コラム
» 2014年07月18日 18時00分 UPDATE

巨大PCケースの時代が再来するのか?:大解説! 次期CPUに対応する新世代“冷却”事情 (1/3)

“Devil's Canyon”“Broadwell”では、従来の冷却機構が対応できないという。次期CPUに向けたクーラーユニット、PCケース、電源ユニットの動きを解説する。

[本間文,ITmedia]

Devil's Canyonで注意したい「クーラーユニット」

kn_daikairei_01.jpg 倍率変更ロックを解除したオーバークロック重視モデル“Devil's Canyon”こと、Core i7-4790K。“遊べるCPU”としてユーザーだけなく、インテルもいろいろとイベントを予定している

 2014年の後半に向けて、インテルはデスクトップPCプラットフォームを変えようとしている。そのきっかけとなるのは、インテルが市場投入した“Devil's Canyon”(開発コード名)こと、 「Core i7-4790K」(4.4GHz/最大4.4GHz、4コア8スレッド、3次キャッシュ8Mバイト)と「Core i5-4690K」(3.5GHz/最大3.9GHz、4コア4スレッド、3次キャッシュ6Mバイト)、そして、“Pentium Processor Anniversary Edition”こと「Pentium G3258」(3.2GHz、2コア2スレッド、キャッシュ3Mバイト)だ。

 これらCPUの半導体そのものは、従来の“Haswell”世代と変わりなく、Devil's Canyonに関してはTIM(Thermal Interface Material)などの変更により、より高クロックで動作しやすくした。このことは、オーバークロック設定において、より多くの電力を必要とし、それに伴い発熱も大きくなることを意味する。

 インテル関係者は、Core i7-4790Kは冷却さえしっかりすれば、空冷でも水冷でも5GHzで常時稼働できると主張する。しかし、そのときの消費電力は、(設定にもよるが)150ワット前後が必要で、安定して動作させるためには、強力なCPUクーラーも必要だ。先月、台湾で開催したCOMPUTEX TAIPEI 2014では、主要パーツベンダーが、よりパワフルな水冷ユニットや、それに対応するPCケースを展示していたが、今後、これらの製品も市場に登場してくる見通しだ。

 水冷ユニットのトレンドにも変化が見られる。これまで、主流だった一体型ではなく、ラジエータや冷却ヘッドなどを自由に組み合わせるコンポーネントタイプの需要が高まりつつある。その背景には、透明の配管ケーブルなどを使ってケース内を装飾する“遊び”を楽しむユーザーが増えている、ということだけでなく、次世代CPUへの対応も視野に入れたためと、クーラーユニットベンダー関係者は説明する。

 インテルが2015年に投入する予定の“Broadwell”(開発コード名)は、14ナノメートルプロセスルールに微細化することもあり、省電力化が進むことと期待するユーザーは多い。しかし、クーラーユニットの関係者によると「倍率ロックフリー版BroadwellのTDPは95ワットと、Devil's Canyonよりも高い上、14ナノメートルプロセスルールを採用することでダイサイズが小さくなり、熱密度が上がるため、より高性能なCPUクーラーユニットが必要となる」と指摘する。ましてや、オーバークロック設定で動作するとなれば、いままで使っていた冷却環境では力不足になる。

kn_daikairei_02.jpgkn_daikairei_03.jpg Thermaltakeは、大型の一体型水冷クーラーWater 3.0 Ultimateに加え、コンポーネントを自由に組み合わせられる水冷クーラーユニットも大幅に拡充

kn_daikairei_04.jpg SilverSToneは180mmラジエターを採用した一体型水冷クーラーも展開

kn_daikairei_05.jpg CorsairのハイエンドGPU向け水冷クーラーアタッチメント「Hydra HG10」

 同じ関係者は、「一体型水冷ユニットを利用する場合、PCケース内の温度にも気を配るべきだ」という。特にハイエンドグラフィックスカードを搭載するシステムでは、その放熱によりPCケース内部の温度が上昇し、ラジエータの冷却効率が極端に落ちるケースもある。

 そこで、GPUも水冷できるソリューションとして、Corsairは同社の一体型ユニットをハイエンドGPUに利用できるようにするアタッチメント「Hydra HG10」を発表した。また、台湾のAKUST Technologyは、Larkooler製の最大280ワットまでのTDPに対応するウォーターブロック「SkyWater VGA WB 30」を採用した一体型GPUクーラーを公開するなど、いま、GPU向け水冷システムへの期待が高まっている。

kn_daikairei_06.jpgkn_daikairei_07.jpg Radeon R9 290Xのデフォルト動作では、GPU温度が94度にも達し、PCケース内部の大きな熱源となっている(写真=左)。「Hydra HG10」と同社の水冷クーラーユニットを利用したときのGPU温度は、55度にとどまっている(写真=右)

kn_daikairei_08.jpgkn_daikairei_09.jpg Akust TechnologyのGPU対応一体型クーラーユニット。GPU用ウォーターブロックには同社と協業関係にあるLarkooler製「SkyWater VGA WB 30」を採用する(写真=左)。LarkoolerのGPU用ウォーターブロック「SkyWater VGA WB 30」。ウォーターブロック内にマイクロフィンを備えることでTDP 280ワットにも対応するという(写真=右)

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