レビュー
» 2018年05月18日 09時00分 公開

refeia先生が「Wacom Intuos」をねっとりとレビューするよ (1/3)

人気プロイラストレーターのrefeia氏が「Wacom Intuos」をレビュー。せっかくだから俺はベリーピンクちゃんを選ぶぜ(担当編集)

[refeia,ITmedia]

 こんにちは! イラストレーターのrefeiaです。

 今回は、ワコムから発売されたペンタブレット「Intuos」のレビューをさせていただくことになりました。実をいうとレビューの打診を見て一瞬、「そういえば、いま板タブ(ペンタブレット)って絵師としてあまり積極的に欲しいもんでもないな……」などと思ってしまったのですが、そのあとフツフツと興味が沸いてきました。

 今やiPadや一部のWindowsタブレットのように、液晶に筆圧ペンで直接絵を描けるデバイスの選択肢がとても増えています。それに、昔のように液晶ペンタブレットといえば20万円以上するのが当たり前だった状況でもないです。

 それなら、いま板タブを持つうれしさって何だろう? その中でもカジュアルなものは、どう進んでいこうとしているんだろう? かつて自分がメイン業務ツールにしていたデバイスの現在をのぞきたくなったのです。

 ワコムのペンタブレットにはおおまかに2つのシリーズがあって、片方がプロ仕様の「Intuos Pro」、もう片方がカジュアル向けの「Intuos」。今回レビューするのはカジュアル向けの最新型。これが、手軽に楽しくお絵かきができるのかと、お絵かき以外の用途だとどうなのかについて、じっくり見ていきます。

まずは外観チェック

 今回お借りしたのは、緑色のMediumサイズのモデルです。個人的には丁寧に製造された明るい色の樹脂の風合いが好きで、iPhone 5cも愛用していました。なので、背面を色付きの樹脂で覆って、表から見るとフレーム状にその樹脂の色が見える処理はとても好みです。

 Mediumサイズ以外にはSmallサイズもラインアップされていて、それぞれに黒、ピンク、緑色が選べます。黒色になるだけで高級感がぐっと出るので、こちらのほうが合う人も多いでしょう。

 そしてここから、カジュアルIntuosならではの親切仕様がたっぷりです。まずペンを本体上側のタグに差し込んで収納時になくさないようにできます。そしてケーブルには柔らかい素材のケーブルタイがついていて、きれいにまとめて置いておけます。

 そしてボタン部分はペンのトレー。

 本体の上面がほんの少し傾斜していて描きやすい角度になっています。左右逆置きにできることを選んだIntuos Proには出来ない芸当です。

 そしてこれ……ペンのお尻がキャップになっていて、中には替え芯が入っています。キャップ自体にも芯抜きの機能があります。あっと思った瞬間に手元でキャップを開けて、そのまま消耗した芯を抜いて新しいものを差し直すことができる、天国のような仕様です。

 Intuos Proの高級感あるペン立てと、それに替え芯が収納されている仕様も素敵なのですが、ペン立ては使うとは限らないし、フタの開け閉めが快適とはいいづらいものがありました。正直プロペンの消しゴム側を使っている人を見たことがないですし、プロペンもこの仕様にしてほしいぐらいです。

 カジュアル製品らしい柔軟な仕様が、肩ひじを張ったPro製品よりかえって良いのでは、と思えることが多く、かといってPro製品を悪くもいいづらいし、なんかもう……どう書いたらいいの?

ペンもチェック。細身で持ちやすい!

 ペン自体も見ておきます。今回の付属ペン「Wacom Pen 4K」は、4096レベルの筆圧検知が可能になっています。プロペンシリーズのような厚手のゴムグリップはついていませんが、表面処理は上質で、特に軟質な素材を使っているようにも見えないですが指当たりも柔らかいと思います。

 そしてまた個人的な事情で恐縮なのですが、大好きだったけどProラインの現行世代では供給されていない「クラシックペン」とほとんど同じ太さでうれしくなってきます。

左から、プロペン2、本製品、旧型のクラシックペン

 プロペン2も見た目より軽くてとても持ちやすかったですが、さらに軽く、持ちやすくて動かしやすく、始筆の「板にぶつかってる感触」も少ないです。筆圧ペンを重たい金属で作りたがるメーカーは多いですが、こういうのは見習ってほしいところですね。

設置してみました

 さてさて、さっそく後でお試しするするために設置してみましょう。今回はカジュアル製品なので、手持ちの新しくないノートPCをそのまま使うというシナリオでやってみます。

ノートPCは2012年ぐらいの古いモデルです

 え、Bluetooth最高すぎでは。Intuosは一部のモデルを除いてバッテリーとBluetoothが標準装備されています。収納された状態から使いはじめるまでの抵抗がとても小さくて、エントリー機にこそ必要な機能だと思います。

筆圧などのデフォルト値には疑問

 4096レベルの筆圧検知ということで、少し試し書きしてみたのですが……Intuosのペンは軽い筆圧での反応が明らか急激で、筆圧を使った表現がコントロールしづらいです。ペンの自重だけをかけた状態で検知される筆圧を見てみると、プロペン2より軽いはずなのに、3倍ぐらいの筆圧値になっていました。

ペンの重さだけの筆圧をかけた時の筆圧レベル。モアレ出ててごめんなさい

 そうと分かれば感度の設定を「硬い」にして、あとはお絵かきソフトの側で微調整すれば概ねプロペン2などと感覚はそろうのですが、ちょっと疑問が残るデフォルト設定です。一時的なものかもしれませんね。

 今回はカジュアル製品なのでオン荷重や最大検知荷重のチェックはしませんが、筆圧の感触を適切に設定しなおした状態で描いてみたところ、特に劣っているとは感じずに自然に描くことができました。

 また、デフォルトで気になる値といえば、検知範囲と画面範囲の割り当てが「縦横比を保持」になっていないところもです。仕様表によると本機の検知エリアの縦横比は16:10。これを16:9のノートPCに接続して真円を書いたら、楕円になってしまいました。これくらいの比率だと気づきにくいトラップです。

 とはいえこの両方とも、設定を変えれば問題ないものです。実際に買われた方や検討されているみなさんは、使いこなし術として覚えておくと良いと思います。

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