「15インチMacBook Pro Retina」――美しいディスプレイを搭載したHaswell世代の15.4型ノートPC注目PCレビュー(2/2 ページ)

» 2014年02月04日 17時15分 公開
[ITmedia]
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実力テスト:PCIe接続のSSDで快適な操作性を実現

CINEBENCH R11.5

 ここからは各種ベンチマークテストの結果を見ていこう。Mac側の環境はOS X Mavericks(10.9)、Windows側はBoot CampでWindows 8.1をインストールしている。ここでは液晶一体型PC「21.5インチiMac」の下位モデル(ME086J/A)を比較として並べた。同製品はCPUにCore i5-4570R(2.7GHz/最大3.2GHz)を採用するが、CPU内蔵グラフィックスは評価機と同じIris Pro Graphics 5200だ。

 まずは、OS X環境で実行したCINEBENCH R11.5の結果を見ていこう。CPUスコアは、15インチMacBook Pro Retina(ME086J/A)の6.21ptに対して、21.5インチiMac(ME086J/A)の4.91ptと、126%ほど高い結果となった。CPU動作クロックはiMacのほうが高いが、MacBook Pro RetinaのCore i7-4750HQ(2GHz/最大3.2GHz)はHyper-Threadingで8スレッド動作に対応するため大きく差がついた形だ。一方、OpenGLの結果は逆にiMacのほうが高い結果となっている。

 ストレージの性能を測るBlackmagic Disk Speed Testは、PCIe接続の高速なSSDを採用するMacBook Pro Retinaが圧倒的な性能を見せつけた。リード速度で700Mバイト/秒を超えており、SATA 3.0接続のSSDと比べても一線を画す速度だ。特に5200rpmの2.5インチHDDを搭載する21.5インチiMac に比べると雲泥の差。ビデオ編集など巨大なデータを扱う際も快適なレスポンスが期待できる。

Blackmagic Disk Speed Testの画面。左が15インチMacBook Pro Retina(ME086J/A)、右が21.5インチiMac(ME086J/A)

 次にWindows 8.1環境下でのベンチマークテスト結果を見ていこう。PCのパフォーマンスを総合的に測るPCMark 7は総合スコアで6180と、21.5インチiMac(ME086J/A)の約1.8倍の結果。ストレージ性能が色濃く反映されるベンチマークだが、個別のスコアでも2倍近くの差をつけている項目が多く、PC用途全般に渡って(システム性能面での)快適さは15インチMacBook Pro Retinaが完全に上をいっている。

 一方、CINEBENCH R15は、OS X環境下のCINEBENCH R11.5と同様の傾向で、CPUスコアは15インチMacBook Pro Retinaのほうが高いが、OpenGLは21.5インチiMac(ME086J/A)が上回っている。

PCMark 7(画面=右)とCINEBENCH R15(画面=右)

 次に3D描画性能を見ていこう。Graphicsのスコアをみると、低負荷時は21.5インチiMac(ME086J/A)が良好な結果だが、負荷の高いテストではほぼ差がなくなっている。このため、Ice Stormでは21.5インチiMacのほうが高い半面、Cloud GateではPhysicsで上をいくMacBook Pro Retina(ME086J/A)のほうがスコアが伸びた。ただ、いずれもCPU内蔵グラフィックスのIris Pro Graphics 5200なので、Fire Strikeのような高負荷テストでは誤差の範囲だ。

3DMark

3DMark 11

 FINAL FANTASY XIV新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編は、1280×720ドット設定の標準品質(ノートPC)で8741(非常に快適)、高品質(ノートPC)で6069(とても快適)、最高品質で3910(快適)、1920×1080ドット設定の標準品質(ノートPC)で4633(とても快適)、高品質(ノートPC)で2900、最高品質で1847(設定変更を推奨)という結果。内蔵グラフィックスながら、設定次第で十分に遊べるスコアとなっている。

FINAL FANTASY XIV新生エオルゼアベンチマーク キャラクター編

 なお、ベンチマークソフトなどの実行中はファンが勢いよく回りそれなりの音が聞こえる。低音のためそれほど気にならないが、深夜の静かな部屋でははっきりと意識するレベルだ。また、バッテリー駆動時間は、ワイヤレスインターネット閲覧とiTunesムービー再生でともに公称約最大8時間となっている。数日持ち歩いて使った印象としては、テキスト入力やWeb閲覧、ときどきYoutubeで動画を再生するといった使い方ならば、ほとんどバッテリー残量を意識する場面はなかった。

まとめ:モバイル利用も可能な大画面ノートPC

 新型MacBook Pro Retinaディスプレイモデルは、一目でアップル製品と分かる洗練されたユニボディを引き継ぎつつ、Haswell世代への移行やPCIe接続のSSDなどにより、iMacをしのぐ性能とさらに快適なレスポンスを実現している。「Pro」がついていながら内蔵GPUであることに納得できない向きには、(やや値は張るが)GeForce GT 750M(2GバイトGDDR)を搭載する上位モデルも用意されているし、そもそもたいていの用途でIris Pro Graphics 5200を不足に感じる場面もそうそうないだろう。「省スペース性を考えるとノートPCのほうがいいけど、画面サイズや解像度を考えるとメインマシンにはしづらいかも」、そんな悩みを持っているのなら15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデルに目を向けてみてはいかがだろうか。


15インチMacBook Pro(ME086J/A)の主な仕様
製品名 ME086J/A
メーカー アップル
画面サイズ(液晶方式) 15.4型(IPS)
アスペクト比 16:10
ディスプレイ解像度 2880×1800ドット
CPU(コア数/スレッド数) Core i7-4750HQ(4/8)
動作周波数 2GHz/最大3.2GHz
チップセット CPU内蔵
vPro
GPU CPU統合(Iris Pro Graphics 5200)
メモリ 8GB(DDR3L 1600MHz)、最大16GB
ストレージ(評価機実装) 256GB SSD
ストレージフォームファクタ M.2
ストレージ接続インタフェース PCI Express x2
光学ドライブ
無線LAN IEEE802.11a/b/g/n/ac
Bluetooth Bluetooth 4.0
有線LAN
主なインタフェース USB 3.0×2、Thunderbolt 2×2、ヘッドフォン
メモリカードスロット SDメモリーカードスロット(SDXC対応)
Webカメラ FaceTime HDカメラ(720p)
マイク デュアルマイク
本体サイズ 35.89(幅)×24.71(奥行き)×18(高さ)ミリ
重量 約2.02キロ
オフィススイート iWork
価格 20万4800円
発売日 2013年10月23日

※記事初出時、スペック表にあるアスペクト比の記載に誤りがありました。正しくは16:10です。おわびして訂正いたします


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