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» 2015年04月10日 16時01分 UPDATE

本田雅一のクロスオーバーデジタル:「Apple Watch」はどれを選ぶべきか? どちらの手に巻くべきか? (1/3)

「Apple Watch」の店頭展示と試着、そして予約受付がついに始まった。全98パターンにおよぶケースとバンドの組み合わせから、何を選ぶべきか迷っている方も少なくないだろう。実機に触れた筆者だから分かる選び方のポイントを紹介しよう。

[本田雅一,ITmedia]

もしApple Watchを購入するならば

 このところ「Apple Watch」に絡んだ記事が多く、読者もいささか食傷気味かもしれない。記事を目にする頻度が高い一方で、実際にApple Watchを一定期間使用したというリポートはほとんどないからだ。

 PC USERでは、林信行氏が試用レビューを執筆しているが、日本で出回っている報道向けに評価が許された製品は2本だけらしく、それも致し方ないところだろう。筆者は報道向けのハンズオンイベントでApple Watchに触れたが、予約受付の開始にあたってアップルからのオリエンテーションは受けていない。一定期間使用して評価するチャンスがあるとしても、製品の出荷が近くなってからだろう。

 もっとも、店頭での展示と試着が始まり、4月24日の発売に向けて評価機も順に出回るため、今後は徐々に多様な方々のインプレッションが出回るはずだ。Apple Watchに注目している方は、それらをゆっくり見たうえで判断すればよいと思う。

 そんな中、Apple Watchの予約受付が始まった今日は、数あるApple Watchのラインアップ(ケースとバンドの組み合わせは全98パターン)からどれを選べばいいか迷っている方も少なくないだろう。ここでは「もしApple Watchを自分で買うならば」というロールプレイで話を進めていく。

tm_1504_applewatch_01.jpg ついに店頭での展示と試着が始まった「Apple Watch」。オンラインのApple Storeでは4月10日16時1分から予約注文を受け付けている。98通りものケースとバンドの組み合わせから、何を選ぶべきか……

Apple Watchを選ぶポイントは3点

 Apple Watchの市場導入はかなり慎重に行われており、筆者自身もコラムをいくつか書いているものの、情報は今日まで限られていた。とはいえ、幸いにもデモとハンズオンを体験でき、時計分野の専門ジャーナリストともApple Watchに関する情報を交換できたので、掲載日が予約注文できる初日ということもあって、少し変わったコラムにさせていただきたい。

 選ぶポイントはアルミ、ステンレス、ゴールドという外装の違い、ケースサイズ(38ミリと42ミリ)の違い、バンドの違いの大きく3点ある。

 まず素材だが、モデルによってはおおよそ200万円となる18金ケースの「Apple Watch Edition」は、さすがに筆者の視野には入ってこない。予算が合わないということもあるが、たとえ筆者が予算を気にせず、こうした製品を手に入れられる財力を持っていたとしても、手を出すことはない。

 冷間鍛造プロセスで作られた18金のApple Watch Editionは、確かに素晴らしい仕上がりで、実際に手にしてみると質感は高い。しかし、ここまで立派な18金仕上げのケースならば、中身(Apple Watchのエレクトロニクス部)が、将来、アップグレード可能であることを保証してもらわないことには、納得して使おうとは思わないからだ。

 すでにバッテリーの交換が可能なことが明らかになっているが、中身より外装の価値が高いApple Watch Editionならば、多少割高なアップグレード設定でも同じ個体を使いたいオーナーもいると思う。

tm_1504_applewatch_02.jpg イエローまたはローズの18金ケースとサファイアクリスタルの風防を採用した高級路線の「Apple Watch Edition」。価格は128万円からで、200万円を超えるモデルもある

 したがって、現実的にはアルミケースの「Apple Watch Sport」と、ステンレスケースの「Apple Watch」という選択肢になる。

 Apple Watch Sportの選択で悩ましいのは、標準で用意されているバンドの組み合わせが、エラストマー製のスポーツバンドしか用意されていないことだ。このスポーツバンドはシンプルで装着感も悪くないのだが、想像よりもコシがあり、装着にはちょっとしたコツが必要という印象を持った。こうしたポップな雰囲気の腕時計が欲しいのであれば、それで問題ないのだが、もう少し落ち着いた時計らしい外観が欲しいのであれば、選択肢はステンレスケースのApple Watchとなるだろう。

 そこには約2倍の価格差があるのだが、この時計を毎日、左腕に巻くのであれば、実にさまざまな場面で身に着けることになる。もちろん、バンドを好みのものに交換すればよいだけなのだが、新たにアップルが開発した7000番台のアルミ素材に酸化皮膜処理を行ったというApple Watch Sportのケースは、革や金属のバンドと組み合わせると少し違和感がある(この辺りは好みだが、筆者自身が買うならば……ということでご容赦いただきたい)。

 時計に詳しいジャーナリストによると、Apple Watch Sportに使われているアルミ合金、酸化皮膜処理は、かなり硬く、何らかの対策が行われている可能性もあるとのことだが、一方でこれまで人の汗に長期間耐えられるアルミ製の腕時計を作ったメーカーはないそうで、その点でやや疑問もある。

tm_1504_applewatch_03.jpg シルバーまたはスペースグレイの酸化皮膜処理されたアルミニウムケースと、強化されたIon-Xガラスの風防を備えた「Apple Watch Sport」。組み合わされるバンドは、エラストマー製のスポーツバンドに限られる。価格は4万2800円(税別)から

 「左手首」という場所を明け渡し、今持っている時計を今後は使わないという覚悟の元で買うのであれば、選ぶのは冷間鍛造されたステンレスケースを美しく機械磨きしたApple Watchだ。アップルもこの商品が主力となることを見越して、何ら説明なしのジャスト“Apple Watch”と名付けているのだと思う。

 多様なバンドが用意されているが、パソコンユーザーにおすすめなのは「レザーループ」だ。色は好みだが、私ならばネイビーブルー(ブライドブルー)を選ぶだろうか。このバンドのよい点は、ほぼ無段階で腕周りを調整し、マグネットでイージーに固定できる点。肌触りも皮革だけに素晴らしいが、さらにノートPCのパームレストに尾錠など金属パーツが干渉しない点が使いやすい。

 尾錠がないのは、金属を布のように編み上げた「ミラネーゼループ」と呼ばれるバンド(バンドの素材としては一般的だが、このような構造はApple Watchが初めてだろう)も同じで、金属バンドのほうが好みということであれば、こちらもいいと思う。予算に余裕があるならば、レザーループとミラネーゼループの両方を手に入れて、交換しながら使うのもいいかもしれない。

 なお、サイズに関しては意外にコンパクトだ。操作性や視認性の違いもあるので、男性ならば、42ミリを一度腕に巻いてみることをおすすめしたい。

tm_1504_applewatch_04.jpg ステンレススチールのケースにサファイアクリスタルの風防を合わせたスタンダードな「Apple Watch」。幅広いバンドから選べる。価格は6万6800円(税別)から
tm_1504_applewatch_05.jpg Apple Watchとネイビーブルー(ブライドブルー)のレザーループを組み合わせた例(左)。Apple Watchとミラネーゼループを組み合わせた例(右)。いずれも尾錠が飛び出しておらず、MacBookのパームレストにバンドの突起部がぶつかって、互いに傷をつけてしまうようなリスクが低そうだ
tm_1504_applewatch_06.jpg ケースのサイズは42ミリ(左)と38ミリ(右)の2種類がある。こちらも手に巻いて決めたいところだ
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