4コアCPU+240GB SSD搭載モバイルノートが4万4800円!? いろんな意味で大丈夫か?破格の11.6型モバイルPC(1/2 ページ)

» 2016年09月30日 14時00分 公開
[前園宏ITmedia]
ココが「○」
・持ち運べる11.6型モバイルPC
・税別4万4800円
・240GB SSDを搭載
ココが「×」
・クアッドコア(Celeron)
・ボディーがやや厚い

コスパ抜群のモバイルノート「LB-C240X2-SSD2」

4コア、240GB SSD、実売5万円切りをうたう「LB-C240X2-SSD2」

 クアッドコアCPUと240GB SSDを搭載する11.6型モバイルノートPCが税別4万4800円で販売されている、と聞いたら、PC USER読者の多くは「安い」という印象を抱くはずだ。もちろん、この価格設定にはいくつか理由がある。

 まず一つは、マウスコンピューターのオータムセールキャンペーン対象製品として、通常4万7800円(税別)のところ、3000円値引きされていること。とはいえ、それでも「4コア+SSDのモバイルPC」ならかなり安い。

 ここで興味を引かれた読者は製品情報を見るだろう。そして詳細なスペックを見て二つ目の理由に気づく。なんだCeleronじゃねーか!

 そう、この製品のCPUはBraswell(開発コード名)で知られるSoC(System On Chip)タイプのCeleron N3160。同じ14ナノプロセスルールで製造されるCherry Trail(Surface 3などで採用されるAtom x7/x5 Z8000シリーズ)よりも拡張性が高い半面、省電力性能ではやや劣る、いわゆる低価格ノート向けCPUだ。ベースクロックが1.6GHz、バーストクロックが2.24GHzの4コア/4スレッドで動作し、L2キャッシュは2MB、TDPは6W(SDP 4W)。

CPU-Z(左)とGPU-Z(右)の画面

 「Celeronかぁ、CPU性能もそれなりなんだろうな」と考えたところで、税込み5万円切りが妥当な価格に見えてくる。あるいは斜に構えた人なら「4コア、SSD、5万円切りモバイルの売り文句で“釣る”ために作った構成じゃないの」とうがった見方をするかもしれない。

 筆者も多くの読者と同じように、4コア+SSDで5万円切りをうたう「LB-C240X2-SSD2」を最初に見たとき、そんな価格で売って大丈夫か? と鼻息を荒くした期待感が一転、そんなスペックで大丈夫か? という不安感に変わった。ただ、そうした点を差し引いても、お手頃価格のモバイルノートであることは間違いない。

 例えば、ほぼ1年前に似たような構成で販売されていた「LuvBook C」シリーズは、ステッピングが新しくなる前のCeleron N3150(1.6GHz/最大2.08GHz)を採用し、8GBメモリと120GB SSDを搭載した構成(LB-C240S-SSD)で税込み5万7024円だった。ここで取り上げたLB-C240X2-SSD2は、N3160に変わったことでバーストクロックとグラフィックス性能(HD Graphics→HD Graphics 400)をアップさせつつ、SSD容量を240GBに増量したうえで税込み4万8384と9000円近く安い。

マウスコンピューターのキャンペーンページ。確かに安いが……

 CPUがCeleronとはいえ、テキスト入力やWeb閲覧が主な用途で、タブレットよりも汎用性が高いクラムシェルタイプのノートPCが欲しいと考えてる人にとって、LB-C240X2-SSD2は要注目のモバイルPCといえる。そこで実際の使用感を確かめてみた。

光沢仕上げのディスプレイとアイソレーションタイプのキーボード

 液晶ディスプレイは11.6型サイズで、解像度が1366×768ピクセルと低価格なノートPCでは一般的な仕様。高画素密度化が進むモバイルデバイスのディスプレイを見慣れた人にはやや物足りないが、画面サイズが小さいこともあり、例えば15.6型1366×768ピクセルのノートなどに比べればまったく気にならない。

 パネル表面は光沢タイプで、コントラストが高く写真などが色鮮やかに表示される。半面、外光の映り込みは気になりやすく、低反射処理もほとんど効いてない印象を受けた。視野角は、左右は広めだが上下が狭い。とはいえ、ユーザーの目と画面がほぼ正対するモバイルPCなので視野角の狭さはあまり影響がないだろう。ただ、ディスプレイ部のヒンジが180度開く構造ではないので、飛行機のシートなど狭い環境でヒザの上に置いて使う場合は、上下の視野角の狭さもあってやや窮屈な姿勢になるかもしれない。

11.6型(1366×768ピクセル)の液晶ディスプレイ

液晶ディスプレイはグレアパネルで映り込みやすい

 キーボードは6段配列のアイソレーションタイプだ。キーピッチは約18mm×17mmでストロークは約1.5mm。主要キーのキートップは約14mm正方でそろえている。カーソルキー左の「ろ」と「め」が変則的なサイズで、エンターキーもやや狭いがテキスト入力で使いづらさは感じなかった。キーボード裏の剛性感があり、かなり強めにタイピングしても全体がたわんだりもしない。しっかりとしたタッチ感でタブレットのキーボードカバーなどに比べると非常に打ちやすい。

 タッチパッドの入力域は横85mm×縦45mmで、モバイルPCとしては不満のない広さ。ただ、一体型のクリックボタンはクリック感がやや浅く、個人的にも左右独立式が好みなので、少し押しづらいと感じた。なお、スクロールやズーム、回転などのジェスチャー機能は利用できる。

6段配列のキーボード。強めにタイピングしてもキーボードユニットがたわんだりせず、しっかりとキーを押下できる。左右一体型のクリックボタンはストロークが浅い

モバイルPCとして十分なインタフェース

 インタフェースは、左側面手前からヘッドフォン、マイク、USB 3.0、HDMI出力、アナログRGB、右側面手前からUSB 2.0×2、SDXC対応SDメモリーカードスロット、ギガビットLANが並ぶ。モバイルPCとしては十分な内容だ。

 液晶上部には100万画素のWebカメラも内蔵し、ビデオチャットなどに利用できるほか、IEEE802.11ac/b/g/n対応無線LANとBluetooth V4.2+LEも標準で装備する。以前のIEEE802.11b/g/n対応無線LANとBluetooth V4.0+LEのモジュールが上記に変更されており、この点でも細かくアップデートされている。

本体左側面

本体右側面

バッテリーは駆動時間は公称約6.1時間。11.1V/2700mAhのバッテリーを搭載

ボディのサイズは、約292.4(幅)×210.5(奥行き)×22.7(高さ)ミリ。重量はスペックシートによると公称約1.3kgとなっているが、実測では1.03kg。記載ミスなのか、実測ではかなり軽い

ACアダプタは小型で電源ケーブル込みでも実測211g。前モデルでは3ピンタイプの電源ケーブルを使用していたが、2ピンタイプに改良された。カバンに入れても気にならないサイズと重量だ
マウスコンピューター/G-Tune

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