4K/5Kの新型iMacはどのくらい速くなった?大きいiMacとすごく大きいiMac(1/2 ページ)

» 2015年11月06日 07時00分 公開

 Appleの液晶一体型PC「iMac」をシステムパフォーマンスや液晶ディスプレイの品質、Windows 10環境下での性能、新しい入力デバイスの使い勝手など、様々な角度から評価していく。

 今回は4Kディスプレイを採用した21.5インチiMac(MK452J/A)と、5Kディスプレイを採用し、外部GPUにRadeon R9 M390(2Gバイト)を搭載する27インチiMac(MK472J/A)を取り上げた。

21.5インチと27インチの両モデルを評価していく

内部システムを刷新。21.5インチモデルは最新世代のCPUではないが……

 新型iMacの概要をおさらいすると、21.5インチ/27インチモデルともに、外観については従来から変更はない。ディスプレイ部のエッジを絞った薄く見えるデザインやゆるやかにカーブするアルミの外装は健在で、まるで部屋を飾る調度品のような美しさがある。

美しいカーブを描くアルミの外装と、厚さわずか5ミリまで絞り込まれたエッジ

 一方、21.5インチiMacではじめて4Kディスプレイ(4096×2304ピクセル)を採用したこと以外にも、内部システムの刷新をはじめ、ディスプレイの色域拡大(従来のsRGB相当よりも25%広いP3ベースの色域)など強化点は多い。後者は次回詳しく取り上げることにし、第1回ではOS X El Capitan(10.11.1)で実行したベンチマーク結果を簡単に見ていこう。

21.5インチモデルに4K(4096×2304ピクセル)の選択肢が登場

sRGB相当に比べて赤や緑の表現力が高いP3ベースの色域を持つという。視野角も広い

 まず、ここで取り上げた21.5インチiMac Retina 4Kディスプレイモデル(MK452J/A)は、CPUにCore i5-5675R(3.1GHz/最大3.6GHz)を搭載している。これは“Broadwell”の開発コード名で知られる第5世代Coreで、最新の第6世代ではないものの、2015年第2四半期に出荷が始まった比較的新しいCPUだ(Broadwell-KとSkylakeの投入タイミングが非常に近かったため“短命”なイメージがついたと言えるかもしれない)。

 同CPUは前世代のHaswellに比べて、グラフィックスの性能が大幅に向上したほか、動画処理性能なども引き上げられている。特に外部GPUを搭載しない21.5インチiMacでは、グラフィックス性能の強化は大きなポイントだろう。

 これに対して、27インチiMac Retina 5Kディスプレイモデルは第6世代Coreこと“Skylake”(開発コード名)を採用する。評価機のMK472J/Aは、CPUにCore i5-6500U(3.2GHz/最大3.6GHz)を搭載するミドルレンジモデルだ。内蔵グラフィックスはIntel HD Graphics 530だが、別途外部GPUとして強力なRadeon R9 M390(2GバイトGDDR5)を内蔵する。

 さて、CPU性能を測るCINEBENCH R11.5では、21.5インチのMK452J/Aが6.22(pt)だったのに対して、27インチのMK472J/Aが5.97(pt)と、一世代古いCPUを搭載する21.5インチモデルが上回る結果となった。

 また、CINEBENCH R15でも同様に、MK452J/Aの585(cb)に対して、MK472J/Aは549と、旧世代のCPUを採用する21.5インチモデルが上回っている。同じ4コア/4スレッド動作で、定格動作クロックやキャッシュ容量は最新世代のCore i5-6500Uのほうが上だが、CPU処理性能に限っていえば、21.5インチモデルは旧世代のCPUだから……と敬遠する必要はなさそうだ。

CINEBENCH R11.5(CPU)の結果

CINEBENCH R11.5(OpenGL)の結果

CINEBENCH R15(CPU)の結果

CINEBENCH R15(OpenGL)の結果

 なお、Haswell世代のCPUを搭載した旧21.5インチiMac(ME086J/A)と比べたCINEBENCH R11.5の結果は、20〜25%ほどCPUスコアが向上しており、Broadwell以降の世代で着実に処理性能がアップしていることが分かる。

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