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» 2014年11月10日 16時00分 UPDATE

SOHO/中小企業に効く「ページプリンタ」の選び方(第1回):「ページプリンタ」選びで“見落としがち”なポイントとは? (1/2)

ペーパーレス化を推進している企業も少なくないだろうが、まだまだ重要なオフィス機器として使われ続けている「ページプリンタ」。実際、データを紙に印刷する機会は依然として多いだろう。本連載はそんなページプリンタの選び方を紹介する。

[山口真弘,ITmedia]

印刷スピードとランニングコストに注目したページプリンタ選び

tm_1405satera_lbp_05.jpg 今回からページプリンタの選び方をチェックする。写真はキヤノンのA4コンパクトモデル「Satera LBP6240/6230」利用イメージ

 オフィスにおいて、データを紙に出力する際の主役と言えるのが「ページプリンタ」だ。印刷方式の違いから「レーザープリンタ」や「LEDプリンタ」とも呼ばれるが、ドラムに紙を押し当てて1ページ単位でデータを印刷するページプリンタとしての基本機能は変わらない。

 最近ではコピーやスキャナ、FAX機能などを加えた複合機も価格が下がり、導入のハードルが低くなっているほか、ビジネス向けの高性能なインクジェットプリンタも台頭してきたことで選択肢が増えつつあるが、単機能のページプリンタのニーズは依然として大きい。

 ページプリンタ1台でオフィス内のすべての紙の出力をまかなっているケースはもちろんのこと、フロア単位ではA3対応のカラー複合機を設置しつつ、各部署にはそれぞれA4対応のモノクロページプリンタを配置するといった具合に、役割を分担させて小回りを利かせているオフィスもあることだろう。

 ページプリンタは、毎年新しいモデルが発表されてはいるものの、基本的には細かな改良や機能の追加が主で、製品としてのドラスティックな変更は、他のカテゴリに比べると少ないほうだ。すでにページプリンタの利用経験があるのなら、新しいトレンドのいくつかを押さえておけば、製品選びに失敗する可能性は低いだろう。

 とはいえ、評価軸の多い製品でもあり、いくつかの候補製品をリストアップし終えた後に、何を決め手に最終的な判断を下せばよいか、迷うことは少なくないはずだ。今回は印刷のスピードおよびランニングコストにフォーカスして、中小企業およびSOHOでページプリンタを選ぶ際にポイントとなる項目を見ていきたい。

プリント速度は「1分間に何枚印刷できるか」だけではない

 ページプリンタの導入に際しては、どうしても「A4かA3か」「モノクロかカラーか」といった、ごく基本的な機能で製品を絞り込み、その中から価格を決め手に選んでしまいがちだ。実際のところ、各社のラインアップはこうしたカテゴリ分けに基づいており、カラーを印刷したいのにモノクロプリンタを買うなどといった選択肢はあり得ないことから、これはこれで選び方として正しい。

 しかしながら、実際の利用シーンを顧みると、同じくらい重要視しなければいけないポイントがいくつかある。ここではそれらのうち、印刷スピードにまつわるチェックポイントを見ていこう。

「ファーストプリント」「ウォームアップ」「リカバリ」の時間

 1つはPC上で「印刷実行」のボタンを押した後、「プリンタ側がデータを受信し始めてから、印刷された書類がプリンタから完全に排出されるまで」の時間だ。一般に「ファーストプリント○○秒」と書かれている値がこれである。急いでいるときに印刷ボタンを押してもなかなかプリンタが動き出さない場合、この数値が大きい(=遅い)ことが考えられる。

 このファーストプリント、単純にプリンタの印刷速度や画像処理速度の問題ではない。実際の利用では、電源オフもしくはスリープ状態にあったプリンタがどれだけの速さで印刷可能な状態に復帰できるかが、業務効率に大きな影響を与える。「ウォームアップタイム」(電源オンから印刷可能になるまでの時間)、「リカバリタイム」(スリープからの復帰時間)といった値が公開されているならば、それも合わせて確認すべきだ。「クイックウェイクアップ」機能など、高速復帰をうたう製品も見られる。

 中小企業の部署内プリンタやSOHOといったオフィス環境ではありがちだが、たまに大量部数の印刷が発生するものの、プリンタが頻繁にスリープ状態になる、あるいは業務時間内でも印刷する際に初めてプリンタの電源を入れる、といった頻度の低い使い方をしている場合、ウォームアップやリカバリの時間は特に重要だ。少部数の印刷がこまめに発生する場合も、ファーストプリントの速さが物を言う。

 逆に、業務時間はほぼノンストップでプリンタが稼働しており、スリープになることがほとんどないのであれば、ウォームアップやリカバリの時間はあまり気にしなくても問題ないことになる。しかしながら、最近は省電力の観点から、デフォルトでは頻繁にスリープに入るよう設定されている製品がほとんどであるため、多くの場合はチェックが欠かせない項目だ。

「連続出力枚数」は大量部数の印刷で指標となる

 もう1つは「連続出力枚数」で、1分間に何枚のプリントが可能かという、大量部数の印刷における実質的なスピードだ。

 プリンタの仕様欄では「カラー○○枚/分、モノクロ○○枚/分」あるいは「○○ppm」や「○○ipm」という値で示されている。ppmとはpages per minuteの略語、ipmとはimages per minuteの略語であり、いずれも1分間に出力できる最大の枚数を表す。具体的には、前者はメーカー独自に同一内容のデータを連続印刷した場合の値、後者はISO(国際標準化機構)が定めた異なる内容のデータを連続印刷した場合の値だ。後者のほうが実利用に近い値と言えるだろう。

 ちなみに、この数字は、印刷に時間がかかるファーストプリントの値を含めず、2枚目以降の連続印刷速度となる。

 連続出力枚数の値は、「プリント速度」や「印刷速度」として、多くの製品のカタログやWebサイトで強調表示されているため、見ればすぐに分かる。むしろこの値だけを見て製品を選んでいるという人も多いだろう。

 先ほどのファーストプリントの場合とは逆に、プリンタに絶えず印刷ジョブが流れ込んでいるような状況で、かつ大量印刷を頻繁に行っているケースであれば、この数値は重要だ。ページプリンタの導入を検討するオフィス環境は、定期的にまとまった部数の印刷が必要という前提だろうから、この値を最初に見るのは正しいと言える。

 しかし、まとまった部数の印刷と言っても、前述のように1枚単位や少部数での印刷を繰り返している環境であれば、相対的に連続出力枚数の速度は重要度が低くなる。この値「だけ」をチェックするのではなく、利用形態に応じて総合的に判断したい。

 なお、機種によってはカラーとモノクロとのスピード差が大きい機種もあるので、購入後にどのような書類を印刷する機会が多いのもあらかじめヒアリングし、条件に見合った機種を選定するとよいだろう。

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