Lenovoは2016年6月9日(現時時間)、米カリフォルニア州サンフランシスコのシリコンバレーにて、製品発表イベント「Lenovo Tech World 2016」を開催した。2015年の同イベントは北京で開催していたが、今回は米Appleや米Microsoft、米Intelなど、多くのIT企業のお膝元であるシリコンバレーでイベントを開催することで、北米はもちろん、グローバルでの存在感をアピールするのが狙いだ。
熱気で埋め尽くされた会場には、世界中のプレスだけでなく多数のLenovoファンも招待された中、世界初となる「Project Tango」対応スマートフォン「Phab 2 Pro」をはじめとする新モデルや開発中のプロトタイプを発表した。
イベント冒頭、ステージにはLenovoのCEOであるヤン・ユアンチン(楊 元慶)氏が登壇し、その意気込みを次のように語った。「この2年間、モバイルやインフラ市場で買収を進めてきた。コアとなるPCビジネスを超えることを目指し、自分たちの自信を変化させてきた。今日はLenovoの展望と未来を分かち合う機会にしたい」(ヤン氏)
ヤン氏は続けて、Lenovoのアドバンテージはデバイスの開発力、そしてモバイル、クラウド、インフラとの連携だと語った。それらを駆使することで、Lenovoはユーザーのニーズに応えることができ、これからも新しいことに挑戦していく予定だという。
Lenovoがさまざまなデバイスを開発する中、追求したモノの1つが「スマートフォンの画面が割れない」というものだ。ステージ上には俳優のアシュトン・カッチャー氏が登場し、2メートル以上ある高所からスマートフォンを落としても壊れないというデモを行った。これがレノボの新型スマートフォン「Moto Z Force」だ。
独自の5層構造による強化ディスプレイ技術「Moto ShatterShield」を採用したスマートフォンで、先ほどのように数メートルの高さから本体を落下させても問題ない堅牢性が特徴だ。ステージ終了後の説明会では、「日常生活を前提とした落下なら破損はない」としている。
同社エンジニアのピーター・ホルテウンシウス氏は、YOGAシリーズのモバイルノートの例を出しながら、ヒンジ構造について「YOGAはラップトップでもあり、タブレットにもなります。ではヒンジをなくしたらどうでしょうか」と言いながら披露したのが、曲がる液晶ディスプレイを採用したコンセプトモデル「C PLUS」だ。10カ所以上の可動部を備えており、スティック状のボディが一転してリストバンドのようなフォルムに変形する。
ピーター氏が壇上から声を掛けた先には、米国で人気の女性YouTuberが座っており、掛け合いをする中で画面が点灯している「C PLUS」をぱっと腕に巻き付けるデモを行った。手が空いていないときはリストバンドのよう装着できるというわけだ。
ピーター氏は、このウルトラフレキシブルディスプレイを実現するためにはディスプレイ以外の部品も全てこの動きに対応する必要性があると力説した。ただし、この構造はレノボのイノベーションの1つではあるが、本当のイノベーションはこのデバイスを使って人が何をするかということにあるという。
また、世界最大のPCメーカーである立場ながら、CEOのヤン氏は「パーソナルコンピューティングは廃れてきている」と明言した。「新しい時代はコネクティビティが重要であり、Lenovoもその領域に挑戦していく。これからのLenovoが考えているのは、ユーザーの目的に対して自然言語でアプローチできるインテリジェンスなデバイスだ。これを実現するために、継続的に各機能でイノベーションを起こしていく」とコメントしている。
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