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» 2014年06月13日 09時30分 UPDATE

林信行がディープに解説:アップルストア表参道、注目すべき3つのポイント (1/3)

いよいよアップルストア表参道がオープンする。表参道の景観に溶け込むガラスで覆われた新店舗の魅力を林信行氏が解説。

[林信行,ITmedia]

ついにオープン!! 表参道へ待望のアップルストア

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 表参道についにアップルストアがオープンする。ファッションやデザイン関係の仕事に携わる人が多いこのエリアでは、元々、駅のプラットフォームや構内を見渡してもiPhone利用者の比率が特に高く、昔からアップル直営店を望む人が多かった。

 日本では、2003年11月に米国外初のアップルストアが銀座にできたのを皮切りに、2006年6月のアップルストア札幌まで7つの店舗がオープンしている。

 しかしその後はかたくなに、(グローバル戦略を貫くアップルにしては珍しい)日本特有の販売形態である、量販店内に開設するApple Shopの整備と全国展開に注力してきた。

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 当時、米国外でアップルストアがあるのは日本とイギリスくらいで、総店舗数は151店舗ほどしかなかったが、この8年のあいだに、米国のアップルストアは50の州に対して254店舗に、英国の店舗は37店舗、カナダに29店舗、オーストラリアに21店舗、フランス16店舗、イタリア14店舗、ドイツ13店舗、中国に10店舗、スペインにも10店舗、スイス3店舗、香港3店舗、スウェーデン3店舗、オランダ2店舗、ブラジル1店舗、トルコ1店舗と、世界425店舗にまで拡大。しかも、2012年時点までの統計では、床面積辺りの売上高でファッションやブランドなどあらゆる形態の小売り店の中でもトップクラスの売上高を記録する、最も成功している小売りビジネスとして注目されている。

 そんなアップルストアの人気の秘密は、ただ商品を売るという機能面だけでなく、まずは商店建築として一流であるということ、さらに商品を売った後にも丁寧なアフターケアがあることの魅力がある。また、最近の傾向では、それぞれの店の個性に合わせた「その店でしか買えない」限定商品も用意されている。

 6月13日午前10時、Tod’s Omotesandoの斜向い、伊藤病院の向かいにオープンするアップルストア表参道(Apple Store Omotesando)の魅力を、「建築」「アフターケア」「限定グッズ」の3つの視点で紹介していこう。

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表参道を彩る新しい商店建築

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 いまさら言うまでもないが、表参道は都道413号線が青山通りと交差する表参道交差点から、原宿駅前、明治神宮付近の神宮橋交差点までの全長約1.1キロメートルの区間。ここは日本でも屈指の有名建築が並ぶ通りだ。

 アップルストア表参道の店内からもよく見える「Tod’s Omotesando」はプリツカー賞受賞の伊東豊雄氏の建築として有名だし、その隣に中層階がくぼんだトーチのような形をした「表参道けやきビル」も團紀彦氏の有名建築。

 ほかにも、少し原宿寄りには歴史ある同潤会アパートを一部リノベーションし統合、店舗が並ぶエリアは表参道と同じ傾斜の坂道を配した安藤忠雄の「表参道ヒルズ」がある。

 原宿に向かってさらに進むと、妹島和世+西沢立衛/SANAAによる「Dior表参道」が、そしてその隣には表参道を心地よく見下ろせるバーやレストランがあるMVRDV+竹中工務店の「GYRE」があり、明治神宮を超えた向こう側には丹下健三の「国立代々木競技場」が鎮座している。

 一方、アップルストア表参道から近い青山通りを原宿と反対方向、西麻布方面に渡った向こう側にも関西空港などの建築で有名なヘルツォーク&ド・ムーロンのあまりにも有名な「プラダ ブティック青山店」から、片山正通が内装を手掛けた「INTERSECT by LEXUS」、ISSEI MIYAKEの「REALITY LAB.」、「Miele Center Omotesando」、そして「根津美術館」など、感度が高い人たちが集まるスポットが密集している。

omotesando_nobi_004.jpg 報道関係者向けに行われた事前内覧会でアップルストア表参道の魅力を語る米Appleシニア・マーケットディレクターのDenny Tuza氏

 アップルストア表参道の内覧会で店舗の紹介をしたシニア・マーケットディレクターのDenny Tuza氏も、同店は表参道に立ち並ぶ優美な建築物から大きなインスピレーションを受けた、と語っている。

 そんなアップルストア表参道の最大の特徴は、並木の向こうに青空が楽しめる、9.5メートルの高い天井まで伸びた長いガラス板(実際にはアクリル合わせパネル)を連ねるファサードだ。使われているガラスの総面積は500平方メートル――これは日本のアップルストアの中では最大の規模を誇る。

 この開放的なガラスのファサードは、同店を優美なガラス建築として外から楽しむ喜びを与えているだけでなく、店舗内にいても表参道の美しい街並や建築、そして並木通りの息吹を感じられるしかけにもなっている。

omotesando_nobi_005.jpg 地上階と地下階の2フロア構成。表参道の通りを一望できる巨大なガラスで覆われている

omotesando_nobi_006.jpg らせん階段を下りた地下1階のフロアには、サードパーティ製アクセサリ売り場やジーニアスバーがある

 また、美しい並木道に溶け込むようにガラスファサードに映るケヤキの樹を楽しませるだけでなく、ストアの側面にはハナミズキを植え、裏側の壁面はツタで覆っている。高い天井の中央には遠くからでもハッキリと分かる白く光るアップルのロゴマークが配されており、その下には優美な曲線を描くらせん階段が用意されている。

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