先週末、ザルマンの水冷キット「Reserator 2 DC」が、複数のショップに入荷した。価格は4万5000円弱で、在庫はやや少数だ。
Reserator 2 DCは外付けタイプのファンレス水冷キット。ラジエーター兼ポンプのサイズは幅76×奥行き436×高さ76ミリで、高さ約60センチの円柱型を採用した前モデル「Reserator 1 Plus」から、大きくデザインを変えている。パネル状のラジエーターには純アルミ製のフィンが縦方向に入り、コンパクトになった筐体でも効率的な放熱を行う。同梱品はCPUブロックとGPUブロックなど。
PCパーツショップ・CUSTOMや高速電脳など、水冷キットを得意とするショップは、「問い合わせもなく、サッパリ売れません」と話す。「熱心なユーザーは、待ちぼうけを食っている間に、サーマルティクのOrchestra(CL-W0097)など、似たような製品を購入されました。2年も待っている人はほとんどいないでしょう」(高速電脳)とのことで、散々な結果も予想通りといった様子だった。
Reserator 1の後継モデルに関する噂は、「Reserator 1 Plus」が登場する以前の2005年初頭から流れていた。しかし、店頭に並ぶまでに2年もの月日を費やしてしまった。その理由は複数挙げられている。
TSUKUMO eX.は「製品が完成したのは半年前。開発当初は横置きもできるコンセプトだったのですが、液漏れが発生して設計をやりなおしたらしいです」という。
現在の縦置きスタイルで完成したものの、今度は国内での販売にPSE法(電気用品安全法)が待ったをかけた。「Reserator 2はAC電源を採用していました。AC電源駆動の製品はPSE法の対象になるのですが、定められた条件をクリアできなかったのです」(PCパーツショップ・CUSTOM)。ならば、対象外となるDC電源に切り替えればOKだが、「PSE法は日本だけの法律。ザルマンは日本への出荷にそれほど本腰を入れていなかったようで、代理店のASKがせっついても、なかなか対応してくれなかったらしいです」(同ショップ)という。
技術的な問題や法律、企業戦略の逆風がこれだけのタイムラグを生んだわけだ。ようやく出荷された製品には、少しでも早く出荷しようという努力(?)がかいま見える。T-ZONE.PC DIY SHOPが「取扱説明書が面白いんです。“コネクッター”や“予告なしに変更されることのございます”など、誤字のオンパレード。おそらく、日本語翻訳ソフトで変換して、即印刷したのかもしれませんね」と、数ページをめくって見せてくれた。
製品: | ザルマン「Reserator 2 DC」 |
入荷ショップ | |
T-ZONE.PC DIY SHOP | 4万4800円 |
PCパーツショップ・CUSTOM | 4万4800円 |
高速電脳 | 4万4800円 |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.