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» 2014年01月31日 10時00分 UPDATE

SOHO/中小企業に効く「タブレット」の選び方(第3回):仕事がはかどるタブレットは、iOS、Android、Windowsのどれか? (1/2)

iOS、Android、そしてWindowsという3つのプラットフォームから、業務に使うタブレットをどのように選べばいいのか? プレゼンや文書作成などの利用目的ごとに、それぞれの向き不向きを探っていこう。

[山口真弘,ITmedia]

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利用目的ごとに3つのプラットフォームを考える

tm_1401_tab3_01.jpg ひとくちにタブレットといっても、利用目的によって適したプラットフォームは変わってくる

 前回は、iOS、Android、Windowsという3つのプラットフォームごとに、法人ユースにおけるタブレットの特徴を紹介した。もっとも、実際にタブレットを使う側からすると、業務がきちんと遂行できるのであれば、OSの違いを意識する必要はあまりない。

 そこで今回はブラウジング、プレゼンテーション、文書作成など、法人がタブレットを利用する目的ごとに、各プラットフォームごとの向き不向きを探っていく。なお、以下は法人ユースを前提にした話で、個人ユースではまったく評価が変わってくる可能性もあるので、あらかじめご承知おきいただきたい。

Webサイトの閲覧

iOS ★★★★☆
Android ★★★★☆
Windows ★★★★★

 ブラウザでのWebサイト閲覧は、タブレットの基本的な使い道の1つであり、どのプラットフォームでも特に支障はない。メールやカレンダーといったWebサービスを利用する場合も、推奨環境ごとに多少の向き不向きはあるにせよ、使い勝手に大きな差はない。プラットフォームによる差が最も小さい分野と言っていいだろう。

 閲覧環境で気を付けるべきなのは、Flashのサポートだ。Flashを利用したWebサイトをiOSのブラウザアプリで表示するのはサードパーティ製も含めて困難であり、またAndroidについてもバージョン4.4以降、それまでFlashを表示できていたサードパーティ製ブラウザが動作しなくなったという例も数多く報告されている。

 その点、Windowsのブラウザは、Flashインタフェースのサイト閲覧で有利だ。Flashを使ったWebサイトを見る必要があるのなら、現時点ではWindowsタブレットをチョイスするのが無難だろう。

ブラウザベースのサービス(グループウェア、在庫管理、見積作成など)

iOS ★★★★☆
Android ★★★★☆
Windows ★★★★☆

 Webサイトの閲覧以外でブラウザを用いるもう1つの目的として、グループウェアの利用や、自社設計の在庫管理システム、見積作成システムなどへのアクセスが挙げられる。これらは、そのほとんどがあらかじめ推奨ブラウザおよびバージョンを定めて設計されているはずなので、プラットフォームの有利不利というより、それに適合するかどうかの問題となる。

 気を付けたほうがよいのは、ブラウザのバージョンだ。サービスがInternet Explorer(IE)推奨という理由でWindows 8.1のタブレットを導入したところ、Windows 8.1に標準搭載されている最新のIE 11はまだサポートしていなかった、ということも起こりうる。将来的に対応するにしても、日々利用しているシステムがストップしては大問題だ。IEならIEでバージョンはいくつなのか、事前にきちんとチェックしておきたい。

オフィス文書の参照および編集

iOS ★★★☆☆
Android ★★★☆☆
Windows ★★★★★

 WordやExcelのOffice文書ファイルは、表示するだけなら互換ソフトウェアやWebサービスを使えばどのプラットフォームでも大差はない。

 しかし、Office文書の高度な機能に対応し、レイアウトの乱れを発生させずに正しく表示するとなると、やはり純正のMicrosoft Officeが使えるWindowsが圧倒的に有利だ。文書の編集まで行うとなると、なおさらである。特に対外的にデータの受け渡しを行うのであれば、Windows以外に選択肢はないと言っても過言ではない。

マニュアルなど社内文書の参照

iOS ★★★★★
Android ★★★★★
Windows ★★★★★

 文書のフォーマットがPDFであれば、プラットフォームの違いを気にする必要はない。もしこれが電子書籍であれば、右とじへの対応が必須であり、PDFビュワーのアプリによっては対応しない場合もあるが、業務マニュアルや取扱説明書は右とじで作られていることはまれなので、どんなPDFビュワーでもまず問題ない。

 強いて注意点を挙げるならば、取り扱うPDFが何百ページにも及ぶ場合だ。それだけ大きなファイルサイズをきちんと扱えるPDFビュワーがそのプラットフォームに対応し、導入を検討しているタブレット製品の性能で問題ないかはチェックしたほうがよい。過去の紙資料をスキャンしたデータはファイルサイズが大きくなりがちなので、なおさらだ。

ペーパーレス会議

iOS ★★★★★
Android ★★★★★
Windows ★★★★★

 会議で使用するレジュメや配布資料のフォーマットは基本的にPDFだと考えられるので、プラットフォームごとの差はほぼないと言える。

 Office文書をそのまま配布する場合は先に述べた理由と同じでWindowsが有利だが、これはむしろ配布時にPDFに変換するというルールを徹底したほうがよいだろう。PDFであれば注釈などを書き込むこともできるため、対応アプリをきちんと用意すれば、タブレットを用いた完全なペーパーレス環境ができあがる。

スライドによるプレゼンテーション

iOS ★★★★☆
Android ★★★★☆
Windows ★★★★★

 どのアプリでプレゼンテーション資料を作成するかにもよるが、その多くがPowerPointで作られているビジネスの現場では、やはりWindowsが有利だろう。編集もタブレットで行うのなら、より強みを発揮できる。

 もっとも、あくまで個人で使うソリューションなので、慣れさえすればほかのプラットフォームでも何ら問題はない。iOSのKeynoteなど、使いやすいアプリを選べばよいだろう。プレゼンをスライドショーのみで行い、特殊なエフェクトも不要ということであれば、あらかじめPDFに変換した資料を表示するという方法もある。

電子カタログを見せる

iOS ★★★★☆
Android ★★★★☆
Windows ★★★★★

 自社のカタログを得意先や顧客に見せる用途では、基本的にはそのプラットフォームに対応アプリが存在するかどうかだけの問題なので、プラットフォームごとの差と呼べるものはない。カタログがPDFであればビュワーは無数にある。

 ただし、デジタルカタログでよく用いられる、紙のカタログを模したページめくりのエフェクトを再現したソリューションは、Flashが用いられていることが多いので、先に述べたようにプラットフォームによっては対応できない場合がある。自社のWebサイト上で公開しているデジタルカタログを顧客に見せようとしたところ表示できなかった……ということがないよう、あらかじめ動作確認しておきたい。

動画によるプレゼンテーション

iOS ★★★★☆
Android ★★★★★
Windows ★★★★★

 商談の席でクライアントに動画を見せるケースでは、動画ファイルのフォーマットに応じたプレーヤーのアプリさえ用意しておけば、特にプラットフォームごとの有利不利はない。

 ただし、プロジェクターや外部ディスプレイに接続して映像出力を行う場合、AndroidやWindowsタブレットであればMicro HDMI出力端子を標準で搭載している製品が多く、外部スクリーンへの出力は容易だ。Micro USBしか搭載しない製品でも、MHL(Mobile High-definition Link)対応のMicro USB端子なら、HDMI変換アダプタ経由で映像出力が行える。iOS(iPad)が備えているのはLightningもしくは30ピンのDockコネクタだけなので、HDMIやアナログRGB用のアダプタが必須だ。

 もう1つ、AndroidやWindowsタブレットの場合、動画の保存先が内蔵ストレージではなく、メモリカードスロットに装着したメモリカードだと、昨今のHD動画をスムーズに再生できないことがあるので注意したい。多数の動画を保存したメモリカードを取り替えて運用しようと考えている場合は、事前にしっかりと再生テストを行い、再生が難しい場合は内蔵ストレージが大容量のタブレットを選ぶべきだ。ちなみに、iPadはメモリカードスロットを搭載しない。


 以上、用途別の向き不向きをざっと見てきたが、次にハードウェアの違いと、それぞれを選ぶ際の考え方についてまとめておこう。プラットフォームおよび具体的な製品の選択にあたり、参考にしてほしい。

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