2017年8月末に突如発表された米Amazon.comと米Microsoftの「音声アシスタント」提携。スマートスピーカー市場をリードするAmazonの「Alexa」と、膨大な数の稼働デバイスがあるWindows 10の「Cortana」が連携するとあって注目を集めたが、当初予告されていた「2017年内」を過ぎても、サービスが始まることはなかった。
2018年に入ると、米国ではAlexa搭載のWindows 10 PCが多数発表され、この音声アシスタント連携の存在価値に疑問符が付いたりもしたが、2018年5月には開発が進んでいることが公の場であらためて明らかになった。
Microsoftが2018年5月に米ワシントン州シアトルで開催した開発者向けイベントのBuild 2018にて、Amazon.comのAlexa担当ならびにMicrosoftのCortana担当が登壇し、スマートスピーカーの「Amazon Echo」とWindows 10搭載デバイスを使い、互いのサービスを呼び出し合うデモを行ったのだ。
そして約1年越しとなる2018年8月15日(米国時間)、ようやくAlexaとCortanaの音声アシスタント連携機能が一般ユーザーでも利用できるようになった。まだ「パブリックプレビュー」という扱いだが、基本的な機能は使えるので、今回は試用レポートをお届けしよう。
AlexaとCortanaの連携機能はシンプルだ。Alexaからは「CortanaをAlexaのスキル」として、逆にCortanaからは「AlexaをCortanaのスキル」として呼び出して利用する。
Echoシリーズに対しては「Alexa, open Cortana」と話し掛けることで音声アシスタントがCortanaへと切り替わり、Windows 10 PCに対しては「Hey Cortana,Open Alexa」と話し掛けることでAlexaへと切り替わる仕組みだ。Windows 10 PCに加えて、Cortana対応スマートスピーカー「Harman Kardon Invoke」でも利用できる。
注意点としては、この音声アシスタント連携機能はまだ「機能限定プレビュー」であり、例えばAmazon Musicの音楽ストリーミングやオーディオブックの朗読、アラームの設定など、本来利用できる機能が使えない状態にある。しかも、利用可能なのは「米国(英語)」の設定のみだ。日本での利用はまだ未対応だと考えていい。
では、実際にセットアップしてみる。今回はEchoシリーズのディスプレイ搭載モデル「Echo Spot」にCortanaをセットアップしてみた。逆に、Windows 10 PCにAlexaをセットアップする場合も基本的には同じ流れなので簡単に準備できるだろう。まずはAmazon.comのサイト(以下)に移動して、Alexaのスキルを導入する。
Alexaへのスキル導入には、米国の「Amazon.comアカウント」を設定する必要がある(日本のAmazon.co.jpアカウントではない)。米国版のアカウントは米国外に在住していても登録できる。Amazon.comにログインした状態でスキルを選択すると、スキルがアクセスする個人情報の許可を要求してくるので、これに同意する。
次に、Cortana自体が呼び出す情報やプライバシー保護に関しても同意すると、「Microsoftアカウント」でのサインインを要求される。最終的にMicrosoftアカウントでのサインインが完了し、Amazon.comへの情報提供に同意した段階で、スキルが有効になる流れだ。これで準備は全て完了した。
後は当該のAmazon.comアカウントにリンクされたEchoシリーズのデバイスであれば、どれからでも「Alexa, open Cortana」と話し掛けることで、Cortanaを呼び出せるようになる。
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