AIを利用した音声翻訳デバイス「ロゼッタストーン ポケット」年内登場

» 2017年04月26日 19時50分 公開
[後藤治ITmedia]

 第一言語に限らず、あらゆる国の人々と意思疎通を図れる自動翻訳機――かつてはSF小説の小道具だったデバイスが、CPUの高性能化やネットワークインフラの整備、従来の統計的手法を超えたAIの活用によって現実になりつつある。

自動翻訳機「ロゼッタストーン ポケット」のイメージ

 4月26日、ソースネクストは語学学習ソフトで知られるロゼッタストーンの日本法人を完全子会社化したことに伴い、その親会社であるRosetta Stone Ltd.のCEOと共同記者発表を行った。

 その会見の場で、ソースネクスト代表取締役社長の松田氏は「AIを活用した自動翻訳機の年内投入」を発表している。学習ソフトのロゼッタストーンブランドで(他言語学習を不要にする可能性がある)自動翻訳デバイスとはやや皮肉めいているが、言語学習の支援と同様に「言葉の壁をなくすというミッション」の達成に向けて、新デバイスである「ロゼッタストーン ポケット」も重要な一歩になると松田社長は説明する。

ロゼッタストーンのメイン画面

 ただし、同会見ではロゼッタストーン ポケットの詳細は語られず、発売時期(2017年内予定)と、それが単機能のハードウェアであることが明らかになった程度。この分野は、AIの利用によってMicrosoft TranslatorやGoogle Translateが飛躍的に翻訳精度を向上させつつあり、国立研究開発法人のNICT(情報通信研究機構)も他言語翻訳エンジンと音声翻訳アプリの開発を行っているほか、単機能デバイスではili(イリー)がよく知られている。

ソースネクスト代表取締役社長の松田憲幸氏(写真=左)とLosetta Stone Ltd.のJohn Hass CEO(写真=右)

 ロゼッタストーン ポケットはどのような製品になるのか。明らかにできる範囲でもう少し突っ込んだ質問に答えてもらった。

―― すでに動いているプロトタイプを見ることはできますか?

松田 動作し検証している段階だが量産試作機レベルではない。デザインもまだ決定していない。

―― CPUやOSはなんですか?

松田 CPUはまだいろいろなものを試している段階だ。OSはAndroidベースになる。

―― デュアルマイクやノイズキャンセリング機能などは?

松田 ハードウェアをどう組み合わせるかの詳細はまだ決定していない。製品の特性上、場所を選ばずに使えるようにしたいとは考えている。

―― 本体の大きさ、重さ、デザインはどのようにイメージしていますか?

松田 少なくともスマートフォンよりは小さく、軽くする。デザインはロゼッタストーンのロゴになっている青い石のようなものを考えている。ペンダントサイズにできればいいが、バッテリーとの兼ね合いもある……ili(イリー)くらいだろうか。デザインもこれから決まる。

大きさはスマホよりも小さくなる予定

ロゼッタストーンのロゴに使われているデザインになる……?

―― ネットワーク通信機能は?

松田 無線LANへの対応を予定している LTEに対応したSIMスロットは検討段階だ。

―― つまり翻訳エンジンはクラウド側ですか? スタンドアロンでの利用は?

松田 両方に対応する。オンラインで利用すれば翻訳精度が高くなり、海外旅行などでネットワーク環境がない場所でもスタンドアロンで動作する仕組みだ。

―― 音声認識の部分で、話者の発音や発声を学習する機能はありますか? また、会社の備品として購入し、複数の人で使うときのためのプロファイルの保持機能は?

松田 キャリブレーションは考えていない。起動してすぐに使えるモノにするため、音声認識は汎用性の高いものになる。極端な訛りがなければ誰でも使える。

―― どの程度の翻訳精度になる予定ですか? 日常や旅行での会話、あるいはビジネスでも使えるレベルなのでしょうか。

松田 旅行で使うシーンが最も多いと思うのでそこはもちろんカバーするが、それ以上のものを目指している。ただ、(デバイスを通した音声で)女性を口説いたりするのには不向きかもしれない(笑)

―― スマホで使える自動翻訳ソリューションと比べたときの優位点は?

松田 単機能であることの分かりやすさだ。アプリをインストールし、サービスの認証を行い、多機能なスマホを使いこなせる人だけが利用できるのではなく、ボタンを押して話すだけで使える。電子書籍ビューワーに特化したKindleのように、誰でも使えることが最大の価値だ。

―― ロゼッタストーンのようにワールドワイドで販売されますか?

松田 この製品はソースネクスト主導で日本市場向けに開発している。まずは日本で販売する。

―― おおよその価格はどれくらいをイメージしていますか?

松田 2万円を超えない価格で販売したい。iliは月額課金(3980円/1ライセンス)だが、従量課金は考えていない。

―― 発表会では2020年までにロゼッタストーン(ソフト)の国内売り上げを100億円に伸ばすと話していましたが、その一方で、音声翻訳機のロゼッタストーン ポケットを発売することについてどう考えていますか? つまり、私は今すぐ外国語の勉強をやめて製品が発売されるのを待つべきでしょうか。

松田 自動翻訳機があることで言語の学習をしなくていい、というのではなく、自動翻訳機は学習にとっても有用なツールになると思っている。例えば、これは英語で何と表現するのだろう、というときにロゼッタストーン ポケットがあればそれがすぐに分かる。結果、学習する人も増えるのではないか。また、(ロゼッタストーンで)他言語学習者を支援することと、(ロゼッタストーン ポケットで)学習しなくても会話ができることは、「言葉の壁をなくす」というスローガンを掲げる私たちにとってはどちらも重要なアプローチだ。ロゼッタストーン ポケットは、そのミッション実現に向けた第一歩として位置付けている。

他言語学習用ソフト「ロゼッタストーン」は、先着30万本限定で2万7593円のところ4980円で販売されている(税別)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年03月14日 更新
  1. きょう発売の「MacBook Neo」、もうAmazonで割安に (2026年03月11日)
  2. 新品は絶滅、中古は高騰──「令和にMDを聞きたい」と願った筆者が、理想の再生環境を整えるまでの一部始終 (2026年03月13日)
  3. M5 Max搭載「14インチMacBook Pro」がワークステーションを過去にする 80万円超の“最強”モバイル AI PCを試す (2026年03月13日)
  4. セールで買った日本HPの約990gノートPC「Pavilion Aero 13-bg」が想像以上に良かったので紹介したい (2026年03月11日)
  5. 12機能を凝縮したモニタースタンド型の「Anker 675 USB-C ドッキングステーション」が27%オフの2万3990円に (2026年03月11日)
  6. 3万円超でも納得の完成度 VIA対応の薄型メカニカルキーボード「AirOne Pro」を試す キータッチと携帯性を妥協したくない人向け (2026年03月12日)
  7. ワコム上位機に肉薄? 10万円で18.4型4K! 高コスパ液タブ「GAOMON Pro 19」の長所と弱点 (2026年03月13日)
  8. 「MacBook Neo」を試して分かった10万円切りの衝撃! ただの“安いMac”ではなく絶妙な引き算で生まれた1台 (2026年03月10日)
  9. 高音質・良好な装着感・バッテリー交換式――JBLのフラッグシップ「Quantum 950 WIRELESS」は妥協なきヘッドセットか (2026年03月12日)
  10. 10万円切りMacが17年ぶりに復活! 実機を試して分かったAppleが仕掛ける「MacBook Neo」の実力 (2026年03月10日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年