Amazon Echoユーザーの新常識 こんなスマートホームデバイスは「買ってはいけない」山口真弘のスマートスピーカー暮らし(1/2 ページ)

» 2018年03月15日 16時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

 「Amazon Echo」を購入したら試してみたいのが、他のスマートホームデバイスとの連携だ。Philipsの「Hue」のように最初からスマートホーム機能を搭載したデバイスもあれば、赤外線リモコンをエミュレートして既存の家電製品を操作できるスマートリモコン製品もある。Amazon.co.jpを見ていると、Amazon Echoとの動作確認済みをうたうスマートホームデバイスでめじろ押しだ。

 もっとも、それらのスマートホームデバイスの中には、お世辞にも快適に利用できないものや、そもそも利用が不可能なものも含まれており、購入してから「しまった、こんな落とし穴があったのか」とじだんだを踏むこともしばしばだ。

 今回は、Amazon Echoの初心者が引っ掛かりやすい「買ってはいけない」スマートホームデバイスの典型的な例を、3つピックアップして紹介する。

その1:「日本語版の」Alexaスキルで動作確認が取れていない

 多くのユーザーが引っ掛かるのがこのパターンだ。Alexa動作確認済みと書かれていても、それがAmazon.co.jpのアカウントを使って日本語でセットアップしたAmazon Echoで検証した結果とは限らない。

 実際のところ、Alexaスキルが公開されているのは米Amazon.comだけで、日本語版のAlexaスキルがないデバイスは山のようにある。早い話、日本で未検証のデバイスを、そのことをうやむやにして販売しているわけである。

 日本語版のAlexaで確実に動作するデバイスを見つけたければ、「Works with Amazon Alexa」の認定バナーが、製品ページの所定の位置に貼られているかを確認するとよい。

 このバナーがない代わりに、同じデザインのロゴが製品写真の中に貼られている場合は、本国では認定プログラムにパスしていても、日本ではそうではないデバイスである可能性が高い。Amazonプライム対象製品の中にもこうしたデバイスがゴロゴロしているので、実に油断ならない。

Works with Amazon Alexa 1 「Works with Amazon Alexa」の認定プログラムをパスしたデバイスは、製品写真の右側、型番や価格が並ぶ列にバナーが表示されている。ただしカスタムスキル(後述)を用いたデバイスはこの限りではない
Works with Amazon Alexa 2 バナーがない代わりに、同様のロゴが写真内に貼られているデバイスは、正式な認定バナーが所定の位置に貼れない何らかの理由があるわけで、疑ってかかった方がよいだろう

 これが顕著なのが、家電製品の電源を根本からオン・オフできる、いわゆる「スマートプラグ」と呼ばれる製品だ。2018年3月上旬時点で、日本語版のAlexaスキルが用意され、Amazonから認証マークを取得したスマートプラグ製品は、筆者の知る限り1つもない。仮に動作したとしても、次に紹介する技適の問題でほぼ確実に引っ掛かるので、現状では手を出さないのが正解だろう。

 なお、後述するカスタムスキルを使ったデバイスのように、「Works with Amazon Alexa」の認定バナーがなくても問題なく動作するデバイスもあるので、バナーがなければイコール使えないというわけではない。その点は注意してほしい。

その2:技適こと「技術基準適合証明」を取得していない

 もう1つ、技適こと技術基準適合証明の問題も避けて通れない。Amazon Echoと組み合わせて動作するか否かとは無関係に、技適を取得していない無線製品を国内で使用するのは電波法違反だ。Amazonはこうした製品をストアから排除するとしているが、前述のスマートプラグをはじめとして、現状では違法な海外製品が野放しになっている。

 技適を取得しているか否かは、総務省の「電波利用ホームページ」で検索するのが一般的だが、タイミングなどによって取得済み製品であっても検索にヒットしない場合があるのはややこしい。

 手っ取り早い方法としては、まずAmazon製品ページ上の説明文に記述がないか探し、それがなければAmazonの製品ページの「カスタマーQ&A」で、技適に関する質問と回答がないかチェックするのがよいだろう。

Radio Use Echo Plusの底面に印字された技適マーク
The Radio Use Web Site 総務省の電波利用ホームページを使えば技適取得済みの製品を検索できるが、取得済みであっても必ずヒットするわけではないのがややこしいところ

 なお一般的に、日本国内のメーカーが販売している無線製品であれば、技適は取得済みと考えて問題ないが、スマートホーム関連製品を発売しているメーカーは新興の事業者も多いため、国外メーカーと区別がつきにくい。

 また最近は、日本の事業者を装った海外の販売店がAmazonマーケットプレイスに出品しているケースも多く、この手の話題に詳しいユーザーから見ても判断しづらくなりつつある。

 むしろ、数十万円もの試験費用を払って技適を取得していれば、逆にそれをアピールして拡販しようと考えるのが自然なので、海外メーカー製でかつAmazonのページ上に技適取得済みであることが書かれていなければ、イコール技適未取得と判断するのも、少々乱暴とはいえ有効といえるだろう。

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