デルは11月27日、5K(5120×2880ピクセル)表示に対応する27型ワイドディスプレイ「UP2715K」と、アスペクト比21:9の34型曲面ディスプレイ「U3415W」および、低価格4K対応27型/24型ディスプレイ「P2415Q」と「P2715Q」を発表、12月12日から発売する。直販価格は順に19万9980円、10万9980円、6万9980円、5万4980円(税込み、送料込み)。
同日行われた発表会では、デルのクライアント製品マーケティング本部でブランドマネージャーを務める河田浩行氏が登壇し、ディスプレイ市場の現状を説明した。
同氏は「2005年から2013年まで、ディスプレイの国内マーケットシェアで9年連続トップを獲得した」(注:出荷台数ベース)と好調ぶりをアピールするとともに、「2014年は4K元年と言われていたが、実際にデータサイズの増大や技術的なブレイクスルー、値頃感から需要が増えている。フルHDが登場した当時はセンセーショナルだったがもはや当然のものになっているように、4Kも遠くない未来にコモディティ化するだろう。こうした予測のもと、2013年から4Kへ取り組んできたが、今後はさらに5Kのフロンティアへ向かう」と述べ、超高解像度ディスプレイのさらなる拡充、ワークステーションの「Dell Precision」シリーズと組み合わせたトータルソリューションの提供、Adobeをはじめとするアプリケーションベンダーとのパートナーシップという3本を軸とする今後の方向性を示した。
今回の製品発表で目玉になるのが5120×2880ピクセル(218ppi)という解像度を実現した「UP2715K」だ。フルHD(1920×1080ピクセル)の約7倍、QHD(2560×1440ピクセル)の約4倍に相当する超高解像度表示だけでなく、出荷時に1台1台色補正を行い、Adobe RGBカバー率99%をうたう広色域も特徴で、写真/動画編集や3次元CAD、医療、サイネージといったプロフェッショナルな現場での利用を想定している。
また、同社のプロ向けラインアップであるデジタルハイエンドシリーズとしては珍しく、パネル全面にガラス加工が施されているが、こちらはガラスと液晶の間に樹脂を充てんするオプティカルボンディング技術と表面の反射防止コーティングにより、反射率を86%抑えた(S2740Lとの比較)という。さらにディスプレイ下部には16ワット+16ワットのスピーカーも内蔵している。
このほか、115ミリの昇降機構、前方5度〜後方21度のチルト、スイベル、ピボットといった柔軟な調整機構も装備。画面分割や自動プリセットモードを持つ独自管理ツールのDisplay Managerや、翌営業日交換/プレミアムパネル保証(輝点ピクセル1つで無償交換)といったサポートは踏襲している。
一方、現時点で5K出力は環境を選ぶ。具体的には、Quadro K2000/K2200/K2000D/K4000/K4200/K5000/K5200/K6000搭載グラフィックスカード(ドライバはR344.11以上)を用い、2基のDisplay Portで入力する必要がある。AMD系グラフィックスカードやコンシューマー向けGPUへの対応も順次拡充予定としているが、各ベンダーのドライバの提供なども含め、見通しは不透明。なお、インタフェースは、Mini DisplayPort×1、DisplayPort×2、USB 3.0(アップストリーム)×2、USB 3.0×4(ダウンストリーム)、メディアカードリーダーが用意される。
主なスペックは以下を参照。
UP2715Kの主なスペック | |
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パネルタイプ | IPS |
ディスプレイサイズ | 27型 |
最大解像度/ppi | 5120×2880ピクセル/218ppi(60Hz) |
アスペクト比 | 16:9 |
輝度 | 50〜300カンデラ/平方メートル |
色域 | Adobe RGB 99%、sRGB 100% |
表示色 | 10億7400万色 |
コントラスト比 | 200万:1(ダイナミックコントラスト) |
視野角 | 上下178度/左右178度 |
応答速度 | 8ms(GtoG) |
本体サイズ | 637.3(幅)×204.5(奥行き)×427.6〜542.1(高さ)ミリ |
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