アジア圏の大都市といえば、夜遅くまで賑わうマーケットや観光客相手の土産屋で各国語が飛び交うなど、活気にあふれたところが多い。それが首都ともなればなおさらだ。
ところがラオス人民民主共和国の首都ビエンチャンは、まるで田舎町に来たかのように静かでのんびりしとしている。市内唯一といえる大型ショッピングモールも小規模で、他に高い建物も少ない。昼間ですら街中を歩き回る人の数は数えられるほどだ。世界遺産であるルアンパバーンへの経由地としてビエンチャンを訪れた人も、ここがラオスの首都であるとは信じられないかもしれない。
ビエンチャンへはタイから入るのが一般的だ。バンコクから飛行機でアクセスできるほか、タイのウドンターニーや国境の町ノーンカーイからバスで入ることもできる。市内は渋滞とは無縁であり、ビエンチャン空港から市の中心部まではメータータクシーで7ドル、10分ほどだ。メコン川を挟んですぐタイに接していることもあり、ショッピングモールなどではラオス・キップ(キープ)(LAK)のほかタイバーツ(THB)やUSドルが使える店も多い。2013年5月時点での為替レートは1円が約78キップ。現地は国際ATMが少ないので、現金を用意して空港やショッピングモール内の両替所でキップに両替するのがよさそうである。
ラオスには4つの通信事業者があり、それぞれGSMとW-CDMA(3G)方式のサービスを展開している。WiMAXもサービスされているが個人モバイル機器向けの製品はなく、主に家庭や事務所向け固定回線の代替として使われている。規模最大で国営系のLao Telecom、ETL、Unitelそしてロシア系Beelineの4社ともにプリペイドSIMカードは身分証明書不要で自由に購入できる。
このうちLao Telecomは、Webサイトの英語表示が不完全でサービス内容がほとんど理解できない……。BeelineはWebサイトが(なぜか)すごく重く、最新情報を事前確認できなかった。もっとも、市内最大のショッピングモール「タラートサオ」へ行けば海外渡航者でも各社のSIMカード製品を普通に購入できるようで、市内をあちこち徘徊する必要がないのはありがたいところだ。
今回ビエンチャン・ワットタイ空港へ降り立たったのはクアラルンプールからのエアアジア便で午前9時過ぎだった。荷物を受け取りロビーに出ると、さっそくUnitelのお店がある。だが、店員がいない。カウンターをのぞくとプリペイドSIMカードやUSBモデムセットといった目当てのものが置かれているのは見えるのだが……意外と長時間待っても店員が戻ってくる様子はない。隣のチケットタクシーカウンターで聞くと「さぁ。お昼くらいかな」とつれない返事しか返ってこない。
おそらくは昼過ぎからバンコク便が続々と到着するので、その時間に合わせて営業を始めるのだろう。まぁ空港から市内までタクシーで10分とほどほど近いし、空港での入手はあきらめてタラートサオ・モールへと向かうことにした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.