Amazon Echoユーザーの新常識 こんなスマートホームデバイスは「買ってはいけない」山口真弘のスマートスピーカー暮らし(2/2 ページ)

» 2018年03月15日 16時00分 公開
[山口真弘ITmedia]
前のページへ 1|2       

その3:「スマートホームスキル」に対応していない

 もう1つ、「スマートホームスキル」で動作するデバイスかどうかも、チェックしておいた方がよい。スマートホームデバイスを動かすためのAlexaスキルには「スマートホームスキル」と「カスタムスキル」の2種類があるが、カスタムスキルを使っている場合、そのデバイス固有の「呼び出し名」を音声コマンドに含める必要がある。

 例えば、スマートホームスキルであれば「Alexa、電気をつけて」で済むところ、カスタムスキルでは「Alexa、○○(呼び出し名)で電気をつけて」と、音声コマンドが長く言いにくいものになってしまう。

 カスタムスキルはスマートホームスキルに比べ、エアコンの温度設定のような機器特有の操作をメーカーが細かく作り込めるのが利点だが、音声コマンドが長ければその分、認識率も下がるし、何より言いにくい。どうしても詳細な操作にこだわるのでなければ、現状ではカスタムスキルにしか対応しないデバイスは、なるべく避けた方が無難だ。

 またカスタムスキルだと、Alexaアプリの「定型アクション」が利用できないのも大きなネックだ。定型アクションは、複数の機器を1つの音声コマンドで制御できる機能で、例えば帰宅時に自室の照明とエアコンを同時につける、といったことができる。自宅内のスマートデバイスが増えると利用頻度が高くなる機能だ。

 だが、この定型アクションが使えるのはスマートホームスキル対応のデバイスだけで、カスタムスキルにしか対応しないデバイスは選択肢にすら表示されないため、自然と仲間外れになりがちだ。

 将来的に定型アクションがカスタムスキルをサポートする可能性もなくはないが、こうした観点からも、現時点ではカスタムスキルにしか対応しないデバイスよりも、スマートホームスキルに対応したデバイスを選んだ方が安全パイだろう。

Alexa Skills 「スマートホームスキル」に非対応のデバイスだと、Alexaアプリの「定型アクション」機能が利用できない

 ちなみに、スマートホームスキルかカスタムスキルかどちらかを見分けるには、そのデバイス向けのAlexaスキルを探し、スマートフォン向けアプリの画面で詳細情報を確認すればよい。スマートホームスキルを使っていればその旨が、カスタムスキルを使っていれば呼び出し名が書かれているので一目瞭然だ。

 あるいは前述の「Works with Amazon Alexa」バナーはスマートホームスキルを使っていることが認定条件の1つであるため、そちらで判別してもよい。

 なおラトックシステムの「RS-WFIREX3」のように、現状ではカスタムスキルにしか対応しないが、将来的にスマートホームスキルへの対応を予告しているデバイスもあり、こちらであれば用途に応じてユーザーが選択できる可能性が高い。こうした先の見通しまでチェックしておけば、より失敗を減らせるだろう。

eHomeRS-WFIREX3 Alexaスキルの説明の中に「スマートホームスキル」があるかをチェックすればよい。LinkJapanの「eRemote」で使うAlexaスキル「eHome」は、スマートホームスキルに対応している(画像=左)。一方、ラトックシステム「RS-WFIREX3」で使うAlexaスキル「スマート家電コントローラ」は、呼び出し名が記載されていることから、カスタムスキルを使っていることが分かる(画像=右)。なお、ラトックシステムは今後スマートホームスキルもリリース予定としている
前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2024年04月26日 更新
  1. ワコムが有機ELペンタブレットをついに投入! 「Wacom Movink 13」は約420gの軽量モデルだ (2024年04月24日)
  2. わずか237gとスマホ並みに軽いモバイルディスプレイ! ユニークの10.5型「UQ-PM10FHDNT-GL」を試す (2024年04月25日)
  3. 「社長室と役員室はなくしました」 価値共創領域に挑戦する日本IBM 山口社長のこだわり (2024年04月24日)
  4. 「Surface Go」が“タフブック”みたいになる耐衝撃ケース サンワサプライから登場 (2024年04月24日)
  5. QualcommがPC向けSoC「Snapdragon X Plus」を発表 CPUコアを削減しつつも圧倒的なAI処理性能は維持 搭載PCは2024年中盤に登場予定 (2024年04月25日)
  6. 16.3型の折りたたみノートPC「Thinkpad X1 Fold」は“大画面タブレット”として大きな価値あり (2024年04月24日)
  7. アドバンテック、第14世代Coreプロセッサを採用した産業向けシングルボードPC (2024年04月24日)
  8. あなたのPCのWindows 10/11の「ライセンス」はどうなっている? 調べる方法をチェック! (2023年10月20日)
  9. ロジクール、“プロ仕様”をうたった60%レイアウト採用ワイヤレスゲーミングキーボード (2024年04月24日)
  10. AI PC時代の製品選び 展示会「第33回 Japan IT Week 春」で目にしたもの AI活用やDX化を推進したい企業は要注目! (2024年04月25日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー