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「Surface 3」を2週間使って分かったこと――Surface Pro 3/新MacBookとの違いは?USモデル先行レビュー(2/5 ページ)

» 2015年05月24日 09時00分 公開
[ドリキンITmedia]

カタログスペックでは分からないSurface 3の実力

上からSurface 3、新しいMacBook、Surface Pro 3の順に重ねてみた。サイズを比べると、やはりSurface 3のコンパクトさは頭1つ抜けている

 外観だけ見てみると、単に画面サイズが小型化されたSurface Pro 3という印象なのですが、実際には「Pro」という文字がなくなっていることが表しているように、中身のスペックに関しては外観以上にSurface Pro 3との差があります。

 感覚的にはSurface Pro 3はタブレットにもなるノートPCでしたが、Surface 3はノートPCにもなるタブレットと捉えるとイメージしやすいかもしれません。

 Proシリーズには通常のノートPCで使われるIntelのCoreプロセッサが搭載されていて、Core i5/i7モデルを選べば通常のノートPCと比較してもパフォーマンス的に何ら遜色はありません。

 一方、Surface 3はIntelのAtom x7というタブレット向けプロセッサが搭載されています。Atomはもともとモバイルや組み込み向けの利用を想定したプロセッサで、低消費電力で稼働できる半面パフォーマンスはあまりよくなかったのですが、第3世代アーキテクチャのBay Trail(開発コード名)でパフォーマンスが向上して以降、Atomを搭載した8型Windows 8.1タブレットが人気となっています。

 Surface 3はそのAtomプロセッサの最新版であるCherry Trail(開発コード名)ことx7シリーズを搭載しているので、Windows 8.1を動作させるのにも十分なパフォーマンスが確保されています。ただ、やはりCore iシリーズのCPUパフォーマンスと比較すると明らかに処理速度が違います。

 Surface 3には搭載メモリが2Gバイトと4Gバイトのモデルが用意されていて、筆者が購入したSurface 3は4Gバイトのハイエンドモデルですが、Surface Pro 3に比べると全般的にもっさりとしている印象は否めません。

 Windowsストアアプリなどはタブレット向けにアプリが最適化されているので比較的処理が軽くできているものが多いですが、それでもネットワークからデータを取得している間などはアプリの反応が悪くなったり処理の重さを体感できます。例えば標準でインストールされているFlipboardアプリを利用すると、データの更新時はページをフリップしても画面が更新されなかったりします。

 同様にデスクトップでFirefoxブラウザでWebサイトを巡回するときなども、新規タブを開くときにワンテンポ遅いなという感覚があります。

 ただし、だからといってSurface 3が使い物にならないかというとそこが絶妙にバランスがよくて、ちょっともっさりしている感はあるものの、実際に耐えられないほど動作が遅くないというのがポイントです。

 データの読み込み時など特定のタイミングで遅さは感じるものの、一度読み込みが完了してしまえば、十分なスピードで動作するので、大抵の作業はSurface 3でこなせるでしょう。

 Surface 3だけをメインPCとして利用するにはちょっと厳しいかもしれませんが、メインPCを持っていて、サブPCとして移動先などでちょっとした作業に利用したいという目的なら問題のない処理速度だと思います。

 それ以上に魅力的なのは、やはりSurface 3のモバイル性能の高さです。このサイズ感で標準的なタブレット並にバッテリーが持ち、実用的な速度でWindowsアプリケーションが稼働するというバランスのよさは他のデバイスにはないSurface 3の最大の魅力だと思います。

 また、Surface Pro 3と比較したときにSurface 3はファンレス設計であるということも大きな利点です。Surface Pro 3は発熱が大きく、本体がかなり熱く、ファンノイズもかなり気になることが多いのですが、Surface 3においては発熱はまったくといって言いほど気になりませんし、ファンレスなのでファンの音はそもそも発生しません。

 読者の中には同時期に発売された新しいMacBookとの性能比較が気になっている方も多いかと思います。新しいMacBookもファンレンス設計で低消費電力のCore Mプロセッサを搭載していますが、パフォーマンスに関しては明らかに新しいMacBookのほうがよいです。新しいMacBookはあくまでも軽量化されたPCであって、タブレットではないので、Surface 3と比べるとワンランク上の処理速度を備えています。

 その半面、価格も3倍近くしますし、バッテリーの消費も大きいです。筆者の場合、新しいMacBookも購入して、購入直後は常に持ち運んでどこでも使えるPCだと喜んでいたのですが、Surface 3を手に入れてからは、本当に常に持ち歩くのはSurface 3、ちょっと気合いを入れて外で作業したいなというときは新しいMacBookと、Surface 3のほうが持ち運び率が高くなりました。

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