レビュー
» 2015年02月12日 15時00分 UPDATE

仕事で使うNAS 第1回:ビジネス向けNAS選びで注目したい8つのポイント (1/4)

家庭やSOHOで使っても便利なNAS。数十人規模以上の中小企業で使えばより活用の場も広がる。しかし、規模が大きくなればその分、意識しなければならないことも多くなる。今回はビジネス向けNASを選ぶうえで注目すべきポイントを紹介していこう。

[瓜生聖(撮影:矢野渉),ITmedia]

「AS7010-T」に見るビジネス向けNASのポイント

 ASUSTORのNASキット型番は、「AS」に加えて1〜2ケタのグレードと2ケタのベイ数、それにバリエーションを表すアルファベットからなる。AS2は個人〜家庭、AS3は家庭〜パワーユーザー、AS50はパワーユーザー〜ビジネス、AS51、AS6、AS70は中小規模法人向けとされる。

 下位モデルに搭載されるAtomから上位モデルのCore i3まで、すべてIntel x86系のプロセッサを搭載し、共通のOS「ADM」(ASUSTOR Data Master)上で動作するなど、モデル間の共通部分は多いが、パフォーマンスとベイ数による柔軟性の違い、それにコンポーネントの冗長性などが家庭用とビジネス用を分けるポイントとなる。

og_as7_001.jpg 3.5GHz駆動のCore i3と2GバイトのDDR3メモリを搭載する「AS70」シリーズ。AS7010Tはシリーズ最多の10ベイモデルだ。1ボリューム最大60テラバイトに達する(原稿執筆時点の互換性確認済みディスクで構築した場合)

 その中でも最上位機種となるのがCore i3(3.5GHz)、2Gバイトメモリを搭載する「AS70」シリーズの10ベイモデル「AS7010-T」だ。今回はAS7010-Tを中心に、企業に導入するNASを選ぶ際の8つの注目点を紹介する。

1、対応OS

 Net Applicationsの2014年12月のリポートによると、デスクトップOSのシェアはWindowsが91.45%、Macが7.21%、Linuxが1.3%となっている。ビジネス用途で考えると一般事務などではWindowsが高いシェアを占めているものの、音楽・映像・画像といったクリエイティブな業界ではMacの比率が高い。実際にコンテンツを作成するためだけでなく、Webサイトなどの動作確認用にMacを少数用意しているオフィスも珍しくない。

 そのようなオフィスではWindowsユーザからもMacユーザからも同じようにNASが利用できることが望ましい。Windowsのファイル共有プロトコルはSMBだが、Windows XPまではSMB1.0、Windows VistaではSMB2.0、Windows 7ではSMB2.1、Windows 8でSMB3.0、とバージョンアップを重ねている。下位バージョンのサポートも継続されているが、2015年中のリリースが予定されているWindows 10では、SMB1.0のサポートが削除されるという話も出ている。

 一方、Macのファイル共有プロトコルといえばAFPだったが、Mac OS X 10.9 MavericksからはSMB2がメインのファイル共有プロトコルとなった。これらのデスクトップOSが混在している環境を考えると、後方互換も含めて複数のプロトコルに対応したNASが望ましい。ASUSTORのASシリーズは現行Windows/Macで利用可能なSMB2.0、レガシーなMacのAFPをサポートするほか、VMware ESXiなどでも使用されるネットワークストレージプロトコルiSCSIも利用できる。

 そのほか、LinuxなどUNIX系OSで使用されるNFS、HTTP/HTTPSを拡張したWebDAV、ネットワークブートなどに利用されるTFTPも利用可能だ。

og_as7_002.jpg Mac用のプロトコルAFPも利用可能

2、ユーザー登録数/同時利用数

 法人でのNASの利用にあたっては、ネットワーク的にNASに接続できるクライアントからは誰でもゲスト利用できるオープンな共有ストレージとして運用することはほとんどない。通常は1ユーザー/1端末ごとに1アカウントを発行し、ユーザー認証を行ったうえでアクセス制御を行う。そのため、NASの利用者が多くなると、アカウント登録数も増加する。その際にアカウント数が上限に達してしまうと非常に運用がしづらくなる。

 例えば、利用頻度/ニーズが低いユーザーはアカウントを発行しないとしよう。そうなると社内全員で共有すべきドキュメントをNAS上で共有することができなくなる。仕方なくゲストアクセス可能な共有フォルダを作成し、そこを利用する。そうすると今度はそのフォルダに作成者不明なファイルが多数登録されていき、管理が破綻してしまう。複数人で1つのアカウントを使い回した場合も同様の問題が発生する。

 同時接続数が上限に達した場合もやっかいだ。出勤時刻前後など、アクセスが集中する時間帯には非常に処理が遅くなったり、アプリケーションに影響が出ることもある。この場合はより処理能力の高いモデルに入れ替えたり、NASを複数台導入して利用者を分割するなど、コストのかかるハード的な解決方法しかなくなる。

 ASシリーズは最大4096ユーザー、グループ数512、共有フォルダ512であり、仕様上ユーザー数/グループ数が上限に達することはほぼないと言ってよいだろう。最大並列接続数も512と、通常利用においては余裕があるはずだ。AS70シリーズではさらにユーザー数が16384に、最大並列接続数2048に拡大されている。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright© 2016 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.