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» 2008年06月06日 00時03分 UPDATE

COMPUTEX TAIPEI 2008:快挙!Team Japan──Core 2 Extreme QX9770オーバークロックで世界記録に挑戦 (1/2)

PCパーツブースが集結したCOMPUTEX TAIPEI 2008の南港展覧館で行われたオーバークロックイベントで、日本代表が6GHzを超える動作クロックを実現した。

[長浜和也,ITmedia]

標準で「ガス冷」に対応するFoxconnマザーでCPUの限界に挑む

 COMPUTEX TAIPEI 2007まで、PCパーツ関連の展示はHall 2と呼ばれる建物に集中していたが、COMPUTEX TAIPEI 2008からは、台北市の中心部から「シャトルバスで高速道路を走って30分」ほど離れた場所に登場した「南港展覧館」に大挙して移動した。

 家電系やネットワーク系の企業があつまった従来のCOMPUTEX TAIPEIの会場がなんとなく落ち着いた「大人の雰囲気」になったという印象がある一方で、「自作PC」というキーワードでまとまっている南港展覧館は、それまでの「お祭り」のようなノリで盛り上がっている。

 そのCOMPUTEX TAIPEI 2008“お祭り”バージョンの会場で、世界トップクラスのオーバークロッカーがそのテクニックを競うイベントがFoxconnのブースで行われた。このイベントは、世界から国ごとに結成されたオーバークロックチームが、CPUの動作クロックの上限に挑むもので、日本からも「Term Japan」と呼ばれる3人組が参戦した。

kn_oc_03.jpg COMPUTEX TAIPEI 2008という大舞台に挑むTeam Japanの面々。しかし、意外といっては失礼かもしれないが「けっこう年齢層が高くありません?」
kn_oc_12.jpg Team Japanの守り神。この猫はオーバークロックに挑むメンバーをマシンの近くでずっと見守っていた

 Term Japanのfredyama氏、duck氏、New Beetle氏(いずれもハンドル名)に与えられるのは、定格の動作クロックが3.2GHz(400MHz×8倍)の「Core 2 Extreme 9770」とIntel X48 Expressを搭載したFoxconn のマザーボード「Quantum Force BLACKOPS」。動作クロックや駆動電圧の設定はFoxconnのオリジナルツール「AIGES PANEL」を利用するのがこのバトルのルールだ。

 Quamtum Force BLACKOPSは、Foxconnがオーバークロッカーを意識して開発したマザーボードで、基板に用意されたパワー、リセット、CMOSクリアのボタンや、POSTコードインジケータ、液冷に対応するノースブリッジヒートシンクなどの、ほかのベンダーのマザーにも用意されているギミックだけでなく、マザーボードをバルクのまま載せられるアクリル製の「まな板」スタンドまでパッケージに付属するという、遊び心を刺激する製品となっている。

 ノースブリッジのヒートシンクは、液冷に対応するだけでなく、ドライアイスや液体窒素による冷却までも想定したくぼみを持たせた形状であるだけでなく、CPUを“ガス冷”するための「煙突」カバーまで標準で(!)用意されるなど、そのアイデアは普通のユーザーの想像を軽く絶する。

 AIGES PANELは、Quamtum Force BLACKOPSに付属するオーバークロックツールで、FSB、PCI Expressバスクロック、CPU倍率、駆動電圧(CPU、メモリ、ノースブリッジ、CPU PLL)などをOS上から設定できる。

アナログテクニックが重要な液体窒素冷却

 現在、オーバークロッカーのクーリングシステムで多く使われているのが「液体窒素」だ。発熱するパーツに載せたヒートシンクに煙突のような「筒」をかぶせ、上の開口部から液体窒素を直接「注ぎ込む」という豪快な方法で冷却する。トップクラスのオーバークロッカーは、煙突の形や冷やすポイント、そして、液体窒素を注ぎ込むタイミングやその量にいたるまで、最適なバランスをチューニングしていく。そのテクニックの違いがクロックの上限を変えてしまうらしい。

 Team Japanのメンバーによると、液体窒素を単純にたくさん注ぐだけでクロックが上がっていくわけではなく、冷えすぎるとシステムは動作しなくなり、また、その“冷えすぎ”のボーダーラインも「CPUによって違います」(Team Japam)とのことだ。

kn_oc_08.jpg 冷却に使う液体窒素は、タンクから水筒に移され、さらに「カップめん」に小分けして筒状のクーラーユニットに注がれる。マザーボード表面やメモリなどは、結露しないようにティッシュペーパーで覆われていた
kn_oc_09.jpg ただ冷やすだけでは限界ギリギリに挑むオーバークロックは成功しない。CPUごとにある「温度の下限」を下回らないように、注ぎすぎた液体窒素を吹き飛ばすといった、実にアナログなテクニックも駆使しなければならないのだ

 オーバークロック作業はFoxconnのブースに設けられたステージの上で多くの観客が注視するなか行われた。このバトルイベントでは1チームずつ登場して自分たちのテクニックでCPUのクロックを上げていき、その手法やオーバークロッカーの表情を観客が楽しめるようになっている。Team Japanは、最後のプレーヤーとして登場し、世界のトップオーバークロッカーが出した記録に挑んだ。

 南港展覧館のパーツベンダーブースでも、オーバークロックのデモが行われていたが、そのほとんどが5GHzを超えるあたりのクロックをたたき出している。Team Japanも液体窒素による冷却を行いつつCPUのクロックを上げていく。定格の3.2GHz、倍率8倍の状態から、いきなり倍率を14倍のアップ。この時点で、CPUクロックは軽く5.6GHzを実現していた。しかし、このオーバークロックバトルで、5GHz超えは「標準記録」にすぎない。

kn_oc_04.jpg まずは手始めに、っていきなり14倍設定から始まるTeam Japan。すでにCPUは5GHzを軽く超えている
kn_oc_05.jpg この時点で、駆動電圧設定画面は赤い「危険水位」を示していた

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