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» 2014年01月15日 21時00分 UPDATE

光学ドライブ内蔵2in1で“世界最軽量”:新世代ビジネスPCの最適解──2in1+「光学ドライブ内蔵」で提案するパナソニックの狙い (1/2)

パナソニックが提案する新2in1 PCは「光学ドライブ内蔵」。流行のスリムPC、タブレットの仕様としては逆行するように思えるが実はここにかなりのニーズがある。なぜ「光学ドライブ内蔵」か、その実現にどんな技術を取り入れたかを説明した。

[岩城俊介,ITmedia]

「光学ドライブを内蔵」──ビジネスPC「Let'snote」の新シリーズ「MX3」登場

photo 12.5型サイズ/1.198キロのボディに“光学ドライブ”を内蔵した「Let'snote MX3」。12.5型ディスプレイ搭載コンバーチブルPCにおいて世界最軽量を実現した

 パナソニックは1月15日、モバイルPC「Let'snote」シリーズの新モデルを発表。タブレットにもなるコンバーチブルスタイル、かつ光学ドライブ内蔵で“世界最軽量”(12.5型コンバーチブル2in1として 2014年1月14日時点、パナソニック調べ)とする新シリーズ「Let'snote MX3」を中心に、2014年春商戦向けモデル全4シリーズを刷新した。

 昨今、タブレット/スマートデバイスの普及と利用シーンの変化にともない、業務でPCを使用するビジネスユーザーにとってもPCのあり方、そしてその機能やスタイル、望まれる使い方が変わりつつある。タブレットは「タッチ操作と閲覧・表示」を担い、PCにはタブレットの使い方に加え、それではカバーしにくい「作成・クリエイティブ用途=生産性の向上」の特性がこれまでに増して強く求められるようになっている。


photophotophoto パナソニック AVCネットワークス社ITプロダクツ事業部の原田秀昭事業部長「2013年のLets'note販売数は、2014年に控えるXPマシンのリプレースと消費増税対策需要を含め、(まだ年度は終わっていないが)約2ケタの持続的成長となる見込み。特に国内市場は法人販売の比率がより高まっている」・今回の新シリーズは、光学ドライブ内蔵クラムシェルPC「SXシリーズ」と2in1スタイルPC「AXシリーズ」のよいところを融合して誕生した

 Let'snoteは、これまでも業務シーンへの導入を強く追求するビジネスPCシリーズとして「軽量」「長時間」「高性能」「タフ」を特長に展開。2012年にタブレットスタイルにもなるコンバーチブルスタイルの2in1モバイル「Let'snote AX」シリーズを投入し、「新しい使い方を望むビジネスユーザー」をフォローしてきた。PCとしてもタブレットとしても、プレゼンテーションや会議用途、対面して説明するシーンを中心に、11.6型サイズで小型軽量ボディのLet'snote AXシリーズは総じてその層に高い評価を得てきたが、ユーザー意見には「ここもこうしてくれれば」の声もあった。

 その声は「2in1+タッチ&ペン操作」と「光学ドライブ」。ピュアタブレットではなく、PCを選ぶからには「あえて使うのであれば、もっと生産性を高めてほしい」というニーズだ。昨今、薄型/軽量化が進むノートPC/Ultrabookは光学ドライブを搭載しないモデルがほとんどで、個人シーンではもう不要/あるいは外付けでカバーすればよい──とする人もいるが、資料の閲覧・読み込みや配布、会議・対面説明時など、ビジネスシーンには光学ドライブ内蔵のニーズがまだ多く、特に内蔵していることが重視される。新シリーズのLet'snote MX3はこの声を反映し、ドライブ内蔵のクリエイティブモバイルPC「Let'snote SX」シリーズ、2in1スタイルの「Let'note AX」シリーズのよいところを融合し、12.5型の2in1スタイルにあえて「光学ドライブ」を内蔵した。

photophotophoto 業務で使用するLet'noteユーザーの声として、これまでの基本ポイントはそのままに、「2in1」と「光学ドライブ内蔵」が求められていると判明。このため、タブレットにもなる2in1スタイルの薄型軽量ボディに「光学ドライブを内蔵」した

 ただ、光学ドライブを内蔵したため重く、大きくなってしまいました──では許されない。これを「世界最軽量」のプラスαの特長でまかなう。「軽量」「長時間」「高性能」「タフ」Let'noteシリーズに共通する特長はそのままに、Let'snote AXシリーズとは異なる新素材の「カーボン強化マグネシウムダイカスト(UHD合金)トップケース(キーボード面パネル)」を、さらに「3層サンドイッチ構造(2層発泡プリプレグ)のカーボン天板」を新たに開発し、面強度を確保しつつ、軽量化、薄型化を図った。12.5型液晶搭載コンバーチブルPCにおいて世界最軽量(2014年1月14日現在、パナソニック調べ)とする1.198キロの軽量ボディを実現する。

 内蔵する光学ドライブも、約115グラムの一般的な部品からシェルケースの廃止、ケースの穴開け加工など独自カスタムを施すことで約35グラムの軽量化を果たしつつ、加速度センサーと専用ファームウェアで姿勢制御する専用ドライブにより、さまざまな持ち方で運用するタブレットスタイルでも普通に使用できるよう工夫した。光学ドライブはこれまで水平設置のみでしか使用できなかったが、傾けても、裏返しても使えるよう、本体の傾きを検知し最適な回転速度に抑制制御する仕組みだ。

photophotophoto 軽量化を推進するため、ボディに軽量肉薄を実現できる新素材を採用。さらに光学ドライブも独自のカスタムを施して搭載する

 タッチ操作に加え、ペン操作/入力も昨今の新しい使い方をするビジネスシーンに望まれる機能だ。Let'snote MX3は、市販の静電ペンより細い約2ミリのペン先に工夫した専用の静電先細ペンを採用し、細かな操作と細かな描写ができるよう機能を盛りこんだ。ペン入力には筆圧検知も行えるデジタイザー方式もあるが、ビジネスシーンに望まれる「手書き文書の作成/回覧時チェック文字の記入」といった使い方とペンを軽量化できることを重視し、この方式が選ばれた。もちろん本体にペンを収納して携帯できる機構も設けている。

 そして、キーボードの入力性は「PCとしての」作業性/生産性の向上に欠かせないもの。Let'snote MX3は、Ultrabookながら2ミリと深めのストローク+19ミリ横ピッチ仕様と、ベーシックノートPCの標準サイズに近い感覚のキーボードを採用し、“打ちやすい/機能を損ねていない”とビジネスユーザーへ訴求する。見た目のキーの高さは標準的な薄型Ultrabookと変わらない印象だが、キートップをアッパーパネル面よりさらにクッと深く押せる構造とし、ストロークを確保したという。

photophotophoto 書きやすさ向上のため、独自の工夫を取り入れた先細仕様の静電ペンを採用。ペン記入のシーンにはもちろん、タブレットスタイル時の細かい操作も容易に行える。キーボードは深めの2ミリストローク、標準サイズ同等の横19ミリピッチを実現。「より打ちやすい」点も訴求する

 最後に長時間動作。内蔵バッテリー(2セル)と着脱バッテリー(4セル 7.2ボルト/4800mAh)のWバッテリー仕様とし、標準で約15時間動作を実現する。着脱対応のためスペアバッテリーを用意してさらなる長時間動作が可能、かつ内蔵バッテリーがあるため電源オフなしにバッテリー交換(ホットスワップ)も行えるのがポイントだ。

 このほか、タブレットスタイルで安定・安心して本体を保持できるよう「ハンドストラップ(1000円)」と「キーボードカバー(1500円 銀/黒)」の純正オプションも開発した。キーボードカバーはタブレットスタイルやディスプレイを200度以上に開いて使用するスタンドスタイル時にキーボード面を覆う樹脂製のカバー。キーボードとタッチパッドはディスプレイを210度以上に開くと自動オフとなるので誤動作の心配はないが、手にするとゴツゴツ当たる/スタンドモードで机面に当たるのが不安とする声を反映して用意した。

photophotophoto 2セル内蔵/4セル着脱対応のWバッテリー仕様にて、標準で最大15時間の長時間動作をサポート。ホットスワップ+スペアバッテリーでの運用により動作時間をさらに延長できる。オプションで「ハンドストラップ」「キーボードカバー」も用意する


 業務シーンに望まれるPCとは何か。個人シーンではタブレットの普及によりPCは次第に廃れていくなどという声が聞かれるが、そのタブレットで表示するコンテンツの作成、ひいては創造する作業を担う業務シーンのPCにおいては、逆にこれにも増して重要。昨今、個人向けも法人向けもさまざまなマルチシーン対応機器が登場しているが、いずれも細分化が進むユーザーニーズをいかにカバーするかが背景にある。そして、2014年はWindows XPサポート終了、2014年4月の消費増税など、PC購入を促すタイミングも後押しし、業務PCの販売も好調だという。

 この点、長らく主に業務シーンとニーズに沿って開発してきたLet'noteシリーズが示す方向は「PC業務がベース」であることは変わらず、新しいスタイルも「すべて業務シーンのため」と明確だ。どれを選べばよいか分からない企業導入層にとって、利用シーンも使い勝手も“分かりやすい”のはかなり助かる提案になるはずだ。「Let'snoteは顧客のニーズを聞きながら、時代に合わせて進化してきた。顧客の仕事を止めない、顧客の新たなビジネスをサポートする適切なツールを──とするLet'snoteの根底のテーマは今後も変わらない」(パナソニック AVCネットワークス社ITプロダクツ事業部の原田秀昭事業部長)。

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