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» 2014年11月26日 06時28分 UPDATE

SOHO/中小企業に効く「ページプリンタ」の選び方(第2回):「ページプリンタ」を正しく選ぶためのポイント“7選” (1/2)

オフィス機器の代表格と言える「ページプリンタ」。そんなページプリンタの選び方を提案する本連載の第2回は、適切な候補機種をリストアップするための7つのポイントについて紹介しよう。

[山口真弘,ITmedia]

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ページプリンタの候補を選び出すためのチェックポイントとは?

 前回は、「ページプリンタ」を選定する際に確認すべきポイントとして、「印刷速度」および「TEC値」の2つを紹介した。いずれもページプリンタ特有の項目であり、この2つの値の見方を知っておくことで、購入の助けとなるはずだ。

 もっともこの2つについては、あくまでもプリンタの候補機種が出そろった後、ふるいにかけて絞り込むためのポイントであり、リストアップの段階ではそこまで考慮する必要はない。今回はそれよりも前の段階、ページプリンタの候補機種をまずざっくりとリストアップするにあたって念頭に置くべき、7つの項目を紹介していこう。

 これらを参考にすれば、ページプリンタの詳しいトレンドについては知らなくとも、大きくポイントを外すことなく、適切な候補機種を選び出せる。

(1)「A3」か「A4」か?

 ページプリンタは基本的に、印刷できる用紙サイズの違いにより、「A3対応」と「A4対応」の2種類に分かれる。ビジネスで主流となるのはA4だが、日本ではA3の印刷ニーズも根強い。また、建築や教育などA3印刷が必須と言える業種もある。

 そもそもプリンタは、「大は小を兼ねる」典型的な製品だ。つまりA3に対応していればA4の印刷も可能だが、その逆はできない。あまりにA3印刷の頻度が低ければ出力ショップなどを利用する方法もあるが、A3印刷の機会が年間を通じて少なからずあるのなら、買い替えのタイミングでA3対応モデルにリプレースするというのは正しい選択だろう。

 では逆に、A3対応であることのデメリットは何だろうか。1つは言うまでもなく価格だ。ハードウェアのコストを考慮しても、A4対応に比べて本体価格が跳ね上がるのは当然と言える。例えばカラー対応のページプリンタの場合、現在はA3対応で10万円前後、A4対応で5万円前後がボリュームゾーンなので、A4対応を前提に予算を組み立てていた場合、上積みの必要が出てくる。予算をどれだけ確保できるかがポイントになるだろう。

 もう1つは置き場所だ。A4の2倍の大きさを出力できるぶん、本体サイズは自然と大きくなる。特に顕著なのは奥行きで、A4モデルは奥行500ミリの棚があればほぼ確実に収まるに比べて、A3モデルは最低でも600ミリは必要になる。

 例えば、キヤノンのA4カラーモデル「Satera LBP7600C」は499ミリだが、A3カラーモデル「Satera LBP5910F」だと669ミリということで、170ミリもの違いがある。事務所が狭い場合はもちろん、導入済み製品と同じ置き場所で買い替え候補を探している場合は、この奥行きがネックになる可能性がある。ちなみに、エントリークラスのモノクロ機では奥行きが300ミリを切るコンパクトなA4モデルも存在する。

tm_1411lbp2_01.jpgtm_1411lbp2_02.jpg キヤノンのA4カラーモデル「Satera LBP7600C」は奥行きが499ミリ(写真=左)。同社のA3カラーモデル「Satera LBP5910F」は奥行きが669ミリとなる(写真=右)

(2)「カラー」か「モノクロ」か?

 「カラー/モノクロ両対応」か、あるいは「モノクロのみ対応」かは、ページプリンタを選ぶにあたって真っ先に判断しなくてはいけないポイントの1つだ。

 最近はカラー対応モデルとモノクロ対応モデルの価格差も縮まりつつあるので、「大は小を兼ねる」ならぬ「カラーはモノクロを兼ねる」で、カラー対応モデルを導入するという考え方もあるだろう。カラー対応モデルでモノクロ印刷をする場合のコストと、モノクロ対応モデルの印刷コストは、昨今はほぼ等しくなりつつあるので、なおさらだ。

 気をつけなければいけないのは印刷速度だ。モノクロだと毎分30枚程度の印刷が可能であるにもかかわらず、カラーになると毎分10枚程度と、印刷スピードが極端に遅くなる製品は、廉価なモデルでよく見られる。

 利用頻度が低いならまだしも、頻繁にカラー印刷の機会があるならば、早々に音を上げてしまわないとも限らない。単に「カラー対応」というだけで製品を選ぶことがないよう、速度についてもしっかりとチェックしておこう。

(3)「両面印刷」は可能か?

tm_1411lbp2_03.jpg 自動両面印刷に対応した製品ならば、用紙を節約できる。写真はブラザーの「JUSTIO HL-L8350CDW」

 両面印刷が可能なのも、ページプリンタの利点の1つだ。インクジェットプリンタの場合、両面に印刷するとインクの性質上、用紙が波を打ってしまいがちなので、美しい両面印刷を行うのであれば、印刷後の用紙の平滑性が高いページプリンタを使うことは理にかなっている。

 もっとも、市販のすべてのページプリンタが両面印刷に対応しているわけではなく、廉価な製品では両面印刷が行えないケースも多い。これは製品の世代が古いからという理由では決してなく、両面印刷の機構を搭載すれば、本体の体積が増し、かつコストが跳ね上がることから、とにかくコンパクトで安価なページプリンタを求めるニーズに対して、両面印刷機能を省いた製品が用意されているというわけだ。

 消耗品の側から見ると、両面印刷ができないということは、単純に用紙を2倍消費するということでもあり、また社内外からエコでないとお叱りを受けるケースも考えられる。予算などの事情でやむを得ないケースはあるにせよ、なるべく両面印刷に対応した製品をチョイスするのが、賢い選択になるだろう。その一方、片面印刷しか行わないような場合は、無理に両面印刷にこだわる必要もなく、片面印刷の製品をチョイスすべきだ。

(4)接続方式は「有線」か「無線」か?

tm_1411lbp2_04.jpg キヤノンのA4カラーモデル「LBP7110C」。無線/有線LANに標準対応している

 接続方式は、USBと有線LANのハイブリッドという製品がほとんどであり、これで基本的に不足はないはずだ。共有するPCの台数が少なければ、有線LANではなくUSBに切替器を追加してシェアする方法もある。

 その一方で、最近徐々に増えつつあるのは、有線LANに加えて無線LANを搭載した製品だ。無線LANだとLANケーブルを敷設する必要がないため、置き場所の制約から解き放たれ、LANケーブルが敷設されていないオフィスの隅や会議室などに設置することも可能になる。

 もっとも、それ以外の無線LAN搭載のメリットは、現時点ではそれほどないというのが正直なところだ。仮にオフィスでスマホやタブレットなどの無線機器から印刷を行う場合も、ページプリンタ本体が無線である必要はなく、無線アクセスポイントを介してジョブを送ればよい。

 逆にプリンタを無線LAN化することで、利用帯域がやたらと混雑して通常の通信に制約が出たり、あるいは電波干渉によって印刷が不安定になることも考えられる。どうしてもという場合は、オプションで無線LANモジュールを追加できる製品を選んでおくとよい。

 サードパーティ製の無線プリントサーバを追加する方法もあるが、多くの製品は双方向通信に対応しないため、各端末からインク残量などの確認ができないなどの制限が発生することは、知っておいたほうがよいだろう。

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