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» 2016年08月29日 15時14分 UPDATE

破損に備えて予めデータの複製を行います!:故郷の両親に5TB(1TB+4TBクラウド)のHDDを! ASUSTORで作るプライベートクラウド (1/5)

更新料金が不要なプライベートクラウドストレージを構築しよう。

[瓜生聖,ITmedia]

ASUSTOR NASで構築するプライベートクラウド

 いまやタブレットやスマートフォン、PCなどスマートデバイスの普及率は非常に高くなっている。かつてビデオデッキの予約録画ができなかった人でも、今ではスマートフォンを持っていることは珍しくない。ユーザーインタフェースの革新がもたらしたユーザー体験はスマートデバイスのコモディティ化を一気に推し進めた。

 とはいうものの、「誰でも直感的に使える」ユーザーインタフェースが解消してくれたのはデジタルデバイドの一面にすぎない。ITリテラシーが低くても利用できる、楽しめる、という進化が進んだ結果、高齢者などのいわゆる情報弱者を「カモ」にする詐欺まがいのビジネスが成立しやすい環境になってしまっている。

 例えば、量販店の店頭でポータブル外付けHDDの商品ポップに「5TB 8500円」と記載されていた場合、それなりの知識がある人であれば一目で「相場と比較してバイト単価が安い」「容量が半端」という違和感を覚えるだろう。

 そして「1TB+4TBクラウド」という小さな文字を見つけて「HDD容量は1TBじゃねーか!」と突っ込むはずだ。これはあやしい、よくよく注意して見なければ、と思って見始めると、さらに小さな文字で書かれた「購入月を含む12カ月間ご利用いただけます。以降は年額1万3000円(税別)の更新料金でご利用いただけます」に気づき、「買い切りじゃねーのかよ!」「2年目以降の方が高えじゃねーか!」「っていうか、そっちがメインだろ!」「全力で情弱を食い物にしてきてるよね」と憤りすら感じるかもしれない。

NASでプライベートクラウドを構築し、故郷の両親と孫の写真を共有しよう

 もちろん、これは仮定の話なので、そんな悪質な販売をやっている店がこの日本にあるわけない、と一笑に付されるかもしれない。だが、そういう人は今一度、「自分が知らないだけで、そういう店は存在するのかもしれない」と思って、自分自身が被害に遭う、もしくはすでに遭っている可能性を考えてみてもらいたい。そのような悪質な店がもし存在したとしても、それを「おかしい」と気づくことができる知識を持った人が利用客の中におらず、発覚しない可能性もあるのだ。

 あくまでも例え話が続くが、その店が解約に際して法外な解約金を請求してくるなど、ITリテラシーに関係なく「ちょっとこれおかしいんじゃないの?」と思われるようなことがあれば、その悪どい商法が発覚することもあるかもしれない。だが、その契約内容に家族が気づかなければ、法外な解約金を求められなければ、その際に店側が誠実な対応をとっていれば、表面化しない話なのかもしれないのだ。故郷の年老いた両親が知らない間にそうしたビジネスの食い物にされている可能性は否定できない。

 そうなる前に、更新料金不要、災害対策もばっちりなプライベートクラウドストレージをASUSTORで構築し、田舎の両親に贈ってみてはいかがだろうか。

 ASUSTOR NASにはプライベートクラウドを簡単に構築する機能がある。インターネットなどのネットワークを介してコンピュータのリソースやアプリケーション、サービスを利用できるようにしたものをクラウドコンピューティングと呼ぶが、その中でもデータセンタ事業者などが一般の利用者に広く提供するものをパブリッククラウド、企業などが自社内で利用するために構築したものをプライベートクラウドと呼んでいる。

 ASUSTOR NASのプライベートクラウドは、ざっくり言うと自宅に導入したASUSTOR NASをインターネット経由で利用できるようにするもの。その設定は大きく三つに分類できる。

  1. インターネット経由で利用できるサービスを導入、起動する
  2. サービスをインターネット経由で利用できるよう、ネットワークを設定する
  3. ASUSTOR NASをインターネット経由で特定できるようにする

 順に見ていくことにしよう。

1、インターネット経由で利用できるサービスの導入、起動

 一口に「利用できる」と言っても、ASUSTOR NASは豊富な機能を持っている。その中でも代表的かつ基本的な機能であるファイルサーバ機能はWindowsファイル共有の仕組みを利用している。しかし、Windowsファイル共有はあくまでローカルエリアネットワークでの利用が前提であり、これをそのままインターネット経由で利用するのは自宅をオープンハウスにするような危険なものだ。

 そのため、インターネット経由での利用を想定した別のサービスを利用することになる。サービスが別とはいっても、ストレージとしては共通なので「同じファイル群を別の見せ方で操作できるようにする」ようなものが多い。

 それでは使うサービスを選んでいこう。ASUSTOR NASには標準サービスのほか、App Centralから追加できる拡張機能もある。「どこからでも」利用するためにはスマートフォンやタブレットからも利用できるかどうかを基準に考えるとよいだろう。ASUSTORから提供されているAndroid/iOS用の主要なアプリは次の通りだ。

  • AiVideos(対応サービス:LooksGood)

 動画のブラウズ・再生用クライアント。

LooksGoodはマルチメディアプレーヤー。

LooksGoodの解像度変換機能はスマートフォン用クライアントAiVideosからも利用できる

AiVideosはLooksGoodのクライアントとして動作する

  • AiFoto(対応サービス:Photo Gallery)

 写真のブラウズ・閲覧。カメラで撮影した画像のアップロードもできる。

Photo Galleryはメディアプレイヤカテゴリにある画像プレーヤー

AiFotoは一般的なスマートフォンのアルバムアプリと同様の操作が可能

  • AiMusic(対応サービス:SoundsGood)
SoundsGoodはメディアプレイヤカテゴリにある音楽プレーヤー

USBスピーカーが接続されていればASUSTOR NAS単体でジュークボックスとして利用できる

スマートフォン用クライアントAiMusicはオフラインでも利用可能

音楽・音声用クライアント

  • AiData(対応サービス:ADM Web Service)

 ファイルサーバ機能のクライアント。ファイルやフォルダへの直接的なアクセスが可能なので、これがあれば権限上アクセス可能なファイルにはすべて利用できる。ただし、PC未経験者など、ファイル/フォルダの概念を理解していない人には難しいかもしれない。

  • AiMaster

 ASUSTOR NASの管理画面。一般利用者には不要だが、遠隔から(自分が)メンテナンスすることが想定される場合にはあると便利。

AiMasterでスマートフォンからASUSTOR NASの管理ができる

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