キヤノンが「PIXUS」2012年秋冬モデルを発表――ロースタイルの新デザイン、主力機は“5色”にランニングコストも低減(1/2 ページ)

» 2012年09月26日 15時30分 公開
[池田憲弘,ITmedia]
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新デザイン採用でさらに薄く、主力モデルは5色展開に

 キヤノンは9月26日、インクジェットプリンタ「PIXUS」シリーズの個人向け新製品5機種9モデルを発表した。

 ラインアップはA4複合機が「PIXUS MG6330」「PIXUS MG5430」「PIXUS MG4230」「PIXUS MG3230」の4機種(PIXUS MG6330は5色展開で、カラバリを含めて8モデルとなる)、A4単機能機が「PIXUS iP7230」の1機種だ。いずれも2012年10月上旬に発売する。なお、2011年秋冬モデルで最上位だった「PIXUS MG8230」の後継機は用意されず、上位から2番手だった「PIXUS MG6230」は併売される。

 A4複合機の新モデルは、カラバリ追加、新デザイン、前面2段カセット給紙やタッチ操作への対応、インクタンク容量の拡大、クラウドサービスやデジタルカメラとの連携強化といった改良を行った。

 まず、主力機のPIXUS MG6330はカラーバリエーションを追加。従来機の「PIXUS MG6230」ではブラック、ホワイト、ブロンズの3色だったが、新機種はブラック、ホワイト、パープル、ブルー、グリーンの5色展開となる。

photophotophoto 売れ筋のPIXUS MG6330、従来からあるブラック、ホワイトに加え、パープル(写真=左)、ブルー(写真=中央)、グリーン(写真=右)の3色が追加された

 デザインを新調したのはPIXUS MG6330、PIXUS MG5430、PIXUS iP7230の3機種だ。PIXUS MG6330については、PIXUS MG6230に比べ、25ミリの薄型化(173ミリから148ミリに)したロースタイルの新型ボディを採用。天面の手前側のみが開閉するフロントカバーを新設し、インク切れの際に、スキャナの原稿台ごと天面を持ち上げなくても、軽い力でフロントカバーを開いてインクが交換できるようになった。この機構により、インク交換時における本体の高さをMG6230比で123ミリ削減することに成功している。

 以上の3機種は、新デザインを採用したことで、給紙方式も変化した。従来の背面トレイと前面1段カセットで構成される2way給紙機構から、2段カセットによる前面給紙機構に切り替わり、背面トレイを省きつつ、写真用紙やはがき専用のカセットを設けている。背面トレイがなくなったことで、壁に密着させての設置も可能になった。

photophoto 新デザインのボディでは、天面の手前側のみが開くフロントカバーを採用している(写真=左)。前面のカセットは2段となった(写真=右)

 インクタンクも、より高さを抑えた新デザインになったが、新たに大容量インクタンクを用意することで、ランニングコストやインクの交換頻度が低減した。MG6330で大容量インクタンクを使った場合、写真用紙へのL判1枚あたりの印刷コストは約16.2円となる(MG6230で標準インクタンクを使った場合、写真用紙へのL判1枚あたりの印刷コストは約18.8円)。新インクタンクの採用により、レッドやイエローの色域が向上し、色再現性も向上した。

 メニュー操作に応じて必要なボタンだけがLEDで浮かび上がる静電センサー式ユーザーインタフェースの「インテリジェントタッチシステム」を継承しつつ、タッチパネル付きの液晶モニタを新たに採用することで、より直感的な操作が可能になった。液晶モニタのサイズ自体も従来の3.0型から3.5型に大型化している。

 そのほか、電源オフ状態でも、印刷ジョブを受信すれば電源がオンになる「自動電源オン」機能を新機種すべてに搭載。その際、排紙トレイが閉まっていても、自動的に開いて印刷が開始される。PIXUS MG6330、PIXUS MG5430の2機種については、PictBridge(Wi-Fi)に対応した。同一ネットワーク上のPictBridge対応カメラからPCレスでダイレクトプリントが行える。

photophotophoto インクタンクは高さを抑えた新デザインになり、新たに大容量インクタンクを用意した(写真=左)。PIXUS MG6330では、タッチパネル付きの液晶モニタを採用した。メニュー操作に応じて必要なボタンだけがLEDで浮かび上がる「インテリジェントタッチシステム」を継承する(写真=中央)。電源オフ状態でも、印刷ジョブを受信すれば自動的に排紙トレイが開いて印刷を開始する(写真=右)

 このほか、写真管理・印刷用の新アプリケーション「My Image Garden」が用意され、スキャンデータをPC経由で自動的にEvernoteにアップロードすることが可能になった。Facebook上の写真をプリントするアプリケーション「Print Your Days」を追加するなど、SNSやクラウドサービスとの連携も強化している。オンライン上の写真や定型フォームをPCなしでダイレクトプリントできる「PIXUSクラウドリンク」機能は引き続き搭載する。

PIXUS新モデルのラインアップ

photo PIXUS MG6330(ホワイト)。従来機の最上位モデルがなくなったので、本機がPIXUSシリーズの最上位モデルとなる

 A4複合機の主力であるMG6330は、昨年の売れ筋だったMG6230の後継に相当するが、最上位機だったMG8230が終息したことで、今シーズンのハイエンドモデルにもなっている。

 グレーインクを含む染料5色独立+顔料ブラックの6色インク、最高9600×2400dpi/最小1ピコリットル/計6656ノズルのプリントヘッドを備える。従来モデルよりも顔料ブラックのノズルが倍増したことで、モノクロが約15ppm、カラーが約10ppmと印刷速度も向上した(MG6230はモノクロが約12.5ppm、カラーが約9.3ppm)。

 このほか、有線/無線LAN、前面カセットの2系統給紙、自動両面印刷、CD/DVD/Blu-ray Discレーベル印刷といった機能も持つ。フィルムスキャンには対応せず、センサーの解像度は2400dpi(CIS)だ。本体サイズは466(幅)×369(奥行き)×148(高さ)ミリで、重量は約8.4キロ。予想実売価格は3万円前後。

photo PIXUS MG5430。こちらは染料4色独立+顔料ブラックの5色インクとなる

 ミドルレンジのMG5430は、MG6330からインテリジェントタッチシステムと有線LANを省き、染料4色独立+顔料ブラックの5色インクとタッチ操作非対応の3.0型モニタを搭載したモデル。カラーバリエーションはブラックのみ。予想実売価格は2万8000円前後だ。

 ベーシックモデルのMG4230は、従来機のデザインを継承しており、本体左側に2.5型液晶モニタを搭載する。インクは染料3色一体+顔料ブラックの全4色。レーベル印刷機能はなく、前面カセットは1段だが、無線LANや自動両面印刷ユニットを標準装備する。本体サイズは449(幅)×304(奥行き)×152(高さ)ミリで、重量は約5.7キロ。予想実売価格は1万6000円前後だ。

 MG3230は、MG4230とほぼ共通の仕様で、カラー液晶モニタを搭載せず、PIXUSクラウドリンク機能に対応しないエントリーモデル。予想実売価格は1万円前後となる。

 A4単機能プリンタのiP7230は、複合機のMG5430と同じ染料4色独立+顔料ブラックの5色インクシステムを採用し、従来機のiP4930よりも顔料ブラックのノズルが倍増した。液晶モニタは搭載しないが、MG5430と共通の仕様が多い。前面2段給紙カセット、自動両面印刷、CD/DVD/Blu-ray Discレーベル印刷に対応するが、PIXUSクラウドリンク機能には非対応だ。予想実売価格は1万7000円前後。

 なお、これらすべての機種でドライバの対応OSはWindows 7(SP1)/Vista(SP1以降)/XP(SP2以降)、Mac OS X 10.5.8以降だ。

photophotophoto PIXUS MG4230(写真=左)、PIXUS MG3230(写真=中央)、PIXUS iP7230(写真=右)
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