マウスコンピューターの「親子パソコン組み立て教室」に参加した動け、動け、動いてよー(1/2 ページ)

» 2010年08月03日 16時44分 公開
[後藤治,ITmedia]

マウスコンピューター初の「自作教室」開催

「親子パソコン組み立て教室」に参加した10人の小学6年生

 マウスコンピューターは7月30日、長野県飯山市にある同社の飯山工場内で「親子パソコン組み立て教室」を開催した。飯山市内の小学校、全8校から6年生の児童を10人募り、実際にPCの自作を体験してもらうイベントで、マウスコンピューターとしても初の試み。競争倍率の高い抽選をくぐり抜けた10組20名の親子が参加した。

 すでに小学校のカリキュラムにはPCを使った授業が組み入れられているため、PCに触れたことのない子どもはいなかったものの、参加者のほとんどの家庭では「PCは家族共用」ということで、PCを無料で即日お持ち帰りできる今回のイベントは、親子のコミュニケーションはもちろん、子どもが自分だけのPCを手に入れる貴重なチャンスになっていたようだ。

 自作教室の冒頭に登壇したマウスコンピューターの小松社長は、「マウスコンピューターができたのは1998年、ちょうどみなさんと同じ年齢です。この会社ができたきっかけは、自分の欲しいと思うパソコンがお店に売っていなかったので、じゃあそれを作ろう、というのが始まりでした。だから、ここ飯山工場で作られているパソコンは、お客さんがほしいと思った、お客さんだけの1台になっています」とBTOメーカーとしてのマウスコンピューターの特徴を分かりやすく紹介し、「ここで組み立てたノートPCと一緒に、パソコンは面白いんだということ、自分の手で作る“モノ作り”の楽しさ、この2つを是非持ち帰ってください」とあいさつを結んだ。

 続いて登壇した飯山市商工観光課の佐藤幸博課長は、地域の雇用創出に貢献するマウスコンピューターに感謝の意を述べるとともに(MCJがイーヤマを合併吸収後、2年前から飯山工場をマウスコンピューターのPC生産拠点として活用している)、「イベントへの応募が非常に多くて驚きました。ここで組み立てるパソコンは、CPUがCore 2、OSもWindows 7と、最新のものを提供してもらっています。これを機会に勉強していってください」と語った。

マウスコンピューター代表取締役社長の小松永門氏(写真=左)。飯山市商工観光課課長の佐藤幸博氏(写真=中央)。あいさつに耳を傾ける参加者(写真=右)

「ドライバーを持つのは初めて」な小学生も

校長先生こと飯山工場の橋立氏

 今回の自作教室は、ノート型ベアボーンにCPUやメモリ、HDD、光学ドライブなどの各パーツを装着していくという構成だ。本体底面からすべてのコンポーネントにアクセスできる構造のため、PCの自作に慣れている人であればごく簡単な作業内容だが、細かく見ると、ネジの着脱はもちろん、CPUにグリスを塗ったり、ヒートパイプが伸びた冷却ファンを装着したり、HDDマウンタを取り付けたりと、工数は意外に多い。また、参加者の中には「ドライバーを持つの初めて」という女の子もおり、小学生にはややハードルが高そうな印象を受ける。果たしてどうなるのか。

 授業はまず、“校長先生”と呼ばれる同工場スタッフの橋立氏が、実際に組み立てる様子を見せ、その後、各親子に1人の女性スタッフがついて、子どもをサポートするという流れになっている(ただし、親からの手助けは原則禁止)。校長先生が次々と“見たこともないパーツ”を取り出し、「CPUは人でいえば頭脳、メモリは一時的に記憶を保存する場所です」などと話し始めると、子どもたちは不安交じりの真剣な表情で説明に聞き入っていた。

初めて見るノートPCのマザーボードやCPUに興味津々。今回の授業はノート型ベアボーンに各パーツを組み込んでいく内容だ

 橋立氏による解説が終わると、いよいよ児童の手による組み立て作業が始まる。まずはCPUの装着だ。「トゲトゲには触らないでください。ピンが曲がらないように、切り欠きにあわせてソケットにそっと載せます」という校長先生の言葉を聞きながら、恐る恐るCPUを手に取る子どもたち。勢いよくソケットに差し込む子、見てるこちらが息苦しくなるくらい慎重な子、いつまでもCPUを眺めている子など、それぞれの性格がよく出ている。

「手を切らないように」という注意のもと、軍手のサイズを確かめる参加者。「がんばるのよ」「まかせてお母さん」(写真=左)。慎重にCPUのパッケージを開けていく(写真=中央)。参加者には1人ずつスタッフが付き、分からないことがあれば手取り足取り教えてくれる(写真=右)

 その後、CPUにグリスを塗り、ヒートシンクから伸びたファンを装着、メモリ、HDD、光学ドライブと順にパーツを組み込んでいく。隣で作業を見守る保護者も、配布された組み立て工程のテキストと子どもたちの進行状況を見比べながら、うむうむとうなづいたり、身を乗り出したり、手を出そうとしてたしなめられたりしていた。マンツーマンでスタッフが付き添っていたこともあり、大きなトラブルもなく作業は順調に進み、最後に本体底面のネジをすべてしめると、子どもたちからは大きなため息がもれた。

我が子を見守る目も真剣だ。基本的に保護者は“口出し無用”のため、眺めていることしかできないが、思わず身を乗り出し、子どもたちの手元をのぞき込む保護者も

 1回の休憩を挟み、作業は40分ほどで終了。ちなみに今回の組み立ては、管理表へのチェックなども含め、同工場で行われている工程を実際になぞっており、スタッフの手なら約10分ほど(1日に50台以上、熟練した作業員なら70台は組み立てる)の作業内容だという。その後、子どもたちが組み立てた各製品は、工場内のクオリティチェックに回され、厳重な品質検査を受けることになる。はたしてすべてのPCが無事に試験をクリアできるのか……。

組み立てたマシンが品質管理検査から戻ってくるまでの空き時間は、校長先生の引率で工場内の見学が行われた。工場内には参加した保護者と知り合いのスタッフもいたようで、手を振って合図をしたり、立ち止まって言葉を交わす光景も。地域密着型イベントならでは

組み立て教室には、マウスコンピューターのNVIDIA 3D Vision対応PCも展示されており、休憩時間には子どもたちが先を争ってゲーム(ドラゴンネスト)をしていた(写真=左)。「見える?」「見える見える」(写真=中央)。「すごい、飛び出てるよ」「おい、ちょっと父さんにも見せてみろ」(写真=右)

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