ブラザー販売は1月19日、インクジェットプリンター「PRIVIO」の新製品として、A3対応ビジネス複合機3モデルを発表、2月上旬より発売する。
ブラザー初の全色顔料ベースインク採用モデルで、ビジネス文書の印字品質や耐久性を向上させているのが特徴。また、プリントボリュームの大きなビジネス現場に訴求するため、1枚あたりの印刷コストをカラー4円、モノクロ0.9円に引き下げたほか、大容量カートリッジの採用によりA4カラーで約1500枚、A4モノクロで約3000枚の印刷が可能となっている。
発表会ではブラザー販売代表取締役社長の三島氏が登壇し、ビジネスインクジェットプリンターの市場戦略を説明した。2008年にブラザーが創出したA3ビジネス複合機でのインクジェットという選択肢は、2011年までに競合他社の参入もあって市場規模が2倍に拡大したものの、2013年を境に成長が鈍化、2014年以降の販売台数は11万台から12万台の規模で推移している。
一方、コピー機ベースのA3ビジネス複合機市場は、レーザー複合機の推測稼働台数が約369万台と依然として大きい。このうち、同社が実施したアンケートによれば、「インクジェットを選ばなかった理由」として、ランニングコストや印刷スピード、耐久性、画質などを挙げる回答が多く、この部分を払拭することで「369万台のうち2.8%は、使用頻度や印刷枚数でオーバースペックなコピー機よりもA3インクジェットがマッチする新規開拓層になる」(三島氏)と説明する。
山田氏は、ビジネス品質を向上した新モデルによって、よりプリントボリュームの大きなビジネス現場に訴求し、SOHOユーザーからSMBまで拡大して市場開拓の動きを加速させるとした。
続いて新製品の概要はブラザー販売マーケティング推進部長の伊藤氏が解説した。約3年ぶりのフルモデルチェンジとなる新モデルでは全色顔料ベースにインクを刷新。印字がにじみにくく、ビジネス文書の文字やグラフを鮮明に印刷できるように改良した。
また、プリントボリュームの大きな層に向けて耐久性を向上。装置寿命は従来機種の約1.5倍となる約15万ページを達成している。「月に2500枚印刷しても5年間は持つ耐久性だ」(伊藤氏)。さらに、少量印刷を頻繁に行う用途を想定してファーストプリントも短縮。カラーは約9.5秒から約6秒へ、モノクロは約9秒から約5.5秒と大幅にアップし、印刷時のストレスを軽減している。
このほか、本体設計を上段トレイ250枚、下段トレイ250枚、背面手差し100枚(従来1枚)の3WAY給紙に改良、さらに前面コントロールパネルの物理キーを復活させ、シンプルかつ簡単に扱えるようにしたという。細かいところでは、トレイ指定を不要にする原稿サイズ自動検知機能(MFC-J6995のみ)や、原稿取り忘れ機能なども加わっている。
予想実売価格は、MFC-J6995CDWが6万5000円前後、MFC-J6989CDWが5万円前後、MFC-J6580CDWが4万円前後。年間販売目標台数はA3ビジネスインクジェットプリンター合計で約8万台。なお、各モデルの詳細は、ブラザー、ビジネス文書に適した全色顔料インクを採用するA3インクジェット複合機3機種を参照。
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