日本の開発部隊が25年間情熱を注いだ“ThinkPad”の話をしよう――レノボ・ジャパン事業戦略説明会会場には懐かしすぎるモデルがズラリ(1/2 ページ)

» 2015年11月12日 06時00分 公開
[山口恵祐ITmedia]

 レノボ・ジャパンは11月11日、創立10周年を記念して事業説明会を開催した。日本の開発部隊によるThinkPadへの取り組みと今後の展開、さらにレノボ・ジャパンが掲げる「DREAM構想」を説明した。

ThinkPad 700C 初代「ThinkPad 700C」――全てはここから始まった

なぜ「ThinkPad」は日本で開発できたのか

レノボ・ジャパン取締役副社長の内藤在正氏 レノボ・ジャパン取締役副社長の内藤在正氏

 説明会の冒頭で取締役副社長の内藤在正氏が登壇し、ThinkPadが築いてきた歴史を解説。1980年代の後半に当時日本アイ・ビー・エムに属していたPC開発部隊は“ワールドワイド向けのPC展開に対して日本向けの製品を開発する”という方式から“ワールドワイド向けPCの中の1つを開発担当する”というものに変化したという。それがまさに「ThinkPad」であり、当時から現在に至るまで開発拠点は日本に置かれている。

 なぜ、日本の開発部隊がThinkPadの開発責任を得ることができたのか、内藤氏は「日本アイ・ビー・エムと国内の協力企業には、PCの構成から製造ラインまでの要素技術がほぼ全てそろっていた。これが1992年にThinkPad 700Cを生み出せた理由」と語る。

代替テキスト 日本アイ・ビー・エムと国内の協力企業の技術力によって、PCを開発する要素技術が日本に結集していた

 ThinkPadの開発コンセプトを語る上で次のようなエピソードも紹介された。「ある日、オーストラリアのユーザーから激しく壊れたThinkPadが送られてきた。当時のThinkPadは70万を超えていたため、ユーザーは自然と大事に扱ってくれるだろうと期待していたが、実際はそうではなかった。ユーザーに道具として大事に扱ってもらう製品ではなく、どのように使ってもストレスを感じない製品を作らなくてはいけないと方針を改める必要があった」(内藤氏)

エピソード 製品ではなく、製品の向こう側にいるユーザーを見て仕事をするという考え方に至った原点という

 「例えば、100Gの耐衝撃性を持った製品なら100Gまでの試験を行うのが一般的。しかし、ThinkPadは考え方を根本的に変えて、どこまで何をしたら壊れるかというテストを行い、さらなるレベルの向上を目指してきた。機械を見て開発するのではなく、機械の向こう側にいるユーザーを想定してモノを作るという文化がこの時に確立された」(内藤氏)

エピソード 日本アイ・ビー・エムの会長に「なぜ新しいThinkPadが出る度に、電源スイッチの場所を毎回探さなくてはいけないんだ?」と指摘され、操作方法やオプションの統一化を図るキッカケとなったというエピソードも明かされた

次はどんな製品が出る?

 レノボ・ジャパンが今後重点的に取り組むものとして、軽量、薄型、新デザインを可能にする機構設計や材料、加工技術、新しいユーザーエクスペリエンスを実現するディスプレイや新入力装置、ソフトウェア、さらに電源の小型化やバッテリーの高密度化、セキュリティ性能の向上などを挙げた。

 PCを構成するほぼ全てではないかというツッコミも聞こえてきそうだが、日本を発信基地とする開発部隊として、横浜と米沢からレノボ製PC全体のテクノロジー開発をけん引していきたいという(2011年にNECのPC事業部を統合したことで、NECの米沢工場でThinkPadの生産が開始されている)。

「ThinkPad 701c」 会場に展示されていた歴代のThinkPad。こちらは世界初の折り畳み式バタフライキーボードを搭載した「ThinkPad 701c」
「Palm Top PC 110」 当時、世界最小最軽量として話題になったA6サイズの「Palm Top PC 110」
「ThinkPad 550BJ」 A4インクジェットプリンタを内蔵しながら重量は3キロ、厚さ56ミリのノートPC「ThinkPad 550BJ」
「ThinkPad TransNote」 ノートPC部分とThinkScribeデジタルノートパッドと呼ばれる手書き入力部分で構成されたノートPC「ThinkPad TransNote」
「ThinkPad W700ds」 デュアルディスプレイノートPC「ThinkPad W700ds」

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