スマートスピーカーを使って音声で操作できるのは、何も家電製品ばかりではない。最近はPC周辺機器でも、スマートスピーカーからの音声コマンドで、特定の操作ができる製品が登場しつつある。
今回はその一つ、Amazonの音声アシスタント「Alexa」に対応した、TP-LinkのWi-Fiルーターを紹介しよう。ルーターは周辺機器類の中でも操作する機会が少なく、セットアップ以降は放置したままという人も少なくないはずだが、果たしてスマートスピーカーの「Amazon Echo」を使って、どのような操作ができるのだろうか。
TP-Linkが販売しているWi-Fiルーターの中には、Alexaに対応した製品が幾つかあり、今回紹介する「Archer A9」はその一つだ。ラインアップの位置付けではエントリーモデルだが、IEEE 802.11acに対応するデュアルバンドの製品で、家庭用としては十分すぎるほどのスペックだ。Amazon.co.jpでの販売価格も1万1800円(税込)と安い(販売はAmazon.co.jp限定)。
本連載はスマートスピーカーの使いこなしがテーマなので、Archer A9のWi-Fiルーターとしてのレビューは行わず、音声操作に関連するポイントのみ取り上げる。
スマートスピーカーと組み合わせての利用には、「TP-Link クラウド」なるクラウド連携機能が、ルーターの側で有効になっている必要がある。その上で、スマートフォンのAlexaアプリで「TP-Linkルーター」スキルを有効化し、TP-Link クラウドと同じメールアドレスおよびパスワード(TP-Link ID)を入力して承認する。
作業はこれだけで、後はAmazon Echoに向かって「Alexa、TP-Linkルーターを開いて」と声を掛けると、スキルが起動し、何を実行するか尋ねてくるので、具体的に指示すればよい。
本スキルで可能な操作は、ゲストネットワークの有効・無効の切り替え、LEDの消灯・点灯、スリープモードのオン・オフなどだ。どう指示をすればよいか分からない場合は「ヘルプ」と声をかけると、どのような指示に対応しているかを読み上げてくれる。
レスポンスは比較的高速で、ほぼブランクなしに、ルーターの設定が書き換わる。例えて言うならば、スマートリモコンで家電製品のオン・オフの指示を出してから実際に家電製品が反応するまでのレスポンスと同等で、待たされてストレスになることはない。
複数の機能が用意されているだけに、全ての音声コマンドを覚えるのは現実的ではなく、取りあえず「TP-Linkルーターを開いて」さえ覚えておけばよいだろう。これさえ忘れなければ、後はスキルの側が教えてくれるからだ。
ちなみにバックグラウンドの動きとしては、Alexaからのコマンドが「TP-Link クラウド」に届き、そこからあらためてルーターに対して「TP-Link クラウド」経由でコマンドが送出されているとみられる。それ故にインターネット接続は不可欠で、オフラインにしている場合は対応できない。この辺りはほかのスマートホーム製品と同様だ。
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