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» 2014年09月22日 10時15分 UPDATE

7年越しの夢:iOS史上、最高の日本語変換を――待望の「ATOK for iOS」を使ってみた

iOS 8向けに「ATOK for iOS」が登場した。iPhone登場から約7年半、ついにすべてのアプリでATOKが利用できるようになる。1500円。

[ITmedia]

 ジャストシステムは、iOS 8上で動作する「ATOK for iOS」をApp Storeで発売した。価格は1500円。同社はこれまで、iOS向けにはメモアプリ「ATOK Pad」で日本語入力変換を提供してきたが、iOS 8でサードパーティ製ソフトウェアキーボード(文字入力システム)が解放されたことに伴い、今回のATOK for iOSによって、すべてのアプリでATOKが利用できることになる。

og_atok_001.jpg 「ATOK for iOS」

 ATOK for iOSでは、WindowsやMac向けに提供される「ATOK」と同等の高性能エンジン「ATOK EV Engine」をiOS向けに初めて搭載し、高い変換精度と推測変換によるスムーズな日本語入力を実現したのが最大の特徴だ。最初のバージョンでは、iPhone向けにテンキーキーボード(iPhone 6 Plusでは右寄せまたは左寄せのテンキーキーボードも利用できる)、iPad向けにQWERTYキーボードが提供される。また、カーソルキーのフリックでカーソル移動が行える「らくらくカーソル移動」や、バックスペースのフリックで句読点単位の文章を削除する「まとめて削除」など、ATOK独自のスマホ向け支援機能を搭載しているのも目を引く。

og_atok_002.jpgog_atok_003.jpg 文脈を判断して正しい変換を推測する日本語入力がiOS 8のすべてのアプリで利用できる

og_atok_004.jpgog_atok_005.jpg 「変換キー」をタップすれば長文も確実に変換していける。なお、iPad向けにはQWERTYキーボードが提供される

 ATOK for iOSの開発を担当した同社の入江賢治氏は、制約の多いiOS 8のキーボードでユーザーにどういったATOKを提案すべきか検討を重ねた結果、「ユーザーはキーボードを触りたいわけではなく、日本語を入力したい。その基本に立ち返って、ユーザーの利用目的をシンプルに捉えたアプリを実現した」と話す。コンセプトは“羊の皮を被った狼”だ。

 実際にiPhoneで試用してみたところ、iOS標準のソフトウェアキーボードに似たルック&フィールで、変換確定前の入力文字列がカーソル位置に表示されないという違いはあるものの(標準キーボードではカーソル位置に変換前の入力文字列が表示される)、ほとんど違和感なく利用できた。

 また、前後の文節によって正しい変換を推測する精度の高さはさすがATOKという印象。例えば「登場人物が搭乗カウンターに近づいた」という文章の“とうじょう”は、前後の文節からきちんと正しい漢字に変換される。入江氏がオススメと話す「らくらくカーソル移動」も、iPhoneのフリック入力で長文を打つ人にはかなり便利だと感じた。ただ、iOSの仕様上、現時点では外部ハードウェアからサードパーティ製ソフトウェアキーボードを制御できないため、BluetoothキーボードでATOK for iOSを利用することはできず、フリック/タップ入力に限定されてしまうのがやや残念なところかもしれない。

og_atok_006.jpgog_atok_007.jpg 入力支援機能の「らくらくカーソル移動」と「まとめて削除」もユニークだ。テキストに文章を挿入したいとき、標準キーボードではカーソルを挿入位置にあわせるために何度も画面を指でタップすることがあるが、「らくらくカーソル移動」を使えば確実にカーソル位置をあわせられる。右矢印ボタンをタップすれば右に、矢印ボタンを左にフリックして指を維持すればそのまま左にカーソルが進んでいくUIだ。上下方向へのカーソル移動はできないが、最初に画面をタップして適当な位置にカーソルを置いてからカーソルを移動するとかなり便利(画面=左)。キーボードの背景色も、標準キーボードと同じくアプリにあわせてホワイトとブラックに切り替わる。標準キーボードと比べても違和感がなく、変換精度の高い標準キーボードのように錯覚してしまう(画面=右)

og_atok_008.jpgog_atok_009.jpg 新規単語の登録に加えて定型文も登録できる。ただし上限は15個まで。定型文はキーボードからワンタップで呼び出せるが、選択するためのUIは登録順の上下スクロールになる。今後定型文の上限を増やした際は、カテゴリ分けなども検討するとのこと(写真=左)。現時点では「ATOK Syncアドバンス」をサポートしていないため、デバイス間でユーザー辞書や学習内容を共有するためには、iTunes経由でファイルを書き出す必要がある。ちょっと面倒だ(写真=右)

 入江氏は「(ATOK for iOSは)WindowsやMacのATOKと同じ変換エンジンをベースにスマホ向けにチューニングを施したもの。最新世代の変換がiOSで利用できる」とアピールし、「iOS史上、最高の日本語変換を提供したい」と意気込む。

 なお、今後のロードマップとして、キーボード種類の拡充やATOK Syncアドバンスへの対応、ATOKキーワードExpress、電子辞典連携/校正支援強化などの開発を進めているほか、iPhone 6/iPhone 6 Plusの画面サイズに最適化したUIも検討中とのことだ。

og_atok_010.jpgog_atok_011.jpg 今後のロードマップと対応機種。2014年Q3(10〜12月)にキーボードの種類を拡充するほか、マルチプラットフォームで学習内容を同期できるATOK Syncアドバンスにもできるだけ早いタイミングで対応したいとしている

 ATOK for iOSの対応機種は、iPhone 6/iPhone 6 Plus/iPhone 5s/iPhone 5c/iPhone 5/iPhone 4s、iPad mini Retina/iPad mini/iPad Air/iPad(第4世代)/iPad(第3世代)/iPad 2、iPod touch(第5世代)。インストールに必要な容量は90Mバイト。

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