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» 2014年10月24日 11時15分 UPDATE

牧ノブユキの「ワークアラウンド」:下取りされたスマホはどこへ行くのか? 周辺機器の買い替えキャンペーンと何が違うのか? (1/2)

新製品の拡販につきものの下取りキャンペーン。ここで引き取られた製品は、その後どのような末路をたどるのか。iPhoneなどのスマートフォンのほか、現物の引取が発生しないことが多い、PC周辺機器の買い替えキャンペーンについても併せて見ていこう。

[牧ノブユキ,ITmedia]

 iPhoneをはじめ、各キャリアの主力となるスマートフォンの新製品がリリースされる際につきものなのが、手持ちの機種を下取りすることで、新しい機種を安価に入手できるキャンペーンだ。現金還元にクレームが付いたことで現在はポイント還元が主流になっているが、各キャリア間の競争はますます過熱する一方だ。

 ところでこうしたキャンペーンで回収された中古の製品について、各キャリアが再生して店頭もしくはオンラインストアで販売しているといった話は一向に聞かない。中古品を直接販売していないキャリアが買い取ったこれらの品は、一体どこに行くのだろうか。

 キャリアと同じく、新製品の投入にあたって「買い替えキャンペーン」を展開する周辺機器メーカーの例も含め、旧製品を下取りする理由、そしてその製品の行く先について見ていくことにしよう。

iPhoneだけが高値で引き取られる理由

 先に結論を書いてしまうと、iPhoneの場合は、まとまった数を中古品として新興国に流している。世界的に根強い人気を誇るiPhoneであれば、たとえ型落ちのモデルであっても、高値での取引が可能だ。それゆえ、ある程度のまとまった台数が集まることを条件に、回収されたiPhoneを別の事業者が買い取った後、海外に流すことが可能になる。

 「ある程度の台数がまとまる」という条件は、iPhone以外のスマホの下取りがほとんど行われておらず、行われていても割安である理由の回答にもなっている。シェアが低い製品は機種ごとに台数をまとめることができないので、再流通先が見つけにくく、引き取るにしても安価にならざるを得ないというわけだ。

 最近はiPhoneもカラーバリエーションが増えたため、一概には言えなくなったが、カラーや容量のバリエーションが多い機種の場合、同じモデルでまとまった台数をそろえるのが難しくなるため、ハードルはさらに上がる。海外に流せないフィーチャーフォン(ガラケー)に至っては問題外だ。

 またiPhoneの場合、製品が入れ替わるサイクルはこれまでの実績からも1年に1回であることがほぼ確実で、再生品を市場に流通させるにあたっても、業者側もスケジュールが立てやすい。

 これに対して、ほかのスマホは半年スパンで新製品が出ることも珍しくないため、型落ちになるスピードも速く、またサイクルもそれほど明確ではないため、台数がまとまったところで不意に新製品がリリースされると、想定した価格で流通させるのが難しくなる。こうした点も、ほかの機種で下取りが成立しにくい要因になっていると考えられる。

 この新興国に流す具体的なルートというのは、あくまでもウワサの範ちゅうを出ておらず、またすべての事業者がこのスキームを採用しているかどうかも不確定だが、下取りにあたり「故障や破損は不可」「水濡れ不可」「改造不可」「各種ロックの解除が可能なこと」といった、明らかに再利用を前提とした付帯条件があり、さらにこれらの条件が各キャリアでほぼ共通していることを考えると、大きく外れていることはないだろう。

 これらキャリアの下取り価格は、中古買取の専門業者に比べて安価であることが多いが、それは引き取った製品を即中古品として販売するのではなく、こうした複雑なスキームに乗せるための手数料を考慮した価格設定であると考えれば納得もいく。余談だが、ほかのタブレットではまず成立しない下取りが、iPadに関しては行われているというのも、iPadの市場シェアを考えれば納得だ。

 こうした下取りは、海外に流すことで一定の利益は得られるとはいえ、各キャリアにとっては、なるべく行いたくない類の施策である。しかし他のキャリアで同様の施策が行われていれば、現場としては当然、手を打たなくてはいけない。こうした行為を問題視する総務省など、監督省庁とのいたちごっこは今後も続くだろう。

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