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» 2013年07月31日 14時24分 UPDATE

「LTEも1日300円でOK」な海外定額データ通信:海外プリペイドSIM導入マニュアル──「香港LTE 2013年」編 (1/3)

5社の通信事業者が競争し、通信料金の安さも世界でトップクラスの香港。今回は、プリペイドで利用できるLTEサービスを使ってみた。

[山根康宏,ITmedia]

香港でプリペイドのLTEサービスが相次いで開始

 世界各国でLTEサービスの開始が相次いでいる。LTEの普及度ではアメリカと韓国、そして日本が世界を牽引しているが、香港でも5社ある通信事業者全社がサービスを提供中。通信方式は現在世界で主流のFDD-LTEだけではなく、中国移動香港がTD-LTEとのデュアルサービスも実施。また韓国やシンガポールの事業者とLTEローミングも始まっているなど、LTE大国の仲間入りを果たそうとしている。

photophoto プリペイドLTEサービスを提供するSmarTone(写真=左) 中国移動香港はLTE専用のプリペイドSIMカードを販売している(写真=右)

 さて、香港のプリペイド通信事情は過去にも何回か紹介しているが、プリペイド製品の種類が多く、中国など海外でも定額ローミング利用できる製品もあり、通信事業者の店舗にて身分証明書不要でプリペイド製品を購入できる(コンビニエンスストアでも売っているが、すべての種類の製品は取り扱っていない)。

 今回紹介するのは、高速なLTE回線を利用できるプリペイドSIMカード製品である。海外でもLTEをプリペイドで利用できる国はアメリカなどまだ数カ国ほどしかないが、香港では2社がプリペイドでのLTE利用が可能となっている。しかも価格は300円/日前後の定額制。短期滞在でも手軽にLTEの高速回線を利用できるようになってきたといえる。

 LTE対応プリペイドSIMを販売するのはSmarToneと中国移動香港の2社。LTE回線を利用するには、あたり前だが各社のLTE周波数と方式をサポートするLTE端末が必要となる。香港では2方式/3周波数があるが、SmarToneは1800MHz帯を、中国移動香港は2600MHz帯のFDD-LTE方式でプリペイドサービスを利用できる。

香港各事業者のLTE通信方式 2600MHz帯(B7)/FDD-LTE 1800MHz帯(B3)/FDD-LTE 2300MHz帯(B40)/TD-LTE プリペイド利用
Hutchison (予定)
CSL
SmarTone (予定)
PCCW
中国移動香港
21 ViaNet (予定)
(2013年7月時点)

LTE端末販売はSIMフリーのみ、価格はやや高額

 さて、香港の携帯電話端末はSIMロックをかけて販売されていない。単体で購入できる製品は基本的にSIMロックフリーである。このため端末価格は定価相当となり、日本のように契約にともなう端末の割引販売などは行われていない。つまり、価格は若干高めだ。アメリカやオーストラリアでは現地キャリアのSIMロック付きとなるLTE端末をプリペイドスタイルで割安に購入できたりするが、香港では機器とSIMカード込みのプリペイド向けパッケージは存在しない。

 SmarToneや中国移動香港の店舗で販売されているLTE対応のUSBモデムやWi-Fiルータの価格は、1500香港ドル(日本円換算 約1万8920円 2013年7月30日現在、以下同)から2300香港ドル(約2万9012円)。それぞれ約2万〜3万円と、それなりの値段である。1度の短期滞在であれば、日本の空港などで借りられる香港滞在用のLTEレンタルルータサービスを利用する方が合計額としては低価格と思われる。

 ただ、今後何度も香港を訪れる予定がある人、LTEのプリペイドサービスを他国でも使おうと考える海外渡航機会の多い人、そして筆者のような端末コレクターならば、やはりSIMロックフリーのLTE端末を入手して楽しんでほしい。2013年7月現在、LTEスマホの価格も高めで最低でも日本円換算で3万円以上してしまうが、中古品ならば2万円程度のものも出てきている。中古のLTEスマホを購入し、スマホ機能(マップやメール、店舗情報のチェック、翻訳アプリの利用など)とテザリング機能を利用したWi-Fiルータ代わりにしてはいかがだろう。一応、中古でLTE端末を買うならLTEの対応周波数を十分確認しておく必要はあるのだが。

photophoto 香港島で最大の電脳ビル「ワンチャイ電脳」(写真=左) お土産屋の多い女人街に近い「モンコック電脳」(写真=右)

 香港には、携帯電話やスマホの店がずらりと集まる──携帯電話端末愛好者に有名な「先達廣場」という商業ビルがあり、中古のLTEスマホも売られている。だが、ここではデータ通信端末の取り扱いはほとんどないので、LTE対応のUSBモデムやWi-Fiルータを望むならPC系の店舗が集まる電脳ビルに行くとよい。香港島であればワンチャイにある「ワンチャイ電脳」、九龍側であればモンコックの「モンコック電脳」やシャムシュイポにある「高登電脳」にデータ通信端末を扱う店が多くあり、たいていのLTE対応製品はこちらで購入できる。

photophoto LTEルータは1500〜2000香港ドル前後(写真=左) ケータイビル「先達廣場」に並ぶ中古のLTEスマホ(写真=右)

 今回はHuawei製LTEルータ「E589」をモンコック電脳の店で購入した。購入価格は1650香港ドルと通信事業者の店舗の定価より安く、日本円換算では約2万819円だった。USBモデムも1000香港ドル(約1万2617円)前後で存在したが、このくらいの価格差であればスマホでも使えるWi-Fiルータのほうがいろいろ役立つという判断とした。

 E589のパッケージには、初期SSIDとパスワードが書かれた小さい紙が入っている。これ、なくしやすいので気を付けよう。パスワード類は購入後、すぐにPCでメモ/スマホで写真メモなどをしておくことを勧める。また、購入時にはこのラベルが入っていることも必ず確認しよう。

photophoto 購入したHuawei「E589」。バッテリー着脱はできない
photophoto 対応周波数はBand 1/3/7/8/20、800MHz/900M/1800M/2100M/2600M帯となる。初期SSIDとパスワードが記載されたラベルシールが入っている。紛失に注意
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