今回、NVIDIAからFINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONベンチマークのDLSS対応テストが配布されたのでこれを試してみた。このテストではTAAとDLSSの比較ができる。あまり詳しく検証する時間がなかったが、切り出したキャプチャーとスコアを紹介しよう。
まず画質面。スクリーンショットを撮ってみると同じシーンでもかなり異なる。分かりやすいところで背景の木々を拡大すると、TAA側は葉っぱの間を通じて見える幹がしっかり描画されているものの、ノイズのようにも見える。
一方、DLSS側はそのあたりがマイルドになっている。また、帽子の上の部分、TAA側では岩肌の手前に葉っぱがかかっていただろう部分が、DLSSではやや不自然に岩肌色に潰れていた。3D上での計算ではないという点で、AIらしく判断ミスもあるようだが、全体的に映像がキレイであることは確かだ。
スコアも、このテストの設定ではTAAに対してDLSSの方が高かった。RTX 2080 Tiは対TAAでDLSSが1.36倍。画質については好みもあるが、DLSSの方がよかった印象で、その上でスコアもこれだけ伸びれば十分だ。ただし、FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONベンチマークだけでなく、今後さまざまタイトル、実際のプレイでの効果も確かめた上で判断した方がよいだろう。
いちばん負荷の低いOrange Roomはそろそろ他がボトルネックになっているだろうか。Cyan、Blueと、RTX世代がGTX世代を大きく上回っている。RTX 2080 Tiは特にCyanのテストにおけるスコアの向上が大きかった。VRタイトルでも高画質なものが楽しめるようになるだろう。RTX 2080もGTX 1080 Tiを大きく上回る。
VRタイトルを楽しむ上では、RTX 2000シリーズは強力な武器になりそうだ。ここで紹介したVRMarkのスコアというだけでなく、VR向け機能も強化されている。ariable Rate Shading(VRS)能では、VRヘッドセットのアイトラッキング機能と合わせて視線の中央を詳細に、視野外の処理を省くような処理も可能になる。
アイドル時についてはGTX 1080がとりわけ低いが、他は横並びだった。高負荷時はGPU性能順と言いたいところだが、RTX 2080はGTX 1080 Tiよりやや上か比肩するあたりと考えると、むしろ消費電力増のように見える。もちろん、RTX 2080 TiもTDP上ではGTX 1080 Tiと同じクラスだから、検証環境由来の計測ミスであるならよいが、ここまで差がついたのは驚きだ。
とはいえ、結果は結果として、こういうこともあり得る。FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITIONベンチマーク側ではRTX 2080 TiとGTX 1080 Tiで90W近い差で、必要となる電源出力で言えば180W≒200W分多く見積もらなければならない。見積もり上の消費電力の倍の電源出力を選んでいれば、同じグレードでアップグレードしでもマージンでカバーできるが、余裕のない出力で運用している方は電源の買い換えを検討したい。
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