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» 2014年09月29日 09時00分 UPDATE

まさに究極:サイコムに来てください、本物の“静音PC”をお見せしますよ――「Silent-Master Pro Z97 Mini」が静かすぎる (1/2)

サイコムから静音性を追求したコンパクトデスクトップPCが登場した。Core i7-4790Kを搭載した高性能モデルでも驚くのほどの静かさ!!

[ITmedia]

 BTOメーカーのサイコムから静音仕様に特化したデスクトップPC「Radiant Silent-Master Pro」シリーズが登場した。Micro-ATXサイズの「Silent-Master Pro Z97 Mini」を入手したので早速見ていこう。

 Silent-Master Pro Z97 Miniは、CPUクーラー、冷却ファン、グラフィックスカード、電源ユニットといった、通常騒音源になりやすい内部パーツをサイコムが厳選して、とことん静音性を追求したデスクトップPCである。「静音性重視」をうたうPCは数あれど、サイコムの「Silent-Master Pro」がユニークなのは、それが単なる“売り文句”ではなく、第3者機関による検証結果を詳細に公開している点だ。

og_silentmaster_001.jpg Silent-Master Pro Z97 Mini

 例えば、同社が公開した資料によると、ベンチマークプログラムによってシステムに負荷をかけた状態の騒音は、左側面でわずか24.1デシベル。同製品は比較的コンパクトなサイズなので机上に設置する人も多いと思われるが、ユーザーが座る位置でも30デシベルを大幅に下回っている点に驚かされる。

og_silentmaster_002.jpg 第3者機関が実施した標準ケースファン搭載モデル(対象1)と、Noctuaファンに換装した静音モデル(対象2)の比較。もともと独Nanoxia製Micro ATXケース「Nanoxia Deep Silence 4」は静音ケースとして定評があるが、標準ケースファンを換装したサイコム仕様のモデルは、高負荷になるほど静音面で有利になり、かつ温度も低く抑えられているのが分かる

 実際、騒音計を用いて深夜のオフィスで測定してみたところ、PCMarkや3DMarkなどを実行してみても環境騒音である30デシベルを上回ることはなく、きちんと動作しているのか不安になるほどだった。もちろん、背面側に回って耳をぴったりとくっつければ、ファンの回転する低い音は聞こえるが、防音設備が整った部屋でもなければ、動作音が気になることは皆無だろう。しかもこれが、Devil's CanyonことCore i7-4790Kを搭載し、外部グラフィックスカードを搭載してゲームもこなせるマシンなのだ。

 この驚くべき静音性を実現できた理由は大きく4つある。1つは独Nanoxia社の静音ケース「Nanoxia Deep Silence 4」を採用した点。外観はブラックを基調にしたシンプルなMicro ATXケースだが、開閉式のフロントドアや底部のインシュレーター、側面内側に施された吸音材など、各部に渡って静音性へのこだわりが見られる。側面パネルを叩くと、スチル製のカンカンという高い音ではなく、吸音シートのせいで木材を叩いたような鈍い音がし、内部動作音の反響が抑え込まれているのが分かる。

og_silentmaster_003.jpgog_silentmaster_004.jpg 非常にシンプルなデザインのケース。本体サイズは200(幅)×480(奥行き)×380(高さ)ミリと比較的コンパクトで、机上に置いても圧迫感がない

og_silentmaster_005.jpgog_silentmaster_006.jpg フロントのドアを開けると2つの5インチベイにアクセスできる。内部の動作音をシャットアウトする構造だ。底部には振動を抑えるインシュレーターを備える

 2つ目は自作マニアから高い支持を得ている冷却パーツメーカー、Noctua製CPUクーラーとケースファンを採用した点だ。もともと静音性の高いクーリングシステムをさらにNoctua製とすることで、高負荷時でも低速回転かつ強力な冷却性能を実現したのは前述のデータの通り。CPUクーラーに「Noctua NHU12S」、前後には高静圧12センチファンの「Noctua NF-F12 PWM」を搭載している。

 Noctua NHU12Sは、高い冷却効果のわりにコンパクトなヒートシンクを搭載しており、メモリスロットへの干渉がないのもポイントで、メモリの増設作業がスムーズに行える。吸気はフロントマスクの側面スリットから内部へ空気を送り込む構造になっており、防じんフィルターを備える。フロントマスクの取り外しには少しコツがいるが、工具などは不要でメンテナンスは比較的容易だ。

og_silentmaster_007.jpg Nanoxia Deep Silence 4のサイズは、200(幅)×480(奥行き)×380(高さ)ミリ。拡張ベイとして、5インチベイを2基、2.5インチ/3.5インチシャドウベイを6基、さらに2.5インチ専用ベイを1基用意する。2.5/3.5インチのHDDゲージを取り外せば、395ミリ長さのグラフィックカードも装着可能だ。マザーボードはASRockの「Z97M Pro4」

og_silentmaster_008.jpg チョコレート色のフィンがトレードマークのNoctua製ファンを採用。Noctuaから直接部材の供給を受けているサイコムならではのこだわりだ。その効果は実際に動作音を確かめてみれば、たかがファンとは言えなくなる

og_silentmaster_009.jpg 前面側には防じんフィルターを完備。冷却効果を高いまま保つためには定期的なホコリの除去は欠かせないが、メンテナンス性も良好だ

 3つ目のポイントは電源ユニット。CPUクーラーや電源ユニットを手がける独Be Quiet!!の500ワット電源「PURE POWER L8-500W」を採用しており、ファンノイズを抑えた静音仕様になっている。

 4つ目はグラフィックスカードにASUSの「GTX750TI-OC-2GD5」を採用している点で、こちらもGPU温度によってファンを停止する“セミファンレス”の静音性を特徴とする。グラフィックスカードの仕様は、Boost時のコアクロックが1202MHz、メモリクロックが5400MHz、GDDR5メモリを2Gバイト搭載。ハイエンドモデルではないものの、後述するベンチマークの通り、3Dゲームタイトルもこなせる性能を持つ。ちなみに同カードはGPU温度が50度以下になるとファンを完全に停止するが、3D系ベンチマーク実行時はさすがに50度を下回ることはない。ただ、GPU-Zのモニタリング結果では50度をやや上回る程度の温度になっており、ファンの回転速度はかなり抑えられている印象だった(表示では34%)。

og_silentmaster_010.jpgog_silentmaster_011.jpg ドイツのメーカー、Be Quiet!!の80PLUS Bronze認証電源ユニットを搭載。12センチ静音ファンを備える。底部には防じんフィルターも完備(写真=左)。グラフィックスカードはMaxwell世代のGeForce GTX 750Ti搭載モデル「GTX750TI-OC-2GD5」。映像出力はDisplayPort、HDMI、DVI-I(写真=右)

 サイコムは、超ハイエンドゲーミングPCで水冷モデルを投入するなど、冷却に関するこだわりやパーツ選定の確かさでは群を抜くメーカーといえるが、その同社が今回投入したSilent-Master Proシリーズは、「そこまでやるのか」とうならずにはいられないほど静音性ただ1点に注力した製品となっている。詳細な検証結果を公開しているのはその自信の表れだろう。

 もちろん、ただ静かなだけではない。次ページからベンチマークテストでその性能を見ていこう。

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