スマートホームなセキュリティカメラ「Arlo Q」を試す 競合製品と何が違う?(1/3 ページ)

» 2018年07月24日 16時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

 近年は録画データを機器本体ではなく、クラウドに保存するタイプのネットワークカメラが増えつつある。ネットギアの「Arlo Q(アーロ・キュー)」もそうした製品の一つで、スマートフォンから遠隔視聴できるクラウド型のネットワークカメラだ。同社は「スマートホームセキュリティカメラ」と呼んでいる。

 Amazonの「Works with Alexa」認証を取得しているこの製品、最近ではディスプレイ搭載スマートスピーカー「Amazon Echo Spot」とのセット販売も行われているので、ご存じの方も多いだろう。

Arlo Q ネットギアのスマートホームセキュリティカメラこと「Arlo Q」(VMC3040)

 Arlo Qは、こうした製品の中では最安値クラスとなる実売価格1万円台半ば(税別)で入手できる点に注目したい。加えて、録画プランが有料オプションではなく、7日以内および容量1GB以内であれば無料で提供されることが大きな特徴だ。

 このカメラ、筆者はEcho Spotとセットでオーダーし、約1カ月間先行して使用することになったのだが、結論から言うとなかなかのスグレモノである。Echo Spotとの連携機能はいずれ別記事で紹介するとして、今回はArlo Q単体にフォーカスし、ハードウェアの特徴や設定方法、さらに同等製品と比較しての特徴や活用方法をチェックしていく。

サーバにデータを保存するクラウド型ネットワークカメラ

 Arlo Qの形状はネットワークカメラとしては一般的で、ボールジョイント式のアームを動かすことで角度を自由に調整できる。台座部分には強力なマグネットを内蔵しており、据え置き設置の他、スチール面に吸着させることも可能だ。

 解像度はフルHD(1080p)で、ネットワークカメラに多くみられるVGAクラスの製品とは一線を画するクオリティーだ。また視野角も130度と広い他、赤外線LEDを用いての暗所での撮影にも対応している。さすがに1万円台という価格故に防水機能はなく、屋外での利用には対応していない。

 USBケーブルは給電用途で、データの送信は全てWi-Fiで行う。Wi-Fiは2.4GHz帯だけでなく5GHz帯(IEEE 802.11n)に対応しているので、2.4GHzが混んでいる環境でも、安定した映像の送信に効果がある。IEEE 802.11acには対応していないものの、いまだ2.4GHz帯でしか利用できない一般的なネットワークカメラとは、一線を画する印象だ。

Arlo Q 製品パッケージ。日本語の表記がある
Arlo Q 付属品一式。本体の他、USBアダプター、ケーブル、台座、木ねじ、取扱説明書一式が含まれる。この手の製品としては充実している
Arlo Q 正面から見たところ。ひし形のボディーとそれを支える台座が特徴
Arlo Q 向かって右側面に同期(Sync)ボタンおよびリセットボタンを備えるなど、ハードウェアボタンを複数搭載しているのは今となっては珍しい
Arlo Q 左側面にはスピーカーを備える
Arlo Q ボールジョイントで角度は自由に変更できる。今回の機材で試した限りでは特に緩いこともなかった
Arlo Q 背面のポートに差し込んだUSBケーブルはこうしてアームに沿わせる
Arlo Q 底面。マグネットが内蔵されておりスチール面に吸着できる
Arlo Q ボールジョイントの自由度は高い
Arlo Q 付属のUSBケーブル。外観は特異だが一般的なMicro Bケーブルと相違なく、手持ちのケーブルと交換も可能だ

初心者でも分かりやすいセットアップ手順

 セットアップはスマホを用いて行う。ステップ数はやや多いが、それは分かりやすさを重視しているからで、煩わしさは感じず、初心者でも問題なく行えるはずだ。

 他社製品と比べると、本体のボタンを押したり、スマホに表示されたQRコードをカメラで読み取ったりすることで、アプリ画面へのシリアルコード入力などの煩わしい作業を極力省こうという意図が感じられる。

 以下、セットアップの主要画面を抜粋して紹介する。

Arlo QArlo Q アプリは日本語化されている。今回は初めての使用になるので「初めてArloを使いますか?」をタップして次へ進む(画像=左)。リストから機種を選択した後、カメラの電源を投入してLEDが点灯したら次に進む(画像=右)
Arlo QArlo Q ネットワークに接続した後、本体の「Sync」ボタンを押してLEDが青色に点滅し始めたら次に進む(画像=左)。画面にQRコードが表示される(画像=右)
Arlo Q QRコードをカメラ本体で読み取る。国産モデルではあまりないユニークな仕組みだ
Arlo QArlo Q デバイスが検出された(画像=左)。表示されている内容が合っているか確認して次へ進む。「デバイスに名前を付ける」の入力では、設置場所の名前を付ける(画像=右)。複数台を使用するために必要な手順だ
Arlo QArlo Q アカウント登録を行った後にプランを選択する(画像=左)。プランは後でも変更できるので、ひとまず今回は無料のBasicプランを選択。以上でセットアップ完了(画像=右)。アプリのホーム画面に戻ると画面が表示されている
Arlo Q この時点で既に通知機能が有効になっているので、動作が検知されるとアプリの通知機能の他、メールでも通知が届く。不要であればオフにしておこう
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