携帯キャリアの料金プランはなぜ分かりづらいのか(1/2 ページ)

» 2017年11月07日 06時00分 公開
[らいらITmedia]

 iPhone Xがほしいと思い、せっかくなのでキャリアの料金プランをまとめて記事化しようと試みてはや数日。

「わからん、さっぱりわからん」


 利用者の使い方をパターン化して表にまとめようにも、注釈だけで記事が埋まりそうな勢いです。前提条件が違いすぎて、キャリアの料金比較をすること自体がナンセンスに思えてきました。

各社サイトでは、料金プランを解説したり、シミュレータによって概算を出せるようになっていたりと工夫がこらされていますが……

 ケータイの料金プランは、なぜこんなにも複雑で分かりづらいのでしょうか? 素朴すぎる疑問ですが、3大キャリアに質問したところ、以下の回答が寄せられました。

ドコモ 「お客さまのご要望・ご利用状況を踏まえ、よりお客さまのニーズに合った料金プランの多様化を進めてきたためです」

KDDI 「お客さまの多様なニーズに合わせて料金プランを提供したいと考えているためです。今後もご提供できるよう努めていきます」

ソフトバンク 「音声通話は2種類の通話定額プランがあります。また、データ通信はお客さまのニーズに応じた1GB、2GB、5GBのデータ定額サービスがあり、さらに、ストレスを感じることなくデータ通信できる20GB、50GBがあります。これらを組み合わせてご利用いただけるシンプルな料金プラン設定となっています。その上で、お客さまの多様なニーズにお応えするために、いろいろな特典やオプションをご用意しています」

 3社共通していたのは、利用者の多様なニーズに合わせて料金プランを設定した結果という答えでした。確かに、日常生活におけるスマホの使い方は千差万別です。電話もネットもよく使う人、電話とメール機能さえあればいいという人、動画は見まくるけれど電話はほぼしない人……。それぞれのニーズに合わせて、各社が多様な選択肢を用意することは理にかなっています。

 しかし、新しい料金体系が発表され、安さのインパクトに興味を持って調べるたびに、注釈だらけで結局自分が適用されるかどうか分からず、「なんじゃこりゃああ」とさじを投げてしまいます。さらに端末購入時の割引や各種キャンペーンもあり、複雑化に拍車がかかっている状況です。

 「過去に新規参入したソフトバンクや、かつてのイー・モバイル(現Y!mobile)も、当時は『大手2社の料金プランが複雑すぎる。我々はシンプルなプランで勝負する』と宣言していました。しかし、しばらくすると他社に対抗するため似たようなプランを導入し、分かりにくい料金体系となる悲劇を繰り返しています」と振り返るのは、スマホ/ケータイジャーナリストの石川温氏です。

 石川氏は料金体系の複雑さの原因を、「キャリアは3社とはいえ激しい競争をしており、『他社にあって、うちにはない』が許されない環境があるからだ」と指摘します。「そのため、オリジナリティのある料金体系が発表されても、他社も真似して入れざるを得ません」(石川氏)。

 ケータイジャーナリストの石野純也氏も、「顧客流出を防ぐために、ある程度条件をつけながら、段階的に料金を下げてきた結果だと思います」と分析します。「単純に安くするだけでは、業績が下がってしまいます。例えば、ドコモが一律で100円値下げすれば、月に70億円以上飛んでいくわけで、上場企業としてそれはさすがにできないでしょう」(石野氏)。

 つまり、キャリアは常に競争にさらされており、利用者の流出を防ぐために値下げで対抗したい。しかし業績を大きく落とすわけにもいかず、なんとか努力した結果、条件のある料金体系ができあがる。がんばってシンプルにしても、他社が試行錯誤して条件のある安価なプランを作れば、市場環境上同じものを取り入れて、利用者の要望に応えざるを得ない、というわけです。

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