムと密接に組み込まれるものであるため、どうしても他社製セキュリティソフトとは排他的な関係になることが多い。また、深いところに組み込まれるということは安定性などからも1社の製品でそろえるのが基本となる。

 逆に言えば、1製品ですべてをカバーできるものでなければ不都合が生じる場合もあるということだ。今日、セキュリティ的観点から必要不可欠だと考えられる機能を以下に挙げる。

1、ウイルス対策

 ウイルス対策には大きく分けて全ファイルのスキャンとリアルタイムスキャンがある。リアルタイムスキャンは、ファイルにアクセスするときにそれを監視して、随時スキャンを行うものだ。一方、全ファイルスキャンはアクセスされていないファイルなどもチェックをする。リアルタイムスキャンは水際での感染阻止のためには絶対必要な機能だ。一方、全ファイルスキャンは初期時点での安全確保、定期的な再チェックのために役立つ。

2、ファイアウォール

 ウイルスがローカルPC上で動作するのに対し、ワームやクラッカーなどによる攻撃はネットワークの向こう側から行われる。ファイアウォールはそのような攻撃に対する防御壁となる。ルータでのファイアウォール、IPマスカレードがあるから大丈夫、と考える人も多いが、それだけではローカルエリアからの攻撃にはまったくの無防備となってしまう。ウイルスに感染したPCが持ち込まれることや、無線LANから侵入されることも考慮しておかなければならない。

3、スパイウェア対策

 スパイウェアの定義はまちまちだが、一般には個人情報をこっそりと盗み出す、操作動向を監視する、ポップアップ広告などで押し売りをするようなものなど、単なるいたずらではなく、犯人が得をするような明確な目的をもって忍び込んでくるものを指す。もっとも、近年では境界が曖昧になってきたこともあり、危険性のあるソフトウェアはひとまとめにして、マルウェア、リスクウェアとも呼ばれる。

4、フィッシング対策/個人情報保護

 フィッシング詐欺は本物とそっくりな詐欺サイトを用意し、そこにさまざまな方法を使ってユーザを誘い込んで、クレジットカード番号や銀行口座番号などの重要な個人情報を入力させ、盗み出す。ほかの脅威とは違い、ユーザ自らの手で情報を漏洩させてしまうという特徴がある。そのため、対策にも別の方法が必要となる。

5、アンチスパム

 スパムメールに閉口している人は非常に多いだろう。スパムメールは鬱陶しいのは確かだが、必ずしも危険なものではない。そのため、セキュリティという観点からは若干ずれるかもしれない。しかし、ウイルス対策のためにメールの監査は必須であり、そのタイミングで同時にスパムの振り分けを行うことはユーザの利便性から考えても大きな意味を持つ。

 以上に挙げた5つの機能は最初にチェックすべき必須項目だ。だが、PCを利用している間、ずっと動作し続けるソフトであるだけに、ほかにも外せないポイントがある。

○柔軟なスケジューリング

 全ファイルのウイルススキャンを搭載していないソフトはないが、これを「どのように運用するか」は各ソフトによって異なる。ヘビーユーザーの場合は常時通電でPCを利用していることもめずらしくないが、ライトユーザーの場合は1日に1時間未満、あるいは数日に1回程度しかPCを利用しない。

 その場合は感染の危険性も低くなってはいるが、定期的なスケジュールでのスキャンにはほとんど意味がない。また、毎回ウイルススキャンをしながらパフォーマンスを落とした状態でPCを利用していては、何のためのPCなのか分からなくなってしまう。いかにユーザーに負担をかけずに定期的なスキャンを行えるかも重要なポイントだ。つまり、ユーザーのPC利用頻度・利用形態によってセキュリティソフトの評価はまったく異なる結果になるだろう。

○契約期間/台数/価格

 実質的にパターンファイルのアップデートは必須なので、購読期間あたりの料金は重要だ。また、大抵の場合、購読期間は1年になっており、購読期間が切れたら延長するのではなく、製品自体をバージョンアップする、という使い方をする人も多いと思われる。さらに家庭内に複数台のPCを所有していることもめずらしくなくなってきた。

 1台分1年間の価格、複数台分の価格メリット、製品のアップグレード価格など、状況に応じた判断をしてもらいたい。

○パフォーマンス

 全ファイルのウイルススキャンは自分が利用していない時間帯、あるいは利用後シャットダウン前に自動的に行うなど、影響を最小限に抑えるようユーザー自身が調整することができる。しかし、常時動作するリアルタイムスキャンはPC自体のパフォーマンスをコンスタントに低下させてしまう。リアルタイムスキャンのパフォーマンスの下げシロは生産効率すべてに影響する重要な要素だ。

○Windows Vistaへの対応

 来年1月にはWindows Vistaがリリースされる。いまこの時期に購入したセキュリティソフトがVistaに対応しているのか、対応していない場合は無償でアップデートが可能なのかも要チェック項目だ。

 以上を念頭に置いたうえで、さっそく各ソフトの特徴を見ていこう。

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