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» 2014年01月23日 19時30分 UPDATE

SOHO/中小企業に効く「タブレット」の選び方(第2回):iOS、Android、Windows──それぞれのタブレットを知って正しく選ぶ (1/3)

タブレットの導入を考えた場合、iOS、Android、Windowsの中からどのOSを選ぶかが重要になる。これらの特徴について、利用者および管理者の視点から紹介しよう。

[山口真弘,ITmedia]

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3つのOSから、どのタブレットを選ぶか?

 前回はノートPCに代えてタブレットを導入するメリットとデメリットについて紹介した。今回はそれを受け、具体的にタブレットを選定するにあたり、主要なプラットフォーム、すなわちiOS、Android、そしてWindowsというOSごとに、どのような特徴があるのかを見ていこう。

 もっとも、業務でタブレットを導入すると言っても、その用途はさまざまだ。単にWebブラウザが使えればよい場合もあれば、PDFなどの資料を参照する以外には特に考えていないといった場合もあるだろう。一方で、書類の作成や得意先へのデモンストレーション、VPN経由で社内システムにログインしてのグループウェアの参照に至るまで、完全にノートPCの代替として位置付けている場合もあるはずだ。

 このように、使い方が千差万別である以上、まずは「やりたいことができるかどうか」から入るのが妥当であり、OSごとのタブレットの特徴もそれに沿って見ていくべきなのだが、今回はその前段階ということで、現在のタブレット市場をOSごとにふかんして見ていくことにしたい。

iOSタブレット(iPad)の特徴

ipad iPadの最新モデル。9.7型の「iPad Air」(写真=左)と、7.9型の「iPad mini Retinaディスプレイモデル」(写真=右)

 iOS採用のタブレットといえば、それは「iPad」を指す。2010年に登場した、今日のタブレットブームの火付け役だ。これまでほぼ1年に1回のペースで新製品がリリースされているほか、2012年には小型の「iPad mini」もファミリーに加わり、現在は9.7型と7.9型の2種類の画面サイズで製品が展開されている。

 他のタブレット製品と比較した際のiPadの大きな特徴として、製造元であるAppleの手によって、ハードウェアおよびOSが一貫した思想で作られていることが挙げられる。基本的に本体とOSを別々のベンダーが手がけている他のタブレットと異なり、一気通貫でAppleが手がけていることは、単に動作の安定性にとどまらず、デザインやユーザビリティなど、さまざまな面で完成度を高めている。

 これらの思想は、アプリを開発するサードパーティ側にも及んでいる。例えばユーザーインタフェース(UI)については、同社が開発者向けに用意した「iOSヒューマンインタフェースガイドライン」なるものが存在しており、各要素が事細かに定義されている。具体的には「アプリケーション全体を通してロゴを表示したいという誘惑に惑わされない」「ユーザーの気が散るような色使いは避ける」など、アプリのベンダーがついつい脱線しがちな注意点がまとめられている。アプリがこれらを順守することで、ユーザーはどのアプリを使っても、共通の操作性を享受できるというわけだ。

 また、iPadのOSであるiOSについては、無償アップデートが年数回のペースで行われ、最新モデルだけでなく世代がある程度古いモデルまで(ハードウェアなどに依存しない範囲で)最新の機能が使えるよう配慮されている。例えば現行の最新OSは「iOS 7」だが、2011年に発売された第2世代モデル「iPad 2」以降で問題なく利用できる。OSのアップデートがハードウェアベンダーの判断に委ねられるケースが多いAndroidとの大きな相違点だ。

VPP ビジネス向けの「Volume Purchase Program(VPP)」ストアも用意されている

 利用できるアプリについても、App Storeの審査をへて公開されるため、悪意を持ったアプリや、成人向けなどのアプリは流通しにくい。ほぼフリーパス状態のAndroidとの大きな相違点だ。また法人向けにはビジネス版App Storeとでも言うべきVolume Purchase Program(VPP)が用意され、業務用途にカスタマイズされたアプリを社内向けに効率的に配布できるほか、MDM(Mobile Device Management、モバイル機器管理)ツールを用いてそれらを管理することもできる。

 一方で、App Storeを経由しての配布では、アプリベンダー側がリリース日を決定できなかったり、いったん審査を通過したアプリの公開が後日問題ありと判断されて突如停止されたりと、ベンダー側がコントロールしにくい点は否めない。

 また、例えばWebブラウザアプリはプリインストールされているSafariが標準で、サードパーティ製のブラウザアプリを標準に設定することができないといった制限もある。IME(文字入力ソフトウェア)などにも同様の制限があり、PCで使い慣れたブラウザやIMEが利用できないという場合も多い。Windows PCで使っていた業務ソフトウェアのiOS版がなく、代替できるiOSアプリを選定する必要も出てくるだろう。

 もっとも法人利用に関しては、アプリごとに制御可能なVPN(Per app VPN)や、パスワードポリシー設定、リモートワイプといったMDMなどの機能が最新のiOS 7では大きく進化しており、法人利用における足場を固めつつある。法人への導入実績が豊富なことも、これから導入するにあたっては参考になる点も多いはずだ。またシェアの高さから、iPadに最適化された周辺機器やアクセサリ類の選択肢が豊富なことも、プラス要因になり得るだろう。

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