10月17日に配信が始まったWindows 10のFall Creators Updateについて、翌18日に日本マイクロソフトが説明会を実施。改善・強化機能の概要や新機能の実演、PCメーカー5社によるWindows Mixed Reality対応HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の展示が行われた。
今回のFall Creators Updateは、2015年7月にリリースされたWindows 10から数えて、同年のNovember Update、2016年のAnniversary Update、2017年のCreators Updateに続く、4回目の大型アップデートになる。
頻繁に連絡を取る人をタスクバーに登録しておける「My People」や視線によるPC制御インタフェースのOS標準搭載、ランサムウェア対策といった基本機能の向上に加えて、手軽に3D効果を加えられるフォト、Mixed Realityビューワー、iOS版やAndroid版もリリースされたMicrosoft Edgeブラウザなど、進化ポイントは多岐に渡る。
説明会ではデモを交えながら特徴的な新機能が紹介された。
特に今回のアップデートで注目したいのは、これまで同社がMicrosoft Hololensで提供してきたWindows Mixed Realityの機能を、Windows 10の標準機能として一般ユーザーが利用できるようになった点だ。
ハードウェア側の要求スペックも従来に比べるとかなり低く、CPUはCore i5-7200U以上、グラフィックスは内蔵のHD Graphics 620以上と一般的なノートPCでも利用できる水準に抑えられている(同社によれば現在販売されている40%のPCが要件を満たすとしている)。なお、自分のPCが動作条件を満たしているか確認できる診断ソフト「Windows Mixed Reality PC Check」を無料で利用できる。
一方、Windows Mixed Realityに対応したHMDは、現時点でDell、HP、Acer、Lenovo、富士通が国内投入を発表、一部メーカーは秋冬モデルとして投入するPCとのセット販売も予定している。また、Winows StoreにMixed Realityコーナーが設置され、40点(執筆時点)ほどのMR系アプリをすぐに体験できる。Hololens投入から約18カ月間は、一部の開発者や建築・製造現場などに活用シーンが限定されていたが、Windows 10での標準提供と低価格なサードパーティ製HMDにより、ユーザーの拡大が期待できそうだ。
日本マイクロソフトは協業メーカーと共同で、全国の量販店約400カ所にWindows Mixed Realityを体験できるスペースを設置するという。これは世界的に見てもかなりの数に上り、国内でのAR/VR市場形成にかける同社の本気度がうかがえる。なお、今回PCメーカー各社から登場した安価なHMDは、独立して動作するMicrosoft Hololensとは異なり、PCとの接続を必要とするタイプだが、こうした接続型のHMDをMicrosoftが「自社で提供する予定は(現時点では)ない」としている。
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