144Hz駆動の17.3型パネルと狭額縁でゲームに没入! 「NEXTGEAR-NOTE i7920PA1」の性能を確かめる(1/3 ページ)

» 2019年01月31日 18時35分 公開

 ゲーミングノートPCもニーズが多様化してきた。その昔はゴツく分厚い、「本当にノートPCなのか!?」と思わせる製品が大半を占めていたが、今はそうした伝統的なモデルに加え、スタイリッシュなモデルも登場している。そして、スタイリッシュさを追求するのはモバイルも考慮した15.6型以下のモデルが中心だったが、この度ついに17.3型が登場した。G-Tuneの新型ノート「NEXTGEAR-NOTE i7920PA1」を見ていこう。

ゲーミングノートPCらしさを極力抑えた外観デザイン

 今回のレビューを引き受けるにあたり、G-TuneのゲーミングノートPCとだけ聞いていたため、いざ届いた製品を取り出したときは「ああ、15.6型モデルだな」と思ったのだが、液晶パネルを開き、スペックを確認して驚いた。なんと17.3型モデルだったのだ。

NEXTGEAR-NOTE i7920PA1

 狭額縁ベゼルは、昨今のノートPCにおけるトレンドだ。狭額縁ベゼルのメリットが最も大きいのはモバイルノートPCの分野で、14型パネルを従来の13.3型モデルのボディーで実現したり、15.6型パネルを従来の14型モデルのボディーで実現したりと、小型・軽量なモビリティと、大画面の快適さを両立できる狭額縁モデルが多数登場している。

 ゲーミングノートPCでも、昨今はモバイルゲーミングノートPCというジャンルが登場し、スリムなモデルが増え、これに合わせて狭額縁モデルが登場してきた。これが2018年までの流れだ。15.6型や13.3型が中心である。

 一方の17.3型はというと、大画面=大型ボディー=高性能パーツを搭載できるフラグシップという考えが強く、狭額縁モデルはまだこれから。ただ、モバイルがあまり関係のない17.3型モデルでも、狭額縁ならベゼルという目立つ部分の面積が減り、ゲームへの没入感が増すというメリットがある。

ほぼ15.6型のボディーに17.3型パネルを搭載。狭額縁ベゼルで画面占有率は84.77%となり、ゲームでの没入感も向上する。また、144Hz表示に対応しており、高いリフレッシュレートでゲームを楽しむことが可能だ

 液晶パネルは解像度が1920×1080ピクセル。視野角は垂直水平85度で、パネル駆動方式は非公開だが実機でも十分な視野角だった。sRGB比も95%とのことで色味も不満がない。また、リフレッシュレートでは144Hzに対応している。通常のディスプレイは60Hzだが、ゲームプレイではよりスムーズな映像を求めてより高いリフレッシュレートのパネルが好まれる。もちろん、普段のPC操作もスムーズな描画になるので快適だ。

 同時に薄さにも驚く。本製品は突起部を除けば約26.6mm。もちろんモバイルノートPCのように薄くはないが、いわゆる15.6型据え置きノートPCと同じか、さらに薄い。これまでの17.3型ゲーミングノートPCときたら30mを余裕で超える厚みが当然だったから、机の上に置いたときの存在感に圧倒されたものだが、本製品はというと普通のノートPCのようである。重量は約2.6kgなのでモバイルすることは可能でも、かなり重さを感じることだろう。あくまで据え置き用途になるのではないだろうか。そしてゲーミングノートPCだけに、ACアダプターも大きめだ。

 液晶天板部は非常にシンプルなデザイン。ひと目見ただけではゲーミングノートPCとは分からないだろう。ツヤ有りのブラック塗装でヘアライン加工が高級感を感じさせるが、ムダな意匠がなくフラットだ。

天板は光沢のあるブラック塗装にヘアライン加工を施している。フラットで意匠が少ないため、いわゆるゲーミングノートPCの有り余る存在感とは違った印象を受ける
ACアダプターは定格出力が180W。サイズが大きく重量もあるので、モバイル向きではない

 底面の方がむしろゲーミングノートPCらしさを感じる。中央から後方にかけて広く吸気口が設けられており、前方や側面のカットデザインもかなり凝ったものになっている。このカットは、より薄く見せるデザインと思われるが、同時にゲーミングノートPCに求められる排気口の開口部をできるだけ大きくとるデザインでもあるようだ。排気口は背面左右と、左右側面の後ろ寄りに設けられている。

 インタフェースは左右および背面に配置されている。背面にはHDMI、Mini DisplayPort×2、USB Type-C、ACジャックといった具合で電源と映像出力に特化している。左側面はヘッドフォン、マイク、USB 3.0、そして1000BASE-T LAN。LAN端子はコネクターの下側が開閉することで、未使用時は目立たなく、引き出せばアダプターなしにRJ45端子のLANケーブルが挿せる。右側面はSDカードリーダーとUSB 3.0×2となっている。

本体左側面
本体右側面

もちろんゲーミングノートPCらしさもある

 他にも、ゲーミングノートPCらしい部分を紹介していこう。まずはLEDイルミネーション。本製品では、キーボードと前面ライトバーが発光する。

 まずはキーボード。一見では分からないが、スリムなメカニカルキーボード仕様となっている。ゲームでは特定のキーの押下回数がやたらと高くなるが、メカニカルキースイッチの耐久性なら安心だ。

メカニカルキーボードを採用

 その上でフルカラーLEDのキーボードバックライトを採用している。ゾーンを分けた発光だけでなく、キーの1つ1つに対して設定が可能なので、W/A/S/Dキーだけを発光させるといったこともできる。もちろん全てオフとすることもできるので、LEDがあまり好みではない人も大丈夫だ。

独特のカットが施されたキートップ。全キーで同時押しに対応している
キー1つ1つに対して設定ができるLEDバックライトを搭載

 メカニカルキーによってカチッとしたクリック音が心地よく、よくできたキーボードだ。しかし、1つ指摘しておけばゲーム以外の用途では慣れを必要とするかもしれない。それというのも配列に若干のクセがあるためだ。筆者も最初は気付かなかったが、Back spaceの左隣りに通常あるはずの「\」キーが見当たらず、よくよく探すと十字キーの左に移設されていた。確かにゲームではあまり使うことのないキーだ。ただし、普段使いでは、金額の入力やネットワークドライブの割り当てなどに使うこともある。そしてこの移設のためか、右Altと右Ctrlがない。ここが慣れを必要とするだろう部分だ。

バックライトの制御など、ユーティリティーを統合した「Gaming Center」

 前面のライトバーは、オン・オフ可能だが、電源オン時のムードを高めたり、スリープ状態ではブレスモードにでき、充電のインジケーターとして機能するようだ。とはいえ電源LED自体はある。単にムードを高めるための、ゲーミングノートPCらしいイルミネーション機能だと思ってよいだろう。

ライトバーもカスタマイズできる

 この他、キーボードの右上、電源ボタンの左隣りにもボタンがある。「Geming Mode」用のボタンとのことで、これを押しGeming Modeに切り替わると、通常TDP 45Wで動作しているCPUが55Wへと引き上げられる。CPU性能を引き上げるボタンだ。

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