5分で分かるWindows 10 Fall Creators Updateのポイント

» 2017年10月19日 06時00分 公開
[ITmedia]

 10月17日に配信が始まったWindows 10のFall Creators Updateについて、翌18日に日本マイクロソフトが説明会を実施。改善・強化機能の概要や新機能の実演、PCメーカー5社によるWindows Mixed Reality対応HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の展示が行われた。

PCメーカー5社から国内発売が決まっているWindows Mixed Reality対応HMD

 今回のFall Creators Updateは、2015年7月にリリースされたWindows 10から数えて、同年のNovember Update、2016年のAnniversary Update、2017年のCreators Updateに続く、4回目の大型アップデートになる。

 頻繁に連絡を取る人をタスクバーに登録しておける「My People」や視線によるPC制御インタフェースのOS標準搭載、ランサムウェア対策といった基本機能の向上に加えて、手軽に3D効果を加えられるフォト、Mixed Realityビューワー、iOS版やAndroid版もリリースされたMicrosoft Edgeブラウザなど、進化ポイントは多岐に渡る。

Fall Creators Updateの改善点

 説明会ではデモを交えながら特徴的な新機能が紹介された。

動画に3Dエフェクトを付加するデモ。テニスボールに炎のエフェクトが追従し、ネットに当たって爆発する、といった効果を簡単につけられる

昨今流行しているランサムウェア(特定のフォルダを暗号化して身代金を要求するマルウェア)に対応するため、フォルダ毎にセキュリティを設定して保護する「コントロールされたフォルダアクセス」が可能になった

Remix3D.comサイトから公開されているSurface Hubの3Dデータをダウンロードして、「Mixed Realityビューアー」を使い、PCのカメラで撮影しているリアルタイムの映像に重ね合わせて表示するデモ

法人向けには標的型攻撃への対応などセキュリティの機能強化が目立つ

国内向けに新フォント「UDデジタル教科書体」が追加された

「読みやすい日本語を届ける」(日本マイクロソフト)という意図で、視認性が高く、正しい書き順が分かる「UDデジタル教科書体」を標準搭載した

 特に今回のアップデートで注目したいのは、これまで同社がMicrosoft Hololensで提供してきたWindows Mixed Realityの機能を、Windows 10の標準機能として一般ユーザーが利用できるようになった点だ。

巨人と戦う一人称アクション「TITAN SLAYER」を実演する日本マイクロソフトWindows&デバイス本部長の三上智子氏

 ハードウェア側の要求スペックも従来に比べるとかなり低く、CPUはCore i5-7200U以上、グラフィックスは内蔵のHD Graphics 620以上と一般的なノートPCでも利用できる水準に抑えられている(同社によれば現在販売されている40%のPCが要件を満たすとしている)。なお、自分のPCが動作条件を満たしているか確認できる診断ソフト「Windows Mixed Reality PC Check」を無料で利用できる。

Windows Mixed Realityの要求スペック

 一方、Windows Mixed Realityに対応したHMDは、現時点でDell、HP、Acer、Lenovo、富士通が国内投入を発表、一部メーカーは秋冬モデルとして投入するPCとのセット販売も予定している。また、Winows StoreにMixed Realityコーナーが設置され、40点(執筆時点)ほどのMR系アプリをすぐに体験できる。Hololens投入から約18カ月間は、一部の開発者や建築・製造現場などに活用シーンが限定されていたが、Windows 10での標準提供と低価格なサードパーティ製HMDにより、ユーザーの拡大が期待できそうだ。

ヘッドマウントディスプレイはDell、HP、Acer、Lenovo、富士通が国内向けに発売を予定している

 日本マイクロソフトは協業メーカーと共同で、全国の量販店約400カ所にWindows Mixed Realityを体験できるスペースを設置するという。これは世界的に見てもかなりの数に上り、国内でのAR/VR市場形成にかける同社の本気度がうかがえる。なお、今回PCメーカー各社から登場した安価なHMDは、独立して動作するMicrosoft Hololensとは異なり、PCとの接続を必要とするタイプだが、こうした接続型のHMDをMicrosoftが「自社で提供する予定は(現時点では)ない」としている。

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